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ディーゼルエンジンは粘りがあるとよく言われますが、具体的にどのような現象をさすのでしょうか?また、粘りがある理由を工学的に言うとどういうことなのでしょうか?
教えていただければ幸いです。

A 回答 (5件)

こんにちは。



「エンジンに粘りがある」とは、「多少の負荷がかかってもアクセルを開きさえすれば回転速度が落ちにくい」ことを指し、中でも「回転数が低い(ゆっくり回っている)ときにも回転速度が低下しない」(あるいはそのまま加速できる)ことを指すことが多いです。
 したがって、「粘りがある」とは、技術的には「低速回転域でもトルクが大きい」と言い換えることができます。

 上り坂をゆっくり走るときが良い例でしょう。
 「粘りのあるエンジン」なら4速で走れる坂でも、「粘りのないエンジン」ではアクセルを全開にしても速度がどんどん落ちてしまう(回転速度が落ちる)ので、3速で走ることになります。「3速に落とす」(シフトダウンする)こととは、エンジンに対する負荷(抵抗力)を軽減してあげることですが、さらに、エンジンにとっては不得意な2000rpmくらいから、より得意な(トルクの出る)3000rpmくらいの回転速度に変えてあげることも意味しますね。

 確かにディーゼルエンジンは「粘りがある」と言われますが、その要素は次のような要因が組み合わさった結果と言えるでしょう。

○ ストロークが長い
 ディーゼルエンジンは、もともと低速回転で使うことを想定するので、同じ排気量でもストローク(ピストンの往復距離)を長く設計します。ストロークの長さは、軸を回す柄(クランク長さ)でもありますので、より強い回転力(トルク)が出ます。これはガソリンエンジンでも同じです。一方、高速回転には不向きになります。なお、ディーゼルエンジンは圧縮率を高く設計するため、その点でも有利です。
○ ノッキングしない
 ガソリンエンジンは、電気火花で点火しますが、低速回転時にアクセルを開くと、たくさんの空気と燃料が入り込んで、圧縮中に勝手に爆発すること(自己着火)が起きやすくなります。これがノッキングであり、低速回転中はパワーを与えたくても燃料を注入しにくくなり、トルクを出せません。
 他方、ディーゼルは圧縮完了後にシリンダーに燃料を噴射する構造なので、いくら低速でも必要なだけ燃料を注入できます。
(さらに、ガソリンは爆発が高速で、低速回転では「膨張」の他に「振動」になってしまうエネルギーが出ます(これもノッキングの一種)が、ディーゼル燃料(軽油)は燃焼速度も遅く、噴射も調整できるので、この点でも有利です。)
○ スロットルの構造
 かつてガソリンエンジンは「キャブレター」による燃料の注入が主流でした。これは、吸入する空気の流れの力を使って燃料を注入するので、空気の量と燃料の量が均一の比率で変動する良い特性を持っているのですが、低速回転で空気の速度が大きく落ちると燃料の量が過度に減少してしまう特性があり、「粘り」を失わせる原因となっていました。もっとも、最近は電子式で吸気口に噴射する構造が主流となり、この問題はなくなりましたが。

さてさて、長くなってしまいましたがいかがでしょうか
ご理解の上でお役に立てば幸いです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。また返信が遅れたことを申し訳なく思っております。
大変丁寧かつ整理された解説で、非常にわかりやすかったです。
ディーゼルはストロークが長い設計になっていることに関して、もう少し教えていただければ幸いです。
要するにトルクの大きさは、軸を回す柄(クランク長さ)× ピストン頂面を(爆発による)押す力 だと思うのですが、もし排気量が同じガソリン(ストロークは短い、従ってその分ボアは大きい)とディーゼル(ストロークは長い、従ってボアは小さい)を比較した場合、
(1)燃料の投入エネルギー量が同じならば、ディーゼルのトルクが大きい(大きくできる)理由は、ディーゼルの熱効率が高いこと(帳面を押す力が大きくなる)
(2)ノッキングを起こさないので、燃料の投入エネルギーを大きくでき、頂面を押す力が大きくなる。
という理解でよろしいでしょうか?

お忙しいところ、大変わかりやすいご説明をしていただき感謝しております。

お礼日時:2008/05/23 12:42

まだあがっていないけど”粘りがある”と考えられる要因がもう一つあったので上げておきます。



ディーゼルエンジンは、燃焼させる仕組み上、圧縮比が高めに設計されています。ガソリンエンジンは圧縮圧力0.9MPa程ですが、これに比べ小型のディーゼルでは3~4.5MPa、大型のものは6.0~12MPaと、ガソリンエンジンの何倍も圧縮してやらないと燃えてくれません。これにより、PMaxは9~13MPaにも達するため、シリンダライナ、ピストンリング、コネクティングロッド、クランクロッド、クランクアーム等全てのパーツがこの応力に耐えられるよう設計されています。また、フライホイールも大きいため、蓄えられる運動エネルギーの違いから、ディーゼルエンジンは負荷に対して鈍感だと言えるでしょう。これが”粘り”なのかもしれませんね。



尚、ディーゼルエンジンは低い回転数域の為に作られたと勘違いされ勝ちなので、補足させていただきます。

ディーゼルエンジンは、他の内燃機関に比べ、燃料の消費量が少なく、安価な重油が使用できるため、燃料費が経済的です。この為小型のものからシリンダ直径が1メートル以上あるものまで作られています。そもそも回転数とは、振り子と一緒でクランクの半径によって決まるため、大きいものほど必然的に低回転になるだけの話です。大型のディーゼルではアイドリング回転数は40RPM程です。
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この回答へのお礼

再度、ご回答頂きありがとうございました。
運動エネルギーの話はわかりやすいですね。確かに、自動車が坂道等で車速が落ちたときなどは、いわゆる慣性力が粘りにつながりますよね。
この、いろいろな部品の慣性力が大きいことも(粘りがありという利点がある一方)ディーゼルが高速化できない一つの理由なんでしょうね。
いろいろ教えて頂きありがとうございました。

お礼日時:2008/05/25 22:25

『粘り』というものがどういうものか分かりませんが、ガソリンエンジンもディーゼルエンジンもテコクランク式の内燃である以上、トルク一定機関だという点は変わりません。

基本的には同じようなものだと考えていいでしょう。
トルクは、シリンダ内に入れられる燃料の発熱量で決まります。
出力は簡単に言えば、トルクに回転数をかけたものなので、1行程あたり限界まで燃料をぶち込んだとしても、その時の回転数により出力に差がしょうじます。
たとえば、損失等考えないで一定の条件を与えた場合、1分当たり60回爆発するエンジンへ毎回30ccのガソリンをぶち込むのと、1分当たり120回爆発するエンジンへ毎回30ccのガソリンをぶち込むのとでは、後者の方が燃料をたくさん使いますよね。その分得られる出力は多いと言う事です。
同様に、発熱量が大きい燃料と小さい燃料をぶち込んだ場合、大きい方が得られるエネルギーは多いのです。

ガソリン、ディーゼル両者とも1行程あたりで燃やせる燃料に限りがありますから、一定以上の負荷を与えた場合、回転数の低下とともに出力も次第に低下していき、しまいには止まってしまいます(トルク一定機関と言われる理由)。
『粘り』とは、何か分かりませんが、多分ディーゼル燃料の方が発熱量が大きいという事なのでしょうか??

もし、『粘り』がトルクを差すのでしたら、回転数の低下と共にトルクが上がるエンジンもあります。ガスタービン、蒸気タービンなどがそうです。
これらは与えることの出来る熱量に限りはありませんから、出力は回転数に影響を受けません。ぶち込んだ分だけ出力を得る子とができます。テコクランクエンジンとは逆に回転数が落ちるほどトルクは増します。(回転数0の時トルクは最大になります)。

質問の答えになっているかどうか分かりませんが、参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
また返信が遅れたことをお詫び申し上げます。
この「粘り」という表現は確かにわかりにくいですよね。もしかしてそういうことを話しておられる方も意図していることは種々あるのかもしれませんね。私の疑問に思っていた粘りはANo.3のかたがおっしゃっている内容のようなものでした。
gogokazuhoさんがおっしゃるように、トルクは投入する燃料の発熱量に依存しますよね。
お忙しいところわざわざご回答いただき感謝申し上げます。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/05/23 12:47

ジーゼルは燃料を燃焼室内に直接噴射します


つまり
燃焼室内に順次噴射され噴射された燃料だけが燃焼するのです
ゆっくりと回転しているときはゆっくりと燃えていきます
だから低速回転のときでも力が落ちにくいのです
エンジンの温度を維持してやれば毎分50回転なんていう超低速の回転も出来るのです

ガソリンエンジンは空気とガソリンの混合ガスを一度に燃焼室内に取り込んでこれに点火します
だから混合ガスは一気に燃えてしまうのでゆっくりとした回転を維持しにくいのです
最も力を必要とする低速回転域で回転させることが苦手なのです

粘りがあるということはこういうことです

ガソリンエンジンでも直接噴射式にして低速でのトルクを大きくしたエンジンも登場していますが燃料の持つエネルギーがジーゼル用の燃料に比べて少ないので同じ量の燃料を消費したとするとガソリンエンジンは不利ですね
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。返信が遅れ申し訳ありませんでした。
確かに船のエンジンなどは非常にゆっくり回転しますよね。
他の方の回答にもありましたが、回転スピードがゆっくりなのでストロークを大きくでき、トルクが大きくなるという要素もあるようですね。
お忙しいところ回答いただき感謝申し上げます。

お礼日時:2008/05/23 12:29

トルクがあるということです。



特に低回転でのトルクはガソリンエンジンよりはるかに大きく、それが粘りという表現につながっています。

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンより低回転大トルクのエンジンを作りやすいのです。
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この回答へのお礼

お礼のメールが遅れたことをお詫び申し上げます。
おっしゃるとおり、トルクが大きいことが粘りにつながっているわけですね。このトルクが大きい理由もひとつの疑問でありました。
他にもご回答いただけておりますので、多少理解が進んだしだいです。
お忙しいところご回答いただきましてありがとうございました。

お礼日時:2008/05/23 12:25

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