アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

バイオリンをはじめ、クラシックで使用されるビオラやチェロなどの弦楽器は、全てビブラート奏法で演奏されますよね。 そこで質問です。

1. まず、なぜですか? なぜビブラートさせるのですか?

楽譜に 「ビブラートさせなさい」 とかの指示なんて無いと思うのですが ・・・

2. 開放弦をビブラートさせる時はどうするのでしょうか?

3. 自分なりに調べてみたのですが、ビブラートで演奏するようになったのは、そんなに古くない時代のようです。

という事は、バッハやハイドンの時代にはビブラートさせるという考えが無かったという事になるのでしょうか?

となると、もし彼らの曲をビブラートを使った演奏で作曲家本人に聞かせた場合、「こんな奏法を誰が指示した! 勝手な事をするな!」 と怒るでしょうか? 

また、ビブラート奏法が考案されていない時代の曲を、作曲家の考えどおり、ビブラートを全くさせない演奏をした場合、どんなイメージなるでしょうか? 技量が備わっていない子供が集まって演奏したような感じになるでしょうか?

4. バイオリンなどにはギターのようなフレットは無いですよね。 これはなぜですか? フレットがあれば、ビブラートさせにくくなるとは思いますが、そもそもビブラート奏法が考案される前からフレットが無かったと思うのですが ・・・

A 回答 (3件)

1. まず、なぜですか? なぜビブラートさせるのですか?


Re:弦楽器に限らず、管楽、声楽もビブラートをかけます。
まず、現代人の美的感覚にハマっているのだと思います。
また、ビブラートをかけるほうが、音程が取りやすいです。ノンビブラートなら一発でその音程ズバリを出さなければなりませんが、ビブラートから入るとごまかしが利きます。

楽譜に 「ビブラートさせなさい」 とかの指示なんて無いと思うのですが ・・・
Re:「ビブラート絶対禁止」とも書かれていませんので、よりその曲が美しく感じられるようにと思った結果が「ビブラート奏法」ということだと思います。楽譜に「ビブラート禁止」と書いてあれば、ビブラートしないと思います。現代の演奏家も、「いかにその曲が魅力的に聞こえるか」また、「作曲家の評価が上がるか」のような部分は大切にしていると思います。それは作曲家に対する尊敬と感謝の念から来るもので、自己顕示欲とは別のものだと思います。

2. 開放弦をビブラートさせる時はどうするのでしょうか?
Re:より低い弦で同じ音を押さえて弾きます。

3. 自分なりに調べてみたのですが、ビブラートで演奏するようになったのは、そんなに古くない時代のようです。
Re:古典期の中ごろまでは、ノンビブラートが基本でした。バロック以前は、声楽もノンビブラート唱法でした。

という事は、バッハやハイドンの時代にはビブラートさせるという考えが無かったという事になるのでしょうか?
Re:あったのですが、ビブラートは下品なものとされていました。また、楽器の保持具の関係などでビブラートは難しかったこともあります。昔はアゴ当ても肩当てもなかったのです。

となると、もし彼らの曲をビブラートを使った演奏で作曲家本人に聞かせた場合、「こんな奏法を誰が指示した! 勝手な事をするな!」 と怒るでしょうか? 
Re:テンポの問題、ピッチの問題も含め、当然、現代人の美的感覚とはズレがありますのでその可能性はあると思います。また、現代は国際標準ピッチa=440Hzですが、バロック時代の中心は半音ほど低かったので(色々あった)、響きそのものが違ってました。現代の変ロ長調はバロック時代のハ長調と響きが同じだったのです。また、バイオリンのブリッジの高さ、弦の材質、弓の張り具合、音域などもバロックバイオリンと、現代のバイオリンはまったく別の響きです。管楽器も同じです。フルートもトランペットもキーなしで演奏していました。
昔は、「ピアノ」という楽器もなかったのですから、チェンバロやハンマークラビーアなど、ピアノの祖先みたいな鍵盤楽器で演奏していました。「ピアノ」の正式名称は「ピアノ・フォルテ」すなわち、「弱音も強音も自由自在に出せる」という機能がそのまま楽器名称になったのです。逆に言えば、昔の鍵盤音楽は、強弱もサスティーンもなしに演奏されていたのです。バイオリンがビブラートなしに演奏されていたのと同じ時代です。
すべてが「いぶし銀」の響きだったのです。
そのような、古い音楽を懐古的、学術研究的に再現しようとする楽団は結構あります。
不自由を承知で、当時の楽器を使い、当時の奏法で演奏しています。
最近は、それら古楽器の名手も現れ、単なる懐古趣味から脱した立派な音楽を聴かせてくれます。
http://www.geocities.jp/charietama/music/classic …
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4989232

また、ビブラート奏法が考案されていない時代の曲を、作曲家の考えどおり、ビブラートを全くさせない演奏をした場合、どんなイメージなるでしょうか? 技量が備わっていない子供が集まって演奏したような感じになるでしょうか?
Re:それは違うと思います。ビブラートがないと言っても、機械的なボーイングではなく、一音ごとに「クレッシェン・デクレッシェンド」というニュアンスで弓の速度を変化させ、右手の奏法に表情があったのです。

4. バイオリンなどにはギターのようなフレットは無いですよね。 これはなぜですか? フレットがあれば、ビブラートさせにくくなるとは思いますが、そもそもビブラート奏法が考案される前からフレットが無かったと思うのですが ・・・
Re:世界の弦楽器で、旋律中心の楽器にはフレットはなく、和音中心の楽器にはフレットがあるというのが定説です。フレットがないほうが多彩なメロディー表現が可能です。例えば右手はひと弓で弾きながら、左手は無段階のグリッサンドを使うなど。
また逆に、ギターにフレットがないと、和音を押さえたときに、正確な場所を左指すべてが押さえることは不可能です。
バイオリンや、三味線は、まず和音で伴奏に回ることはなく、もっぱらメロディー係です。
少なくとも単音であれば、フレットがないほうが、奏者の望みどおりの正確な音程を出すことが容易です。
フレットがあると、「純正律」にもとづくキレイな響きの合奏になりません。
http://gabacho.reto.jp/whims/whim0010.html
ギターのようなフレット付き和音楽器は、フレットのキザミに従って「平均的に正しい」音を出しているだけで、本当に正しい音を常に出すことは不可能です。そういう意味で、バイオリンのほうが正しい音程を出しやすいのです。歌うときの声と同じです。別にフレットがなくても自由な高さの声が出せます。
また、ギターでも単旋律を弾くときは、ビブラートを使います。
やはり、現代人は華やかなものが好きなのだと思います。
    • good
    • 2
この回答へのお礼

有難うございました。
ビブラートに関する疑問のほとんどが解消されました。
古典の作品はノン・ビブラートを基本に出来上がっているため、今のようなビブラートをウンときかせた奏法で演奏すると、作曲家本人とすれば、やはり違和感を覚えるのでしょうね。
美的感覚は時代とともに変化するはずですし、考えればこれは音楽に限らず、たとえばレオナルド・ダビンチに現代の抽象絵画を見せた場合、「何だ、これは! 美術作品に値しないヒドイものだ」と、ガックリくるかも知れないなと思います。
お話どおり、あらゆる楽器は誕生から今に至るまで相当な変化を遂げているわけですし、やはり時代の流れや、時の美的感覚によって徐々に変化や進化してきたのでしょうね。

さらに考えると、あと100~200年もすると、今使っている楽器も全く違った形になっているかも知れませんね。
興味深いお話、有難うございました。

お礼日時:2008/12/10 10:36

古楽愛好家です。


3.と4.についてお答えします。
3.バロック時代は基本的にノンビブラートです。ノンビブラートの演奏になれると、ビブラートを掛けた演奏は基本的に「気持ち悪い」です。ノンビブラートの演奏の方が伸びやかで美しくすっきり爽やかに感じます。ですから少なくとも私の感覚では、バロック時代の音楽でビブラートを掛けて演奏されると「余計なことをするな」と怒りたくなります。というか気持ち悪くて聞けません。
4.バロック時代で通奏低音の演奏によく使われるビオラ・ダ・ガンバはフレット付きの弦楽器です。なおこのフレットは可動式で、微妙な音程の調整ができます。

ついでに1.にも。ただしこれはあくまであくまで個人的見解で、音楽史的に論証したものではありません。
1.ビブラートを掛けると、音程の微妙なズレをごまかすことができます。複数の人たちが集まり、色々な種類の楽器で合奏するとき、これは非常に便利です。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

有難うございました。
なるほど、やはり予想どおり、古典の作曲家に彼らの作品を今風の演奏で聞かせた場合、「何だ、この奏法は!」と怒り出す可能性があるわけですね。
ビブラートも含めた「美しい音を奏でる奏法」というものは時代とともに変化するように思います。
今、私たちが普通に「いい音だな」と感じているものでも、数百年前の音楽家には雑音にしか聞こえないものもあると思います。
これは人間の感性に基づくものなので、やはり時代の流れが大きな要因になっていると感じました。

お礼日時:2008/12/10 10:44

ビオラ弾いてます




> 1. まず、なぜですか? なぜビブラートさせるのですか?

音に表情をつけるためと、音程に揺らぎを持たせるためです。


> 楽譜に 「ビブラートさせなさい」 とかの指示なんて無いと思うのですが ・・・

「ビブラートするな」という指示がある場合があります。


> 2. 開放弦をビブラートさせる時はどうするのでしょうか?

同音異弦、つまり低い弦の同じ音を指でとり、共鳴音を鳴らします。

が、そもそも指で取れるのなら、ビブラート掛けてその音を弾きます。

つまり開放弦の音にビブラートを掛けるという発想はなく、メロディの中で"開放の音"が欲しいときだけ弾きます。(速いパッセージの中に開放弦を混ぜることはあります)

ただ一番低い音、バイオリンで言うG線の開放はどうしてもメロディに出てきますので、その場合はオクターブ上のD線のGを押さえ、共鳴音でビブラートを掛けます。


> 3. 自分なりに調べてみたのですが、ビブラートで演奏するようになったのは、そんなに古くない時代のようです。
>
> という事は、バッハやハイドンの時代にはビブラートさせるという考えが無かったという事になるのでしょうか?
>
> となると、もし彼らの曲をビブラートを使った演奏で作曲家本人に聞かせた場合、「こんな奏法を誰が指示した! 勝手な事をするな!」 と怒るでしょうか? 

怒りますかね。
感動して涙を流すと思うんですが。


> また、ビブラート奏法が考案されていない時代の曲を、作曲家の考えどおり、ビブラートを全くさせない演奏をした場合、どんなイメージなるでしょうか? 技量が備わっていない子供が集まって演奏したような感じになるでしょうか?

シンセサイザーだけで弾いた、抑揚のない、味気ない音楽になります。

古楽専門の楽団がありますので、聞いてみたらよいのではないでしょうか。
(味気ないわけではなく、それはそれで良いのですが、私は好きになれません)


> 4. バイオリンなどにはギターのようなフレットは無いですよね。 これはなぜですか? フレットがあれば、ビブラートさせにくくなるとは思いますが、そもそもビブラート奏法が考案される前からフレットが無かったと思うのですが ・・・

あったら邪魔ですもん。他の楽器と音程合わせられないし。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答、有難うございました。
もしビブラートをさせないで演奏した場合、やっぱり味気ないような印象になるのでしょうね。

ただ楽譜には「ビブラートさせなさい」という指示は、やっぱり無いのですね。
また、古代の作曲家にはビブラートという奏法が頭に無かったと思うのですが、それでも、もし彼らに今の演奏を聞かせた場合、感動する事が予想されるわけですね。
という事は、ビブラートという奏法は時代に関係無く、自然に、また人間の感情にスーッと心地よく入ってくる奏法だと言えるのでしょうね。

あと、フレットについてですが、素人考えでは、フレットが無ければちょっとした指の感覚のずれで音階が狂うでしょうし、これがあった方が音感に優れない人でもある程度はキチンとした音階が取れるように思うのですが、実際には違うわけですね。

同じ弦楽器でも三味線もたしかフレットが無かったと思います。 ただ、他の弦楽器、ギターやバンジョー、それに琵琶やインドのシタール、またロシアのバラライカなどにはフレットがあるはずです。 どこかに決定的な違いがあるのでしょうね。 本当に邪魔なら、歴史の過程で全ての弦楽器からフレットが無くなるはずでしょうし ・・・

楽器って、やっぱり素人にはなかなか理解が難しい面があるようです。

お礼日時:2008/12/09 16:29

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!