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バイパス型ジェットエンジン搭載の旅客機は逆噴射の時、バイパス部を通った空気を斜め前方に噴射して機体を減速させるのですが、吸い込んだ空気を前方に放出するという事は逆噴射で減速の効果は得られないと思うのですが、実際には逆噴射で減速しています。これはどういう事なのでしょうか?私は吸い込んだ空気を真ん前に噴射しても、減速にプラスマイナスゼロだと思うのですが。更に燃焼室を通った排気は後ろに放射されるので、逆噴射は意味無いどころか加速に荷担するように思うのですが、このからくりが判る方、ご回答を宜しくお願いいたします。

A 回答 (8件)

再びお邪魔します。



申し訳ない。質問の趣旨を間違って解釈していたようですねェ。
質問者様の言いたいことは、前方から吸い込む空気の量と、前側に向かって噴出される空気の量は同じだから、逆の推力が発生するのか?。
と言うことだったんですね。
そう気が付いて質問を読み返すと、なかなか鋭い目の持ち主だと思います。(いまさら何を・・・と言う感じでしょうが・・・)

ヒコーキの整備工場などに行って逆噴射の説明を受けても、ほとんどの人は聞き流してしまうでしょうが、よく考えると確かに不思議な感じを受けますねェ。

ちょっと経験に基づいた思考実験をしましょうか。
水撒きなどに使う水道のホースを蛇口に付けます。
そして蛇口を開けて水撒きをします。
水を遠くまで飛ばしたいときはどうしますか?。ホースの先端を指で潰して出口を小さくすることで、水は遠くまで飛ぶことを経験的に理解できると思います。
じゃあそのときホースを持つ手は、水が飛び出す方向と反対の方向に大きな力を感じませんか?。つまり水の反動です。

ホース先端から出てくる水の量を、ジェットエンジンの吸い込み側の空気の量と考えてください。
そして水を遠くまで飛ばそうと先端を潰したときを、逆噴射のときと考えてください。
どちらもホース先端から出てくる水の量はほとんど同じです。(実際は、先端を潰して抵抗になった分だけ流量は減っていますが、流量が減っても、ホースから受ける反動は大きいことがわかります。)

吸い込み側と吐き出し側の空気の総量は同じでも、出口を狭めることでより大きな反動を受けます。
この原理を使って、ヒコーキは逆噴射で減速しています。
ホースの例では先端を潰しましたが、潰すことで何が変わったかのかはわかると思いますが、「速度」が変わります。
物体が受ける力(反動)は、相対速度と質量を掛けたものです。
入る空気と出る空気の量は同じでも、出すときに速度を上げてやれば反動は大きくなります。
実際には「ノズル理論」と言う複雑なしくみがありますが、言葉で説明するには、ホースを例にした方が分かり易いでしょう。

実は私は以前ヒコーキに乗っていた者なんですが、今はなくなりましたが、「コンコルド」などの音速を超えて飛行するエンジンが不思議でした。
たとえば音速の2倍で飛んでいるということは、ジェットエンジンから噴射されるジェットは、音速の2倍以上の速度がなければ出せませんよね。でもエンジンの中ではこう言った機械的なファンやタービンが回転しているわけで、そうなるとファンやタービンの先端は明らかに音速を超えているわけですが、音速を超えると機能しないのでそんなバカなことがあるはずはない。じゃあどうやっているのか、暫く疑問でした。
結局ホースと同じ原理で、エンジンのタービンの出口までは同じで、大気へ噴射するまでのノズルに秘密があったわけです。

ロケットエンジンも同じです。燃焼室内の高い圧力は、ノズルを通ることで速度のエネルギーに変換されていたわけです。

余談ですが、逆噴射はヒコーキが接地した瞬間から数秒間しか動作させません。逆噴射の空気の流れが確実に後方に流れ去るまでです。
でないと、ジェットの排気がまたエンジンの中に入ることになり、ストールを起こすからです。
車で言うと、排気ガスをそのままエンジンの吸気側に戻すことと同じになり、うまく機能しなくなります。
湿度の高い梅雨の時期、空港でヒコーキを見ていると、逆噴射したエンジンから炎を吹き上げる状態が見られることがありますが、ジェットエンジンのサイクルがうまくいかなくなった状態の表れです。
長時間続けるとエンジンにダメージを与えかねないので、それを防ぐためにも、ほんの数秒間だけしか使いません。
そのためもあって、逆噴射は前方ではなく、斜め前に噴出すようになっているわけです。

これを踏まえて、みなさんが書かれたように、推力の大半はファンが作っていることを理解すれば、よくわかると思います。
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私の書いた図で「推力が0やマイナスになってはいない」事はお気づきでしょうか?



そもそも、ターボファンエンジンは減速のためとはいえ「停止する事は出来ない」事は理解していますか?つまり、普通のアイドリングでさえ「推力0ではない」のです(実際にはブレーキや車止め等で進まないようにはしていますが)。エンジン停止をした場合、エンジン自体が単なる抵抗にしかならない上に、推力が必要になったときに再点火できない可能性が高い訳ですから、急減速とはいえ「推力を0には出来ない」訳です。

そこで、エンジンを停止させずに推力を出来るだけ0に近くする装置、スラストリバーサーを使う訳です。

あなたの勘違いは、「減速時の推力は0だと思い込んでいる点」です。実際には0ではありません。スラストリバーサーは、0には出来ない推力を、可能な限り0に近づける装置なんです。
私の書いた模式図を、もう一度よく見てください。推力をマイナスにする装置ではなくて、可能な限り0に近づける装置です。エンジンを稼働させたまま、ね。

旅客機が逆推力でバックできる訳が無いんですよ。また、そんな構造では「危なくて業務用に使えません」。ハリアーでもないので、バックは出来ません。

この回答への補足

再度のお返事有り難うございます。

>旅客機が逆推力でバックできる訳が無いんですよ
え!?
ジェットエンジン搭載の旅客機の逆噴射は、バックできる程の威力がある事は業界では常識になっているんですが。
実際、古い機体のDC9でもバックしていましたし。
逆噴射でのバックは一般空港では禁止されているだけで、バックは可能なのですが・・・・
私の親戚に日夜旅客機を整備している一級整備士がいるのですが、その人でも逆噴射のメカニズムが判らないというので、今回質問させていただいているのです。

補足日時:2008/01/18 18:38
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「燃焼室を通った空気なら、吸い込んだ空気より高温で容積が増しているので、逆噴射の効果はうなずける、しかしバイパスした空気は容積が変わらないのに、吸い込んだ反動より大きな反動を逆方向に発生するとは不思議だ」というのが、ご主旨でしょうか。

前から空気を吸い込み、その「容積や質量は変えない」という条件で、前でなく後ろに進む装置の可能性を考察してみましょう。反動は質量と速度の積ですから、取り込む速度より排出する速度を大きくすれば、排出の反動が勝り、後退すると考えられます。例えば具体的に、1m^3 約1kg の気塊を10 m/s の速度で吸い込み、次にその気塊を 100 m/s で来た方向に跳ね返す、その繰り返しの光景をイメージして下さい。

プロペラを使って、連続的に行うにはどうすれば良いか。吸気口より排気口の断面積が小さければ、可能性があるように思います。吸排気で速度差が生じ、流量の辻褄も合います。速度を上げても噴射口が小さいと・・・と思われるかもしれませんが、流量不変で速度が増している事に注目して下さい。
基本原理上の、F= (ρ S v ) v 、つまり F= ρ S v^2 なる反動を吸排気で比較してみましょう。
それぞれの反動:F1,F2、流体速度: v1,v2、開口面積:S2,S2、密度:ρ、と書く時
仮にρは一定とし、流量不変つまり S1 v1 = S2 v2 を条件にすると、
F2 = (ρ S2 v2 ) v2
  = (ρ S1 v1 ) (S1/S2 v1)
  = ( S1/S2 ) F1
のように、F2 と F1 の関係が求まります。ただし、密度が変化しないとした際の、吸排気における反動の単純計算値です。実際は圧縮される可能性が大きいので、開口面積の比ほどの差はつかないかもしれません。

実際どうなのか、ごく普通の軸流タイプのヘアドライヤーで試してみました。勿論「冷風で行います」。 噴出し口に計量カップを被せて気流を反転させ、本体との環状の隙間から、吸い込み口方向に並行に排気させてみました。計量カップはドライヤーとの間に詰めた小さく丸めた紙で支持しました。開口量も紙の量で調整します。推力の方向を見るためドライヤーを水平に、ブランコのように天井から紐で吊るしました。電源のON/OFFはコンセントの所で行う。首を振らないよう2本の紐でV字型に吊るすなども小さな推力を見落とさない為のポイントです。結果は逆噴射に成功しているような気がしますが・・・。

動力源は何であれ、前方から取り込む流体のみでも「有効な」逆噴射が出来る解は存在するように思えます。ただし私にはノズルの理論や現実の効果についての知識はありません。大きな錯覚が無いとよいですが。
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この回答へのお礼

再度のお返事有り難うございます。

>しかしバイパスした空気は容積が変わらないのに、吸い込んだ反動より大きな反動を逆方向に発生するとは不思議だ」というのが、ご主旨でしょうか。

その通りです。

私の為に実験をして頂いたんでしょうか。とっても嬉しいです。有り難うございます。
>「有効な」逆噴射が出来る解は存在するように思えます
やはり、流体力学的な何かが機体を減速しているんでしょうね。
色々して頂き有り難うございました。

お礼日時:2008/01/18 19:30

バイパス型ジェットエンジンは一般的に「ターボファンエンジン」と言われますが、この種のジェットエンジンの推力は、ほとんど(70パーセント以上)が「ファン」による推力です。


ジェットの機関部は、このファンを回すことに使われていると言ってもいいくらいです。
たかだか2~3割程度の推力を逆噴射させるより、大半の推力を逆噴射させるための構造にした方が、軽くすることも可能なため、トータルコストが低いわけです。
ちなみにジェットヘリのターボプロップは、ジェットの排気の推力はほとんど「0(ゼロ)」です。
離陸前のジェットヘリのエンジンの排気を見ると、まったく勢いはなく、メラメラとした蜃気楼のような空気の揺らぎを確認することができます。

余談になりますが、バイパス比の低い、又はないエンジン(ターボジェット)は、音速を超えるなど高速の飛行で効率が良くなります。レシプロで言うところの「馬力」があるわけです。
旅客機にはそんな高速は必要はなく、大きな力があればいいので、「トルク」重視で、燃費がいいわけです。おまけにバイパスした空気がジェットの排気を包み込むため、騒音も低くすることができ、旅客機にはもってこいのエンジンです。
エンジンによっては、バイパスのみ逆噴射するものや、ジェットもするものやいろいろあります。プロペラ機でも、プロペラのピッチを変えることで逆の推力を発生させるものもあり、ほんとにエンジンによっていろいろです。
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みなさんの回答に補足ですが,最近の高バイパス比エンジンではバイパス比が 9 近く出ているようです。


推力のほとんどを第1段のコンプレッサで得ているわけですね。
こうなるとほぼプロペラ推進と言ってもいいくらいです(笑)
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そもそもの勘違いはターボファンエンジンで、バイパスされた排気が推力になっていないと思っている所です。

バイパスエアーはターボプロップの推進と同様に「推力になっている」のです。

当然ですけどこのバイパスを遮って前方に噴射する事で、推力が低下して逆噴射としての効果が得られます。
推力を模式図で表しましょうか。
通常時のターボファンでは、以下のように推力が働きます。
コンプレッサ→燃焼室 →排気→
コンプレッサ→バイパス→排気→

逆噴射時にはこうなります。
コンプレッサ→燃焼室 →排気→
コンプレッサ→バイパス・逆噴射←

推力が減っているのが判るでしょ?
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No.1さんがすでに解答されていますが。


要は、「プロペラでは出来ない」「ジェットだから出来る」のです。
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推力が発生するのは、吸い込んだ気体に大きな運動エネルギーを与えて排出することで、その反作用が働いてそれが推力になります。

吸い込み側でもほんの少しは発生しますが、ほとんどの推力は排気口側で発生しています。ですから、この向きを変えれば推力は逆方向に作用するわけです。

ターボファンエンジンの場合でも、スラストリバーサ動作時にはバイパスした空気の他にエンジン排気も前方に向けて胚珠されますから、逆方向に推力が発生します。

この回答への補足

皆さんお返事有り難うございます。
皆さんの言われている事は判っているつもりです。(あくまでもつもりですが)
例えばバイパス比100パーセント?のホバークラフトにプロペラ後方に放出された空気を前面に放射する装置を取り付けた場合、ホバークラフトはバックするのでしょうか?この辺りを加味してご回答をお願いしたいと思います。

補足日時:2008/01/17 18:50
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