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日本では、幼児に対して「ボク」と呼びかけたり、
家族内の呼び方を最年少の子供中心にあわせて「お母さんは~」と話したりしますよね。
こういう現象が起こるのは、子どもにとって、
「自分も"ボク"だが、お父さんにとってはお父さんが"ボクであり"、お兄ちゃんにとってはお兄ちゃんが"ボク"であり…」
という理解が、ヒトと呼び名の一対一対応と比べて理解が難しいためではないかと、勝手に思い、そこで疑問に思ったのですが
そもそも、自分の名だけつけられれば一人称というものは必要がない気がします
そのため、一人称がない(または、一人称よりも自分の名で自分を呼ぶ方が通常である)言語も存在しても不思議ではないな、と思ったのですが
そのような言語は実際に使われているでしょうか?

A 回答 (1件)

まず定義をしておきましょう。


一人称とは、話し手を表す言語形式
二人称とは、聞き手を表す言語形式
三人称とは、第三者を表す言語形式

逆に言えば、話し手を表す言語形式は全て一人称です。
私の名前が太郎だとして、「太郎はお腹がすいたなぁ」と言ったします。この時点で、「太郎」は一人称です。

人称の区別は普遍的で、あらゆる言語に見られるものです。

一人称として自分の名前しか使えない言語があったとしたら、通りすがりにちょっと言葉を交わすだけでもいちいち自己紹介せねばならず、不便この上ないことでしょう。第一、三人称との区別が付かなくなります。

さて、人称の区別はあらゆる言語にあるとはいうものの、その形式はさまざまです。
1.人称代名詞を用いるもの (中国語など)
2.動詞の活用がメインで、時に補助的に(とくに強調のため)人称代名詞を用いるもの (北米原住民語など)
3.名詞を代名詞に転用するもの (日本語など)

おそらくご質問の意図は一人称専用の(代)名詞を持たない言語はあるか、ということではないか推察致します。

答えとしては、一人称代名詞を滅多に使わない言語はたくさんある。しかし、一人称(話し手)を表す言語形式を持たない言語は存在しない。

ただ、細かく言えば、かなり複雑です。

現代日本語は二人称代名詞を持たない言語です。古くは「な」と言う言葉がありました。「汝」の「な」です。でももう使われませんね。「そちら」「あなた」は方角を表す言葉です。「先生に教えて頂きたいことがあるんですが」の「先生」は役職名の転用です。

日本語は三人称代名詞も持ちません。「彼」なんてのはもともと「あの」にあたる指示詞で、明治になってから he の訳語として用いられるようになったものです。

では一人称はどうでしょう。「私」や「我々」は「わ」という一人称代名詞からできた言葉です。ま、それほどは使われないかもしれません。「僕」なんて、本来は漢語です。外来語だったんです。

でも、元は何であれ、あるいは人称表示以外の用法があるにしても、人称を表す言語形式は全ての言語にあります。
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この回答へのお礼

非常に丁寧なご回答ありがとうございました。

「一人称」と「一人称代名詞」の区別と、
一人称代名詞が無い場合の不都合と、わかりやすくよませて頂きました

お礼日時:2008/04/24 06:27

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