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刃物用鋼には、有名なところで、安来鋼の青スーパー、青一、白一、ナイフ系統に使われるzdp189、カウリx(確か生産中止ですよね?)、ハイス系統の鋼といろいろありますが、どの鋼が切れ味がよいのでしょうか?

長切れということであれば、硬度の高いものだと思うのですが、切れ味ということであれば、どの鋼になるのでしょうか? 下記に条件を挙げますので、その用途、刃物の場合のお勧め鋼を教えてください。

(1) 柳刃包丁 (研ぎはしっかりしているという条件です。裏刃の押しも糸裏で、平らな質の良い砥石で研いであるもの)

(2)腰鉈 こちらの場合は、切れ味もさることながら、刃こぼれしにくいものという条件も大事です。 もちろん、適正な角度で刃付け、研ぎをされたもの

日本の刃物というと、鍛造物は、ほとんど安来鋼だと思うのですが、近年、金属工学の発達により、新しい鋼がいろいろと出てきました。コストを度外視して、切れ味をもとめるとどの鋼が良いのでしょうか?

また、硬度と切れ味に関して詳しい方、どうぞ教えてください。 硬度が高ければ、長切れすると思っているのですが(この認識は正しい?)、硬度が高ければ、切れ味も良いのか? いろいろ疑問に思っています。 どうかよろしくお願いします。

A 回答 (5件)

≫これに関しては、少し意見があります。

 刺身にするとき、柳刃包丁の裏がベタ裏だったら、身がその裏にくっつきやすくなり、切れ味に関係してきます。 

実測値ですか?
私は、精密に測定した結果を申し上げました。何本もの庖丁を色々な角度や裏のあるものないものを定速で引いて抵抗を調べましたよ。
 結果はまったく差がありませんでした。それどころか、ハマグリのようになった庖丁のほうが抵抗なく切れました。
 実際に接触面も刃裏のすきがなくなって、さらにハマグリになったほうが少ないです。
 これは、実際に庖丁を作るとわかりますが、製作工程の話です。裏をすくほうがカエリが取りやすい・・。

≫青紙シリーズの説明に、「焼きいれは白紙よりさらに困難」とあるのですが、これが今までの私の認識と違いました。
 青紙は、そもそも火作りがとても難しい。炭素の量が多く軟化点が低く、白紙より柔らかくなるためとても難しい。マーガリンとバターを重ねて均一に伸ばそうとするようなもの。たぶん、このあたりが混同されているのかなと・・

 青紙は、おっしゃるとおり、焼入れは簡単です。
(という言い方はおかしいかな)
 ただ、下手な鍛冶屋でもそこそこ切れるものが作れます。白紙は上手な鍛冶屋にかかれば、下手な青紙よりはるかに良く切れる庖丁になります。

 刃物が切れると言っても色々理由があるというのは、刺身庖丁や肉用の牛刀の場合、良く切れる刃物は、刃先を顕微鏡で観察すると初めて見える程度のギザギザがあります。結晶の粒界
 それが繊維を切るときの抵抗となる重要な働きをします。和鋼はこれが小さく均一なのが特徴ですが、これを硬度の高いステンレス鋼では実現できませんが、砥石で外的につけることは出来ます。

≫硬度が高ければ、長切れすると思っている
 たとえば、高速度鋼を使った刃物が登場したことがあるのですが、それはそれは良く切れて長持ちしました。切れるといっても半端じゃない。ハガネの庖丁でさえ削れるくらい。刃先はダイヤモンドの砥石で慎重にギザギザをつけてありましたが、・・・それでも長く使っていると磨耗して切れなくなります。そのときに再研磨が出来ない。単純に目の細かい砥石(ダイヤモンドやグリーンカーボランダム)で研ぐだけでは元の状態に戻せなかった。

 鋼自体が仕上げ砥石で研いでもこのギザが出来るものと、中砥程度でギザを残して仕上げなければならない鋼材があるということです。切れ味はどちらが???。さて、どっちもどっちうまく研がれたものは差がないでしょう。

 いくら長切れしても刃ツケができなきゃ意味ないです。

 一方、髭剃りや木割り、鉈のようにまったく、すらせない刃物の場合は、このギザは、まったく不要です。そしてソリの場合は刃先の鋭利さが持つこと。斧や鉈の場合は側面のすべりがよいことが・・。
 スウェーデンに代表される鋼材は、日本の刃物が複合材で解決しようとしたものを一種類の材料で解決したようなもので、ヤスリで簡単に削れるくらい柔らかいのに、木にいくら叩きつけても「へたらない」・・快削性が良いくせに靭性はある。洋剣の伝統だと感心したものです。

【結論】
 用途を限定しても、どの鋼材が良いかの答えはない。
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この回答へのお礼

早速の真摯な回答、本当にありがとうございます。

大変、勉強になりました。 自分が信じていたものが、思い込みによるものもあったように思います。 

特に研ぎに関しては、もう一度、教えていただいたことを考慮しながら、自分でやってみたいと思います。

お礼日時:2009/01/11 09:09

一般に硬い=切れる=刃が欠けやすい=砥ぎにくいという感じでしょうか


対して硬度が低い(一般的なものの範囲)=刃が欠けにくい=砥ぎやすい=適度に切れるというかんじでしょうか?

あとは材質によってさびの強さや靭性などがかわるでしょうか。
詳しい事は既に述べられていますので省略。確かに万能なものはありませんので必要な条件で一番合いそうなものをえらぶところでしょうか。
私の感じでは安来鋼は青紙、白紙は炭素鋼だったかと思います。切れはいいけどさびには弱いかんじでしょうか。(HRC62位?)銀紙はステンレス(440C)なんかとほとんど同じだったかと思います。(HRC59位)
あげられているZDP189、カウリXはナイフ鋼材の中でも特に硬い粉末鋼の部類にはいりますのでとにかく硬いです(HRC67位)、そのかわりものすごく砥ぎにくいです。また靭性がかなり落ちます。(つまり折れやすくなります。といってもそう簡単にはおれませんが。)

用途で考えるのなら、あまり固いものを切らず切れ味を要求する(1)柳刃包丁なら多少固めの鋼材でもいいのでは?
対してなたのようにハードな使用の場合は当然刃先の痛みもあるでしょうから適度に研ぎやすいもの方がいいかと思います。また力がかかりやすいですから靭性のあるもの方がいいかもしれません。
ついでに切れ味は刃角などにもよりますから鋼材で切れる、切れないは難しいです。刃角を整えれば大抵のものは切れます。よほどへんな鋼材でなければ。
結局のところ数値を実感として判断できるかはなかなか難しいところではないかと思います。錆びや表面仕上げ、砥ぎ易さは割りと実感しやすいところかと思います。参考までに。
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この回答へのお礼

回答、ありがとうございます。

>結局のところ数値を実感として判断できるかはなかなか難しいところではないかと思います。

それは、私も感じるところです。 カンナの薄削りのように、簡単に測定工具で測れれば、数値を目標に試してみることができるのですが・・

柳刃包丁の場合、かなり特殊な機械になりますよね。 個人でどうこうなるようなものではなさそうです。

実際、ある程度の包丁を一生懸命研ぐと、どれもよく切れるんですよね。(苦笑) 私の感覚がにぶいのか、値段ほどの差というものを感じられないこともあります。 簡単に切れ味を数値化できる(万能ではないにしても)測定器があれば、包丁を研ぐのにも、カンナの薄削りのような楽しみが出来るのになと思ったりします。

お礼日時:2009/01/12 00:00

No.1の方へのお礼の欄から・・・



私も、白紙の方が焼き入れが難しいと聞いています。
焼き入れ適正温度の許容範囲が狭いからですが、ただ、最近の焼き入れは機械で管理した焼き入れなので、よほど下手なことをしなければ大丈夫です。それよりも火造りの方が重要だと思います。火床で熱し、何度も鍛造しますが、その時の温度加減、叩き方、回数等で変わると思いますし、鍛冶屋の腕にもよります。感覚で作る物なので、作り手の善し悪し、またその時の体調にも影響します。

また、硬度が高ければ長切れするでしょうが、鉈のように打ちつける物に使用すると刃こぼれしやすいと思います。鉈なら白紙か黄紙(安い)でしょうか?包丁は、一度メーカーに問い合わせましたら、白紙が使いやすいと言われました。ただ、私の感覚だと、柳刃包丁なら青紙系の方が切れ味が良さそうに思えます。研ぎにくさは感じるかもしれませんが・・・でも、これも作り手によって変わります。

また、銀紙ですが・・・これは日立安木鋼のステンレスの名称だと思います。違ったかな?色紙は日立の名称だと思っていました。

日本の刃物鋼だと日立金属の他に武生特殊製鋼所、大同特殊鋼の名前が有名です。外国だとサンドビックやウッデホルム社がありますね。

兎に角、作り手である鍛冶屋さんが、自分が最良と思う鋼を選び、それに適した作り方をしているので、一概に鋼だけを論じることは出来ないと思います。
鍛冶屋はたくさん知っていますが、個々に異なる見解をもっていますしね。

ご参考までに。
下記URLは日立の安木鋼の資料です。

参考URL:http://www.hitachi-metals.co.jp/pdf/cat/hy-b10-d …
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この回答へのお礼

回答、ありがとうございます。

>でも、これも作り手によって変わります。

そうなんですよね。 同じ鋼なのに、こんなに違うの? という経験が私にもあります。

>鍛冶屋はたくさん知っていますが、個々に異なる見解をもっていますしね。

そうですね。 私も鍛冶屋さんに話を聞くのが好きなのですが、人によって違うことを言いますよね。 自分が火造りできないので、検証しようがないのが残念です。

お礼日時:2009/01/11 23:46

 こんにちは。



<刃物用鋼について>
 刃物は鋼で切っているのではありません。
 どの様な最高の鋼と製造技術をもって作られたとしても使う側が刃物を研げなければ只の鉄の塊です。研いで、使ってナンボです。

 国産でよほどの安物でなければ、用途に合わせて刃物を研げれば、その刃物は切れます。
 しかし切れのいい刃物は、最初は刃がボロボロこぼれます。それを我慢して研ぎながら使い続ければ値段相応に切れ味がよくなって来ます。

<硬度が高ければ、長切れすると思っているのですが>
 そうではありません。鋼は柔らかさが必要です。

 刃物は、作った側が想定した切れ味に研げる様になるのには年数がかかります。
 しかし、温度(気温)やその時の気分で「刃の付き方」が変わってくるので一概にはなんともいえません。
 砥石に塵が1個あってもだめです。最初からやり直しです。

 糸裏は鋼の裏側ギリギリの部分を使いたいためにそうします。刃物に拠っては糸裏ではありません。
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この回答へのお礼

回答、ありがとうございます。

>刃物は鋼で切っているのではありません。
 どの様な最高の鋼と製造技術をもって作られたとしても使う側が刃物を研げなければ只の鉄の塊です。研いで、使ってナンボです。

> 国産でよほどの安物でなければ、用途に合わせて刃物を研げれば、その刃物は切れます。

以上のことを分かった上での質問でした。

<硬度が高ければ、長切れすると思っているのですが>
 そうではありません。鋼は柔らかさが必要です。

柔らかさとは、靭性のことを言っているのだと思うのですが、硬度が高いイコールが靭性低いといことではないはずです。

回答から推測するに、木工関係に詳しい方ですね。 鑿とか鉋のことをいっているように見受けました。 糸裏ですが、確かに叩き鑿を糸裏にしたら、それこそボロボロかけてしまうでしょうね。(笑)  今回は、柳刃包丁ということで、糸裏という表現を使いました。

お礼日時:2009/01/10 19:12

 刃物鋼の青,白,黄は、元来はたたら製鋼で作られる鋼材の品種名ですが、あなたがあげられたすべてはも近代製鋼法で作られた鋼に各種金属を添加して作られたものです。


 主な鋼材メーカーには、日立金属株式会社と武生特殊製鋼所があります。
 青白黄は日立金属、金、銀・・は武生が良く使っている商品名です。
 鋼材の種類は、研がずにいられない( http://www.wendy-net.jp/~shiina/menu/index.htm )に、よくまとめられていますね。

 補足すると、切れ味、はもち等は、そんなに一概に決められるものではありません。それは切るという動作そのものに、色々な違いがあるからです。木を切るときですら、薄く削り取る作業、割る作業、切り倒す作業それぞれ皆違う原理で切っているのですよ。
 メーカーのカタログを見ると、さまざまな特性が書かれています。もし、万能の鋼材があれば世の中それ一色になるでしょう。一番良く分かるのが・・車。
 たくさんの人が乗れて、高速で、快適で、土砂も運べて、銃弾に強く、水上も走れて、荒地も走れて・・・、そんな車は何が良いでしょうか???

教えてください。

それを範囲を狭めて、(1) 柳刃包丁(2)腰鉈としたところで、答えは出せません。スポーツカーで
良く切れて、はもちがよく、研ぎやすく、・・・・延々と条件が続くでしょう。 
 それよりも実は
(研ぎはしっかりしているという条件です。裏刃の押しも糸裏で、平らな質の良い砥石で研いであるもの)
 が最大の条件なのですよ。どんな高級な柳庖丁だろうが、その鋼材・焼入れが最適であったら、その鋼材・焼入れ・用途に合わせて最適な研ぎをすれば、ほとんど差はなくなります。まあ、よほど安価な鋼材・下手な鍛冶屋でない限りはね。
 なお、「裏刃の押しも糸裏」は切れ味には無関係・・裏がきちんと押されていて正確に作られていればそうなりますし、これは研ぎやすいことを意味しているだけで切れ味には無関係・・・

 私のところでも、どの鋼材が良いかは、こちらの条件を元に各メーカーの仕様書を詳細に比較して、選別することになります。それから試作品を何本も製作して焼きいれ条件をメーカーに送って何種類か製作、さらに研ぎ師を選択して、・・・・通常、数年かけて最終的に決めています。
 ここまでに、100万近い経費がかかりますね。
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この回答へのお礼

回答、ありがとうございます。

>メーカーのカタログを見ると、さまざまな特性が書かれています。もし、万能の鋼材があれば世の中それ一色になるでしょう。・・・

いえ、万能の鋼を探しているわけではありません。 今回は、質問にも書いたように、柳刃包丁についてです。 それぞれの用途があるのは、知っています。

>それを範囲を狭めて、(1) 柳刃包丁(2)腰鉈としたところで、答えは出せません。スポーツカーで
良く切れて、はもちがよく、研ぎやすく、・・・・延々と条件が続くでしょう。

挙げられた条件は、究極の鋼ということになるとおもうのですが、今回はそうではありません。 切れ味が最高(これも人それぞれと言われれば・・)の鋼を知りたいと思って質問しました。 刃持ちが悪くても、研ぎにくくても、錆びやすくてもかまわない 他 という条件です。

ちょっとロマンティックな質問とでも、思っていただければ・・。(笑)

今まで色々な包丁を試した人がいたら、その方の感覚でいいので、意見を聞きたかっただけです。

>これは研ぎやすいことを意味しているだけで切れ味には無関係・・・

これに関しては、少し意見があります。 刺身にするとき、柳刃包丁の裏がベタ裏だったら、身がその裏にくっつきやすくなり、切れ味に関係してきます。 

>鋼材の種類は、研がずにいられない( ​http://www.wendy-net.jp/~shiina/menu/index.htm​ )に、よくまとめられていますね。

拝見させていただきました。確かによくまとめられていますね。全部とは言いませんが、一応、ここに書いてあることは知識としては知っているつもりでした。 専門家ということなので、再度質問したいのですが、この鋼の種類を解説してあるところでの青紙シリーズの説明に、「焼きいれは白紙よりさらに困難」とあるのですが、これが今までの私の認識と違いました。 

白紙を改良して、焼き入れ特性をよくしたものが青紙と認識していました。 青紙は、鍛造の時うまくやらないと、ガラスのようにひびが入ると聞いたことがありますが、焼き入れに関しては、白紙の方が難しい(特に白一)ということでした。 本当のところを教えてください。

お礼日時:2009/01/10 18:57

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