関根正雄訳、ヨブ記 第3章 第12節
何の故に膝があってわたしを受け、
乳房があってわたしは吸ったのか。
注釈には、『「膝」は認知するための父の膝か』とあります。この記述からすると、訳者は当時のユダヤ民族には父親が子を認知するに際して何らかの慣習があったことを薄々にもせよ承知しているものと推測されます。というのは、何の予備知識もなければ、ここでいう膝は母親の膝だと受け取るのが自然で、わざわざ父親の膝を連想することはないと思われます。ということは、訳者以外にも当時のユダヤ民族の父親が子を認知するに際して、どんな慣習があったか承知している方がいるであろうことを暗示しています。
どんな慣習があったか、ご存知の方は居られませんか。この質問の本質は宗教ではありませんが、といって何処で訊いても厄介もの扱いでしょう。こちらで、お世話になってみます。
よろしくお願いします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
インターネットで聖書全文の語句の検索が容易にできますので、
旧約における膝の出る箇所を調べて見られては。
前後のいきさつなども読めますから、せめて本文のみからかたよった解釈をすることは回避できます。
歴史学者も聖書を参考にしますので、「当時」を知るには、聖書の重箱の隅をつつくしかないでしょう。。。
http://www.bible.or.jp/i2/
ご紹介のサイトは何かと有効そうです。
どの辺からが重箱の隅になるか、人によって違うでしょう。それに隅を軽視するも重視するも勝手そうです。
21日(金)の夜間まで待って新たに特段の寄稿がないときは締め切る事にします。
有り難うございました。
No.6
- 回答日時:
No. 4です。
>「認知」を「ユダヤ教徒としての認知」と受け取る必要はありませんか。
この箇所の「両膝(原文は複数形です)」を、
「認知一般」や「ユダヤ教徒としての認知」のようにとりたてて象徴的に読み取る必要はないだろう、
というのが正直な感想です。
というのも、「膝」が象徴するものの一部を前回にも挙げましたが、
ここでは普通に母親の膝という解釈が一番自然な流れになるからです。
11節
「なぜ、私は死んで子宮を離れなかったのか、胎を出るとき、息絶えていなかったのか」
12節
「なぜ、両膝が私を待ちかまえていたのか、どうして両の乳房があって、
私がそれを吸ったのか」
13節
「そうでなければ、今は横たわって安らかであり、眠りに入って後、
私は安息を得ているであろうに(つまり死んで安らかでいられたのに)」
No. 4のお礼の欄には問い掛け文が混じってはいますが、言わば独り言みたいな気分でしたので、ご返事を下さって恐縮しています。
この注釈からユダヤ教徒としての認知と読む必要はなさそうだと判りました。
有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。
No.4
- 回答日時:
想像はごもっともです。
そして、ご想像のとおり、ヘブライ語聖書では子供を膝の上に置くことは認知すること、あるいは養子にすることを意味するとされています。
ラケルは、「わたしの召し使いのビルハがいます。
彼女のところに入ってください。彼女が子供を産み、
わたしがその子を膝の上に迎えれば、彼女によってわたしも子供を持つことができます」と言った。
(『創世記』30:3 )
ヨセフが二人の息子を父のもとに近寄らせると…ヨセフは彼らを父の膝から離し…
(『創世記』48:10-12 )
マナセの息子マキルの子供たちも生まれると、ヨセフの膝に抱かれた。(『創世記』50:23 )
あくまでヘブライ語聖書から読み取れることです。
もっとも最初の例はラケルなので、必ずしも父親のみの行為とは言えませんが。
膝関連ですと、認知の他にも、母親は膝に子供を抱きます(『王下』4:20『イザ』66:12『ヨブ』3:12)。
その後、思い直したことがあります。解説には
「膝」は認知するための父の膝か。・・・(1)
とだけあります。ここの「認知」を「父親が、我が子として認知する」と受け取って質問文を作成したのは私です。この質問文からはANo.1、ANo.2の傾向の回答が正しいのかも知れません。私に真偽は述べられません。
ところで、(1)でいう「認知」を「ユダヤ教徒としての認知」と受け取る必要はありませんか。その場合は質問文も随分変わり、回答の観点も随分変わる筈です。つまり解説や質問文に煩わされずに「ヨブ記 第3章 第12節」から直接「膝」の意味を探ろうとする場合はANo.1、ANo.2とは色彩の異なるご回答が増えるのではないでしょうか。しかし、これも実行してみないことには判りません。
一例として
http://www.myrtos.co.jp/index.html?url=http://my … に以下の記述を見つけました。
>> 割礼を施すのはもともとは父親の義務で、理想的にはアブラハムがイサクに施したように、父親がするのが理想でしょう。しかし、これは外科手術には違いがありませんから、普通の父親が簡単にできることではありません。一般に、割礼に精通した専門家(モヘールという)が父親の代理として施します。モヘールは手術に慣れ、子供の安全に気を配り、割礼の際の祝福の仕方もよく知っています。現代では病院で医者の手に委ねることもあるそうです。
割礼式には父親とモヘールの他に、サンデック(名付け親)という役の人が出席します。ギリシア語に由来するこの語は、「子供と共に」の意ですが、ゴッドファーザー(名付け親)とも理解されています。モヘールの助手として、子供を膝に抱き抱えます。「バアル・ブリット」とも呼ばれ、式では大事な人です。<<
こういう背景を知ると12節の句は、「膝」によって何かを象徴させている、という雰囲気を感じます。しかし、真偽は不明です。
ともかく
>>ヘブライ語聖書では子供を膝の上に置くことは認知すること、あるいは養子にすることを意味するとされています。
こういう説があることは念頭に置きます。
有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。
No.3
- 回答日時:
No2です。
読んでくれているということで、老婆心ながら、さらに情報です。
>私は字面の表面を読んでいるだけの人間ですから
うーーん それって、、、、正しくないと思います。
「兎に角」って書いてあるものを、そのまま 「うさぎ」と「角」だと思って読んでしまっては、一体なんのことが書かれているのか、皆目健闘もつかない結果になりますよね。
「目が悪い人」というのは、盲目とか近眼の人のことだと捉えたら、「イエスが目が悪い人の魔法で治療した」って読み謝ることになる。
ヘブライ語で、目が良いという慣用句は、目利きのことを意味し、逆は分別がつかない 価値がわからない という意味なんです。
誰だったか、「ぶどう園の労働者のたとえ」の中で「at the eleventh hour 」をそのまま直釈して理解しようとして、ユダヤの労働時間に疑問をもって質問されたのですが、、、、。
直釈すると11時です。
ユダヤ時間を知らないわけで、、、、
英語だと 11時って意味じゃない。
ヘブライ語に関しては、かなり慣用句があるんですね。
それをギリシャ語に直釈してしまったら、意味不明の文章になってしまう。
それが、日本語にさらに直訳された日には、「古代ではうさぎに角生えていたんですか?」って読者が読むことになっちゃう。
うまい翻訳家は、日本語の文章を英語に訳す時、英語で とにかくという意味を持つanywayとはすると思いますが、rabbit with horn とはしないと思います。
もし そうしちゃうと、日本にはユニコーンのように 一角獣がいる不思議な国だってなって、ひとめ見ようと幻のうさぎを探そうってどっと日本にハンターたちが訪れることになる。
でですね、、、、、、
死海文書が出て、キリスト教はほっとしたらしいです。
古代ユダヤ教は、口伝のみで伝えていったのですが、文書化することに迫られて、それで羊皮に書くことになったんですね。
そのうち、ローマ帝国が支配する地域に本国の何倍もの、 例えばギリシャ地方だけでも8倍ものユダヤ人が住んでいたんです。
彼らは、ヘブライ語もアラム語も知らないので、ギリシャ語によりユダヤ教を布教しようとしたんです。
それで、聖書の内容がギリシャ語化されたわけです。
シラの子イエスの作者も、翻訳者の一人だったようで、彼は前書きだと思いますが、「ヘブル語にあってギリシャ語に無い語彙がたくさんあったため、そっくりヘブル語の内容通りには翻訳できなかったが、が、全体像を見て内容を理解してください」みたいなことを書いていたらしいです。
で、掟として、聖なる文書を改ざんしちゃあいけなかったんですね。
本来なら、別の言語に訳すること自体、ゆがみが発生するので、やるべきじゃない。
で、マタイなど難解ですが、直訳すれば、改ざんに当たらないとして、それでああいう意味がよくわからない文書になったんじゃないかと。
目が悪い という意味は、盲目という意味じゃなく、分別がつかない という意味なんですが、そのまま直訳したので、盲目の人 としたため、目が見えない人だと読者は思うことになったわけです。
なんでも鑑定団の鑑定士は目利きとされますが、膨大な知識があり、鑑定できるわけで、目が肥えているとされますが、要するに情報量があるから、分別がつくわけですよね。
ニセモノか本物か、見分け(というか区別)ができない人は、目が悪い 目が見えない ってなるわけです。
ユダヤ教の慣習で、自分の子供だと認知することがあったか?
私の持っている情報では、そういう習慣は無かったんじゃないかと。
というか、妻を何人も持ってよかった。
で、子供は神からの祝福だと思われていた。
で、聖書ではラザロの妹マリアだったと思いますが、一人でトコトコ外を歩いていたり、マグダラのマリアがスタスタ一人で歩いてひとんちに
入ってきたり、イエスの死後 墓に一人でスタスタ歩いていったりなど、書かれていますが、当時の習慣からすれば、ありえない・・・・。
ありえるとすれば、高貴な女性だと誰もがわかったから、ちょっかい出さなかった。
一人で外を歩くと「売春婦です」と宣伝しているようなもので、レイプされても仕方しかたかなった そういう時代です。
高貴な女性なら見かけでわかり、うっかりちょっかいだして、無礼だと捕まるような危険を犯すやからが寄り付くはずないです。
マリアはヘブライ語でミリアムのことで、モーセ・アロンの姉の名前です。
表象名のようなものです。
で、モーセじゃなくミリアムが人々をエジプトから脱出させたという説があるが、結局それはミリアムを生命をつむぐ月の女神と考えたからじゃないかと。
つまり、エジプトの血を他に移したのが、ミリアムってなるわけです。
で、かなりのパワーを持つ女性に与えられた名前がミリアムだったんじゃないかと。
ミリアムを世襲した一人がイエスの母とされた人ですよね。
神殿娼婦とも言われていますが、それは売春婦という意味じゃなく、神殿に住まう生命を与える神の地上の体現者 つまり 神官 としてじゃないかと。
実在する人物だった場合ですが。
イエスの祖先ラハブだったかもその一人。
神殿の外に住んでいた娼婦とされていますが、実際は中核にいた生命の織物をする神官だったと思えます。
日本と同じように、その権力者だったものが失墜していくわけです。
日本だと吉原に囲われて外に出さないようにしたわけですが、それほど彼女たちの力を恐れていたんじゃないかと。
そして、一見 ユダヤ教は男尊女卑のようですが、伝承を聞くと、エルサレム神殿の至聖所には、神の寝室があったそうです。
それがエルサレムがローマ帝国によって破壊され、至聖所が汚されたとき、聖書では幕が避けたと表現されていますが、寝室のベールが破られた レイプされたということじゃないかと。
このことによって、ユダヤ教の神はローマ帝国によってレイプされ、それで出来た子供がキリスト教の神。
ユダヤの伝承では、この事件により神のパートナーのシェキナが地上に堕ちたとされています。
それで、神はシェキナを探しており、今はやもめで一人で神の国に住んでおり、ユダヤ人はシェキナが戻った時、天の国が平和になり、天の国で起こることは地上でも起こる つまり 地上も平安を取り戻すとされています。
で、神殿を再建したいのですが、そうなるとキリスト教は敗れるので、なにがなんでも、神殿を再建してもらっては困るので、いろいろ工作をやって、神殿の再建を阻止しているわけです。
キリスト教の存続は、シェキナが戻るかどうかにかかっているわけです。
ちなみにシェキナとはなにか?
調べてみると面白いですよ。
直釈で物語を読んでも、ちっとも思想がわからず楽しくないでしょうけど、なんのために直訳を読むのでしょう?
物語って水面に出たものだけ読んでも、それは意味を持たない発音にしかすぎず、ヘブル語の文字の意味を知らずに、単に発音している意味を持たない音にしかなりませんよ。
そうなると、音だけ発音するって、全く意味の無い作業で、無駄だって思うんですけど・・・・・。
無駄をやりたい ってのなら、止めませんけど。
>>ユダヤ教の慣習で、自分の子供だと認知することがあったか?
>>私の持っている情報では、そういう習慣は無かったんじゃないかと。
ANo.2と見解にブレがないことが分かりました。
その時々の知力を越えた読解力は生じません。止むを得ないことです。
張り合いのないことで済みませんが、ご回答は読ませていただいたという報告で勘弁して下さいませ。
もう少し、このままにして様子をみます。有り難うございました。
No.2
- 回答日時:
父親の子供の認知とは関係ないと思います。
ヨブは「生まれてすぐ死ねば、神から呪われ苦しまずに済んだ」と思っているわけです。
膝に抱き授乳するということは、子供を養育する という意味があると思うんですね。
例えばエジプトのイシス。
http://www.kajima.co.jp/csr/culture/freud/collec …
後にキリスト教のマリアの像としてもそのイメージが使われるようになりました。
>何の予備知識もなければ、ここでいう膝は母親の膝だと受け取るのが自然で、わざわざ父親の膝を連想することはないと思われます。
はい。
従って自然の解釈でいいと思います。
ヨブやコヘレトの言葉が書かれた頃は、かなりヘレニズム文化がユダヤ文化に影響を与えていた時代です。
エジプトのイシスは、ギリシャの方に伝わっており、それで子供を養育するイシス、さらに沢山の乳房を持つアルテミス、アルテミスがローマ神話ではディアナ(ダイアナ)、キリスト教になると、マドンナ。
このように、女神信仰の復活というか、兆しというか、女神信仰への回帰がかいま見えるヨブ記。
ずっと後の方に、神を「レビアタンを召還するもの」と例えていますが、レビアタンといえば
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%B4% …
をイメージしますが、右側がマルドゥック、左側が原初の神、全ての神々の初代母、生命の源ティアマート。
元の話では、このマルドックがティアマートにブレス攻撃し、ティアマートを窒息させ、そしてその体を八つ裂きにして、大地を作ったとされています。
だから大地から出てくる生命は全てティアマットから出てくることになります。
せっかくティアマットの霊を受け、ヨブは生命を授かりこの世に出現したのですが、マルドゥックのたくらみで、ヨブは不幸三昧を味合わされます。
マルドゥックにしてみれば、自分の天下であり、何をやってもいいと傲慢になっており、「鏡よ鏡 この世で一番偉いのはだあれ?」とばかりにうっとり鏡にうつる自分に酔いしれているわけです。
鏡は答える、「あなたより偉大なものがいる」と。
マルドゥックはおびえ、全員を味方につけたいわけです。
かつて、神々はティアマート側と、マルドウゥック側とにまっぷたつに分かれ、大戦争をしたと神話ではなっています。
(これが後にキリスト教になると、「ハルマゲドンで、最後の審判がすぐやってくる。もう出ました もすぐです」と蕎麦屋の出前よろしく、もうすぐです といいつつ2千年たってももまだ地球に到達しない 神軍団・・・・ 天国はかなりの物質的距離があるようで、全知全能といえども、ちゃちい飛行船しか作れないのでしょうねぇ それともまだ 天国に向かってすすんでいるのでしょうか いつになったら 彼らは天国にたどり着くのか。)
それはまあ いいとして、笑
どんなことがあっても、自分に忠誠を誓う忠実な僕がいると確信を持ちたかった。
ヨブは、とうとう反旗をひるがえし、独裁者に噛み付くわけです。
すると独裁者は、「この世を作ったのだだーれ おい 忘れたか ボケ!」と叱責する。
「俺様を誰だと思っているのだ 貴様 この俺様に物言うとは何様のつもりだ ごらぁ」ってなわけです。
するとヨブは馬鹿だったようで、はっとなり、偉大な人であるとマルドゥックを崇める。
ヨブは気づけなかった。
自分に生命を与えたのは、マルドゥックじゃない と。
マルドゥクには生命を作り出すことはできないと、ヨブは知らなかった。
そして、マルドックはかつて、自分に生命を与えたものを八つ裂きにして、最高地位を奪い取った反逆者だと知らなかった。
これがイスラエル悲劇なんですね。
ヨブを膝に抱いて、養育していたのは、マルドゥックじゃない。
マルドッゥクは確かに最高権力を奪ったが、力までは奪えなかった。
ただ、「王様は立派な衣装を着ておられます」と嘘をつく奴隷たちを従えた裸の王様にすぎない。
とまあ、蛇足になりましたが、あの地域はシルクロードが通っていたので、いろいろな文化が流れ込んでいたんですね。
従って、他の神々の信仰も流れ込んでおり、それに影響を受けることは避けられなかった。
その影響を受けてから、因果応報を超える何かを求める文学が誕生することになったわけです。
それがヨブやコヘレトの言葉などに表れ、それまでのユダヤ文学とは違う路線の作品が出現することになったようです。
>>父親の子供の認知とは関係ないと思います。
注釈に引き摺られ過ぎるなという訳ですね。注釈も疑問の「か」がついていることでもあるし、母親の膝なのかも知れません。
私は字面の表面を読んでいるだけの人間ですから
>>このように、女神信仰の復活というか、兆しというか、女神信仰への回帰がかいま見えるヨブ記。
こうした認識をお持ちの方の見解に立ち入ることはできません。張り合いのないことで済みませんが、ご回答は丁寧に読ませていただいたという報告で勘弁して下さいませ。
有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。
No.1
- 回答日時:
父親の認知については聞いたことがないですね。
ふつうに我が子を抱いた父の姿という、関根氏の感覚的なもの、ということもありえるのでは。。。
ただ、生後八日目の割礼儀式なら膝に乗せておこないますけれども、
このくだりでは関係なさそうです。
親の保護の匂いしか発していないくだりですね。
そうでしたね。割礼には思い到りませんでした。厳格な手順や決まりがあるのでしょうから関係しているかもしれません。
母親の乳房とのバランスをとるために、父親の膝を持ち出しただけとは考え難いのですが。はたして?
有り難うございました。またの機会にもよろしくお願いします。
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