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任意の固有値{e_i}が0以上(0 <= e_i)であり、また任意の固有値{e_i}は整数に限られるような演算子(作用素?)Nがあるとします。

さらに、Nが固有値Eを持つとすれば、E-1もE+1も固有値であることが分かっているとします。(ただし、E=1の場合は、E-1は固有値ではありません。)

仮にNが1つでも固有値を持つとすれば、上記仮定より必然的に0以上の整数全てがNの固有値である事になります。しかし、Nが全く固有値を持たないときは、この限りではありません。

私の疑問は、全く固有値を持たない演算子(作用素)は存在しえるのかという事です。0演算子(作用素)ですら、固有値0を持っています。

できれば、演算子は線形演算子、エルミートであり、作用される被演算子(被作用素?)は連続で、絶対積分可能な関数であるとしたいのですが、その様な空間(?)の数学的に厳密な定義の仕方が分からないので、その場合に限らなくてもかまいません。何か一例でも、存在すると聞いたことがあるなどでもかまいません。

よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

まず「固有値」の定義を明確にしないと混乱するばかりです。

数学では点スペクトルだけを「固有値」と呼び、そのような固有値を持たない作用素としては量子力学の「座標演算子」が有名です。しかし物理では連続スペクトルも含めて「固有値」と呼んでいるのが実情かと思います。ringohatimituさんの回答は固有値に連続スペクトルも含めるとした場合のことで、固有値(点スペクトル)を持たない作用素が存在することと矛盾するわけではないのです。
完全連続作用素の0と異なるスペクトルは固有値(点スペクトル)であることが知られています(Riesz-Schauderの定理、関数解析の大抵の本にあります)。完全連続作用素は有界です(これも関数解析の大抵の本にあると思います)。そしてringohatimituさんも書いているように有界作用素は必ずスペクトルを持ちます(例えば田辺広城「関数解析上」p.164定理8-5)。すると「完全連続であっても、エルミートでなければ固有値の存在は保証されない」は???
有界でない作用素はスペクトルが空集合のこともレゾルベントが空集合のこともあります(例えば前掲書p.166注意8-2)。しかし自己共役作用素は有界でないものも含めスペクトル分解が可能です(関数解析のすべての本にあると思います)。また自己共役作用素は剰余スペクトルを持ちません(前掲書p.206定理10-2)。このことから自己共役作用素は点スペクトルか連続スペクトルを必ず持つといって良いでしょう。
信頼できる回答を書くのは一部の人だけだと思います。
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この回答へのお礼

大変丁寧な回答ありがとうございます。

私の知る限り、量子力学に出てくるエネルギー演算子(作用素、通称ハミルトニアン)はエルミートであり、調和振動子の場合もやはりエルミートです(数演算子も)。また、多くの場合、有界ではない項(x^2、1/xなど)を含みます。

grothendieckさんの結論に従うと、それでもエネルギー演算子(作用素)はスペクトルを持つとの結論になると。

私が知りたかった事、および不明な点は解消されました。ただ、私が真に納得するには、勉強が必要なようですが^^
(書籍情報は大変助かります。フォローするのに大変役に立ちます。)

本当に助かりました。ありがとうございました。

お礼日時:2008/10/27 02:57

No1です。

No1の回答はあまりにも漠然としていて、何も答えていないのと同じでしたね。

>閉集合である限り、空集合ではないので

空集合も閉集合です。

ヒルベルト空間では、エルミート作用素は「近似固有値」を持つことまでは示せますが、固有値を持つことを示すためには、もう少し条件を強める必要があります。作用素の「完全連続性」という、有限次元に近似できる条件などを加える必要があります。しかし、完全連続であっても、エルミートでなければ固有値の存在は保証されないということは記憶にとどめておくべきです。そして、固有値を持たない作用素の具体例もいくつか知れれています。

物理学などの数学的な厳密性を離れた場面では、エルミート作用素には固有値が存在することを前提とした上で議論が進められます。数学を応用する立場から言えば、あまり細かいことに気を遣う必要がありませんから、それで十分ではないでしょうか。

話が前後しましたが、元の質問に戻って、

>固有値を全く持たない演算子(or 行列、作用素?)はあり得るのか?

ヒルベルト空間で、ユニタリー作用素やその他の作用素には、固有値を全く持たない作用素の具体例がいくつか知られています。

この回答への補足

なぜか、お礼の方に投稿できなかったので、補足にも再投稿します。もしかしたら、重複する可能性があります。

>>閉集合である限り、空集合ではないので
>空集合も閉集合です。

これは、そうなのでしょうか?定義にもよるでしょうが、開集合にも閉集合にも含めてしまえるような物であると思っておりました。便宜上どちらかに含めることが多いと。

>作用素の「完全連続性」という、有限次元に近似できる条件などを加える必要があります。

このあたりの議論は、現段階では私の理解が及ばないので、わからないです。

>ヒルベルト空間で、ユニタリー作用素やその他の作用素には、固有値を全く持たない作用素の具体例がいくつか知られています。

反例が既に知られているという事ですか。なるほど。#2にある主張と矛盾しますが、前提条件や、考えている範囲が違うせいなのでしょうか?

下記URLの2ぺーじ目に、具体的な例がありますが、これが私の考えている前提条件に当てはまるのかどうか良くわかりません。
http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~tnomura/EdAct/9 …

とりあえず、現段階では、私の理解が全く足りていないので、#2にありますように、関数解析の本などを見つつ、皆さんの助言を頭に置きながら、勉強するしかないようです。

大変参考になりました。
ありがとうございました。

補足日時:2008/10/25 02:45
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この回答へのお礼

>>閉集合である限り、空集合ではないので
>空集合も閉集合です。

これは、そうなのでしょうか?定義にもよるでしょうが、開集合にも閉集合にも含めてしまえるような物であると思っておりました。便宜上どちらかに含めることが多いと。

>作用素の「完全連続性」という、有限次元に近似できる条件などを加える必要があります。

このあたりの議論は、現段階では私の理解が及ばないので、わからないです。

>ヒルベルト空間で、ユニタリー作用素やその他の作用素には、固有値を全く持たない作用素の具体例がいくつか知られています。

反例が既に知られているという事ですか。なるほど。#2にある主張と矛盾しますが、前提条件や、考えている範囲が違うせいなのでしょうか?

下記URLの2ぺーじ目に、具体的な例がありますが、これが私の考えている前提条件に当てはまるのかどうか良くわかりません。
http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~tnomura/EdAct/9 …

とりあえず、現段階では、私の理解が全く足りていないので、#2にありますように、関数解析の本などを見つつ、皆さんの助言を頭に置きながら、勉強するしかないようです。

大変参考になりました。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/10/25 02:43

#3です。



#2さんへの返答を念頭に質問を見直してみると、
演算子Nというのは粒子数演算子だったのですね。

確かに量子力学では

「Nの固有状態を |n> とおくとN|n>=n|n>・・・」
「消滅演算子aの固有状態を |a> とおくと・・」

のように固有ベクトルの存在が確かではないのに、存在を仮定して
議論することが多い気がします。

そこで、固有ベクトルの存在を保証できないか少し考えてみました。


よく知られた次の定理

『状態ベクトル空間において二個の演算子A,Bを考える。
Bの固有値・固有ベクトルは既知とする。
AとBとの間に交換関係

[A,B]=0

が成り立つとき、AとBは同時固有ベクトルをもつ。
これはBに縮退がある時にも成り立つ。』

を利用します。Bとして恒等演算子Iをとると、任意の演算子Aに対し

[A,I]=0

が成り立つので、AとIの同時固有状態が存在します。

状態ベクトル空間内のあらゆるベクトルはIの固有ベクトルですが、
その中の少なくとも一個のベクトルはAの固有ベクトルなわけです。

以上、つつくといくらでもボロがでそうですが...
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この回答へのお礼

たしかに、こう言った考え方もありますが、やはり3C273さんも最後に言及しておられますが、数学的厳密性に欠けると思います。

ただ、個人的には、このレベルで良いのかもしれませんが。

お礼日時:2008/10/25 02:31

特性方程式を考えれば演算子の固有値は必ず存在すると思いますが。

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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>特性方程式を考えれば演算子の固有値は必ず存在すると思いますが。

私もそう思います^^

ただ、行列としてあらわされている場合には、上記はもっともらしく感じますが、もっと一般の場合には・・・?と思った次第です。また、上記は非常に直観的で、数学的には、あまり厳密とは言い難く、そこをなんとか、クリアに説明出来たらと思い、質問させて頂いたしだいです。

数学は時に突拍子もない答えを与えますから、もしかしたら、あり得るのかもしれないと思いました。ただ、物理学上の問題を扱う際に出てきた疑問なので、そのような突拍子もないものは、そもそもの前提条件からはみ出してしまうのかもしれませんが。

お礼日時:2008/10/23 16:05

質問者さんの言うところの「固有値」が一般的に言われる「スペクトル」のことを指すのであれば、ノルム空間上の有界線形作用素の「固有値」は必ず存在します。

これは関数解析の本であれば大抵載っている事実ですが証明で使われる本質的な定理は「複素平面上で有界かつ正則な関数は定数に限る」という定理(いわゆるリュービルの定理)です。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
大変参考になります。

>これは関数解析の本であれば大抵載っている

なるほど。図書館で借りてくることにします。

>ノルム空間上の有界線形作用素

一つ問題があると思われるのは、有界であるかどうかが、疑問です。上記の問題は、お気づきの方もおられると思いますが、実は(Dirac風に)調和振動子の固有解を求める際に起きた疑問です。線形作用素の定義にはx^2の項が含まれており、x->∞で、x^2->∞ですから、非有界であるように思えます。

とはいえ、非常に参考になりました。
ありがとうございます。

お礼日時:2008/10/23 15:58

>固有値を全く持たない演算子(or 行列、作用素?)はあり得るのか?



ヒルベルト空間では、エルミート演算子のスペクトルは閉集合です。

この回答への補足

回答ありがとうございます。

>ヒルベルト空間では、エルミート演算子のスペクトルは閉集合です。

スペクトルは固有値(固有関数)と同義であると解釈し、考えたのですが、よく意味が理解できませんでした。閉集合である限り、空集合ではないので、必ず元は存在し、固有値は存在するという事なのでしょうか?

仮にそうであるとして、「命題A:任意のエルミート演算子の固有値が常に閉集合をなす」ことを証明することは、「命題B:固有値をまったく持たないエルミート演算子は存在しない」ことを証明することを含んでいるようにおもうのです。つまり、命題Aを示すためには、命題Bを示し、かつ「命題C:任意の固有値をもつエルミート演算子の固有値は閉集合をなす」を示すことになるのではないでしょうか?

勘違いしていたら申し訳ありません。

補足日時:2008/10/23 01:04
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