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ロシア口語の祖とされている「中世ロシア語」(ドレヴネルースキー)と、文語の基となった言葉が違う、ということは分かるのですが、「文語の祖」のほうがよく分かりません。
古代スラヴ語(スタロスラヴャンスキー)と、教会スラヴ語(ツェルコヴナスラヴャンスキー)の関係性について、見解が複数あり困っています。

見解1. 
両者はまったく同じ言語を指すが、「教会(ツェルコフィ)」という枠の言葉がロシア語の祖であるのはあまり好ましくないということで、ソ連時代、「教会」という言葉を省いた「古代スラヴ語」という名が好んで使われた。ロシア語文語の祖である。

見解2.
両者は根本的に違う言語で、「古代スラヴ語」は現在のブルガリア語の祖で、「教会スラヴ語」がロシア語文語の祖である

見解3
「古代教会スラヴ語」は、現代のブルガリア語の祖であることから、「古代ブルガリア語」と呼んだほうが適切であるなど、呼び方については議論のある問題だが、基本的にはスラヴ語全般の祖としてひとつと考えていい

「古代スラヴ語」と「教会スラヴ語」は、同じ言語と考えていいのでしょうか。
どなたかご存知の方居りましたら宜しくお願いします。

A 回答 (3件)

素人目には大して変わらないような気がします(笑



すみません、素人ながら真面目にお答えしますと、おっしゃっている「文語の祖」としては同じものではないかと思われますが、「教会スラブ語」といってしまうと、今でもロシア正教会で使われる典礼用の言葉まで含まれる、ということではないでしょうか。

ウィキ露語版に分かりやすい分類の解説がありました。
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%A6%D0%B5%D1%80% …
信憑性のほどは定かでなく恐縮ですが・・・

各国語で用語が違うのも混乱しやすい原因のようですね。

日本では「古代スラヴ語」という言い方は、あまり使わないのでは?
専門家の方は、通常「古代教会スラヴ語」という用語を使っていらっしゃる印象があります。

英語ですとOld Church Slavonic (OCS)が一般的のようです。
http://www.utexas.edu/cola/centers/lrc/eieol/ocs …
(下にスクロールすると"History and Documents"という項にとても分かりやすい説明があります。)

お近くに大学図書館などおありでしたら、木村彰一『古代教会スラブ語入門』(白水社)の序論をご覧になると良いかもしれません。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

英語のOld Church Slavonicや、日本語の「古代教会スラヴ語」は、Старославянский языкの訳語として定着しているようですね。

木村彰一『古代教会スラブ語入門』(白水社)は手元にあるので、参考にしていたのですが、この序論とかなり異なる見解をここ数年で数回耳にしたので、気になっていました。

特に、「古代教会スラヴ語」(Старославянский язык)を、現代ブルガリア語の起源とし、「教会スラヴ語」(Церковнославянский язык)を現代ロシア語文語の起源とする見解は、一部の見解と比較し相容れないように思え、不思議に思ったのです。

ただ、近い言語同士の起源や、何をもって同じ言語とするかというようなテーマは、専門家の方々の間でも論争の絶えない問題なので、難しいですね。
もう少し勉強してみます。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/11/19 08:51

No.2です。


すでに専門書にも目を通していらしたのですね。失礼いたしました。

耳にされた「序論とかなり異なる見解」というのが、質問文に書いていらっしゃる3つの見解でしょうか。

そうですと、なんとなくの印象論で申し訳ないのですが、挙げていらっしゃる3つの例は、根本的な間違いをはらんでいる(見解2)もしくは提唱者ないし提唱された時代の主観的要素が入っている(見解1と2)ような気がいたします。

見解1では「まったく同じ言語」かどうか、という点と、ターミノロジーにソ連時代のイデオロギーが歴史上影響したかどうか、という点が焦点でしょうか。
見解2では「両者は根本的に違う言語」という部分が、おそらく極端に過ぎるかと思います。後半部分は用語の定義次第では間違いとはいえないような気もします。
見解3では「「古代ブルガリア語」と呼んだほうが適切」かどうかが人によって分かれそうですね。特に民族主義的な主観を持った人が言っているのであれば、その分、なんとなく信憑性が下がりそうです。

知識不足でお答えできなくて(その割にしつこくレスして)申し訳ありませんが、ロシア語の歴史文法とか、ロシア語史の本をご参照になってはいかがでしょう。
また三省堂の『言語学大辞典』でしたら故千野栄一氏が関連項目をお書きかと思うので、スタンダード的内容が判明するのではないでしょうか。

また、私なら(自分の知識では内容の是非が直接判断できないので)どんな人が新説(?)を唱えているのか、状況証拠的な以下の点に留意すると思います。
・その人が、英仏独露希羅を全て解し、さらにロシア語以外のスラブ語を一つ以上できるかどうか。(古代教会スラブ語の研究者を自認する方ならたぶん出来るはず。)
・その説はいつごろ出たか。(ソ連時代ならイデオロギーの締め付け具合はどうだったか、最近であれば民族主義的傾向がないか、その国でニューウェイブ的な学説が一部もてはやされていないか、など)

あまりご参考にはなりそうにないですが、ウィキのロシア文語史のページを引用しておきます。
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%98%D1%81%D1%82% …
(前半のほうに"Развитие литературного языка в древней Руси"という項があります。)

お役に立てず恐縮です。
ご納得のゆく結論に達せられることをお祈りしております。
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この回答へのお礼

そうですね。
最近の民族主義的傾向と、それに対する反発が、場合によっては極端な表現となっていたのかもしれません。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/11/21 08:59

コンサイス露和辞典によると



старославянский:古代スラヴの/9-11世紀のスラヴ族の文学的文化に属する
старославянский язык:古代教会スラヴ語

церковнославянский:教会スラヴ語の
церковнославянский язык:教会スラヴ語/9世紀のマケドニア語に基づき11-17世紀に東・南スラヴ民族の宗教語・文語だった言語

聖書をスラヴ語に訳したキュリロスとメトディオスがマケドニア地方の出身であったためにマケドニア語という言い方をしていますが、ブルガリア語とマケドニア語はもともと一つの言語の方言的違いと考えることもできます。現代でもブルガリアではマケドニア語の存在を認めない考えが強く、その考えに従って「古代ブルガリア語」という言い方をすることがありますが古代のマケドニア語とブルガリア語は同じと考えて差し支えないでしょう。

старославянский язык を「古代“教会”スラヴ語」と訳すので混乱しやすいのですがキュリロスらが文字(グラゴル文字)を作り聖書を訳すのに使った言語は当時すでにあった言語ですから始めから教会のためにあったわけではありません。

11世紀以降は宗教語や文語として教会スラヴ語が使われる一方それぞれの地域のスラヴ語も使われるなど二重言語のような状態が続きます(ロシアについてはこちらhttp://oshiete1.goo.ne.jp/qa4171948.htmlにも書いています)。
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この回答へのお礼

Спасибо!

お礼日時:2008/11/17 23:23

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