東野圭吾さんの小説で、少年たちによって強姦された娘の父親が
少年たちに復讐する。という小説がある。
ちなみに娘は強姦されるときに、へんな薬を飲まされて死亡した。
もちろん父親はその少年たちを殺せば殺人罪となる。
日本の法律では、正当防衛、緊急避難、精神喪失などの理由が
なければ、相手がどんなに悪かろうが、その相手を殺せば殺人罪と
なってしまう。
裁判になれば量刑に違いがあっても、父親は刑務所に入ること
になるだろう。
ここの問題点は少年は少年法によって守られているという事。
強姦と過失致死なので、少年であれば数年ででてこれる。
つまり、己が復讐しなければ少年に罰を与える事はできない。
それでもやっぱりルールは守って、司法に委ねるべきか?
復讐はしてはいけないのか?
No.12ベストアンサー
- 回答日時:
A11です。
そう言えば法は守るべきかどうかが論点でしたね。
法は合意の上で成立する約束の事を指して、決まりごとではありませんから、納得できなければ率先して破るべきです。
責任は規則破りをした自らが持ちます。
その自らが順法の精神にのっとって合理的に規則破りをしたのなら、その場合は法律が間違っていた事になります。
または運用が間違っていた事になります。
そのようにして残る法が自然の摂理にかなった自然法の精神と言う事になります。
文化が違えば神の定めた法と解釈することでしょう。
要するに破る必要のない法律の事で約束の締結はいらなくなります。
現状としては父として復讐する余地も残された原始的な法のみが法律です。
犯罪者を赦すことは法律はともかく、世の野次馬にとっては裏切り者のする事です。
本来の法に赦すも赦さざるもありませんが、野次馬は父を悪人呼ばわりです。
引用した父は、そのような赦す苦痛の中、赦さざる人々に反逆を起こします。
イエスさんは磔獄門でしたね。
現代人は同じ苦痛を生きたまま味わう事で、「私は私である」と、全うすることになります。
野次馬君に殺されるのは時代遅れですよ。
No.11
- 回答日時:
A6です。
具体的な犯罪被害の当事者になると、実は加害者の事などどうでもいい。さらに進めると被害者を辱めるのは加害者で無く野次馬です。
引用された三文小説のように娘を亡くした場合は、娘には母がいるはずです。ほかにも妹や姉がいるかもしれない。父や夫である前の男性の本分として、自らを復讐で慰めるようなことは当事者となれば無く、母や他の娘たちなど家族の心お癒す介助を優先しあくまでも自らは後回しです。そのように支え合う絆が家族であり、その中で男性の担う役割です。
テレビのニュースなどでは「犯人を殺してやりたい」とか何とかコメントする場面もありますが、あれは冷静さを取り戻す前にマスコミのカモにされただけです。母子ともに強姦殺害された遺族が死刑運動をしましたが、あれは父の役目も夫の役目も同時に失ったからです。
引用された小説での父としての復讐の全うを伝授しましょう。
「犯人を赦す、生涯を全うしてほしい」
このように語る事です。
少年たちは遺族感情はともかやがて大人として成熟し、恋もするでしょう。
しかしかつて、欲望のままに女性を殺害した事実が傷として残る。
父親が赦していなければ、少年たちは恋をしても結ばれる事は無いでしょう。
しかし赦すと言えば、少年は花嫁を連れて墓前に弔いにくるでしょう。
父には心からの感謝を述べるでしょう。
この瞬間が復讐の完結です。
娘さんが天国から微笑みかけ、生きた事、死んだ事、娘を亡くした事の意味が判る瞬間です。
よって供養の成就でもあります。
父として娘の死を理解できる瞬間です。
犯罪や事故の後、生きる営みを実際に続けると言う事はこういう事です。
要するにこのような経緯こそが犯罪当事者たちの現実のその後です。
うるさいのは実際を知らない世の中ばかりですよ。
三文小説は野次馬向けの娯楽でして実態にはあっていません。
世の中は三文小説の通りです。
ニュースが伝える通りです。
生きる人々を無視しています。
我は生きていると言えないのなら世の中に翻弄もされるでしょう。
それを何とかするのが哲学の本分でして、「私が私である」このように至る道のりが、(仏道では無く)哲学です。
No.10
- 回答日時:
それでもやっぱりルールは守って、司法に委ねるべきか?
復讐はしてはいけないのか?
この問題はスポーツのルールの問題と違って、哲学的というよりはむしろ宗教的問題になりますね。
質問者や回答者が人生はこの世限りで一度の人生は全て一度の人生で清算されるというお考えの場合は、当然司法への不満は自らの手で裁くという方向も是認されるかもしれませんね。江戸時代は「あだ討ちとして」それが認められていた事実もありますね。近代では道端のあちこちであだ討ちをやられたのでは市民生活が混乱しますから是認はできませんが、人里離れればよいということであれば是認されないこともないですね。ただ世の中が戦国時代のように殺伐としてくることは予想されますね。
一方、人間は転生輪廻している霊的存在であるから、肉体が死んでも魂は死なず、生前の行ないは必ず死後裁きの対象になるという生死を越える因果の理法を信じる方は、司法の判断に任せて、結果は問わないということになるでしょうね。
この両方の考え方が存在するので哲学的な答えが難しいのですね。二つの答えが存在し両方が正しいということは数学ではあっても人の道にはないのですね。そこでどちらが正しいかということですが、太古より人はその正しさを宗教に求めるというのが常道ですから、私も後者の宗教的解釈を是としています。
つまり一人が我慢すればみんなが幸福、あるいは社会が安定するなら司法にまかすほうが妥当なことだと思うからですね。
これは不幸な事件によらず病気でも同じですね。私も病気して病院に何ヶ月かお世話になりましたが、病気して騒ぐ人がいるのですね。誰しも苦しさは同じですが我慢して秩序を保とうとしている人もいれば、病気ゆえに騒ぐ人もいるという現状をみると考え方は大切だと思いますね。
・・・ということで哲学的回答にはならないかもね。
No.9
- 回答日時:
>キラには、それをする資格も権限もなく、ただ単に
>社会の秩序を乱すだけ。だからだと思います。
社会の秩序、それは法にのっとって裁くという秩序を守らなかったわけですよね。
彼は初期に殺していたのは、凶悪で全く改心のかけらもない殺人鬼ばかりでしたよね。
自己中心的で狡猾で、100%の悪人で、存在価値など全く無いとしか思えない人ばかり殺していましたよね。
その段階でエルは「彼の行為は悪である」と言ったわけです。
何故?
だって誰も当然だと思うことはあっても、誰一人「ひどい」と思う人はいないし、殺人鬼がいなくなることで、社会はまた一つ安全を確保したわけでしょ?
なのに何故キラのやることは悪だとエルは判断したのか。
えっと、、、
誰だっけ?プラトンだったかな?
彼は独裁者による統治より、民主主義による判決の方がまだマシだって言ったんです。
独裁者の考える常識・秩序が、その国全体の常識・秩序になるわけです。
なんせすごい権力を持っているので、「おかしいんじゃないか」と思う人がいたとしても、独裁者が強いので、おかしいと言えないわけです。
「あなたは常に正しい ごもっとも あなたの言うことが真理です」と国民は考えることを諦める。
独裁者の言うことに従ってさえいれば、安全は確保できるわけですしね。
独裁者は常に完璧なら、それでいいんです。
絶対に間違わない神のような全く正義を知っている人間であれば、それでいいんです。
ところが、実際は我々と同じ、間違いも犯す不完全な人間です。
つまり、間違った判断をする可能性を秘めている人の判断が、その国の常識になるわけで、危険なんです。
もし、その独裁者が間違えた、国自体が穢れる。
しかも誰も間違いであることを気づけない。
相対的、客観的に判断できないから。
独裁者と同化しているから。
もし、独裁者が間違えた判決をしたら、国全体が100%悪になってしまう。
だけど、一滴だと腐ったら腐った水になりますが、多量の水だと多少腐りが発生しても、多量の水全部が腐るということはありえなくはないが、非常にありえにくい。
従って一人の独裁者より、民主主義でみんなで判断した判決の方がまだマシ という考え。
みんなが間違えた判断をすることはありえにくいので、多数決の方がマシという考え。
で、裁判で多数の人が意見を言った結果、それを統合判断して、裁判官が「懲役10年」とか決定するわけです。
そのみんなが決めた判決を、一人の独裁者が自分の判断とは違うと、多数者が決めたことを無視してしまう。
これがキラなんです。
つまり独裁政治。
キラとて人間ですから、自分の都合が悪くなる相手をついには始末していくわけです。
つまり完璧な神のような人ではないたった一人の人が、独裁政治をするということは悪である、それを野放しにすると、全部の水が腐る。
だからキラは悪。
と私は解釈しました。
ですが、被害者の遺族の心痛はお察しします。
だけど 復讐のために法律を破って殺しては駄目。
法律 つまり 多数者の意見を変えるべき。
つまり法の改正という手順を踏み多数者の意見によって命を奪うべき。
と考えます。
しかし、多数者と私の意見が合致しないことがある。
今回のあなたのように、「おかしいじゃないか」と思うことはあります。
だから、その時は「おかしい」ってみんなに向かって言う。
つまりあなたと同じことを誰しも言うわけで、「おかしい」という意見が法を変えていくんです。
昔は穢れと清めの概念があり、無念の殺され方をした家は穢れに入ったとなり、穢れがある家のままでは駄目なので、子供が穢れを祓うために、殺した人を葬ってよかったんです。
それが仇討ちという法律があった理由。
復讐ではなく、死んだ人の穢れを祓うためにやっていた。
No.8
- 回答日時:
すいません。
もう一個 今回の質問を考察する材料として、映画<ビレッジ>。
ある村の周りは広大な森。
その森には魔物が住んでおり、昔村人は魔物と協定を組み、境界線を侵犯しない限り、魔物は村人を襲わないことになった。
子供たちは無邪気なので、本当にそんな魔物などいるのかな?とその境界線を越えて森の中に入った。
「ほらね 何も起こらないだろ」と。
その夜 魔物が村を襲った。
この村に一人の結婚を控えた盲目の少女がいた。
彼女の婚約者が魔物に襲われ重症を負った。
「魔物が彼を襲った? ありえない」と長老たちは言った。
ネタバレしますと、魔物は長老たちが化けていたんです。
子供たちを守るためにルールを作った。
魔物とは一般社会のことです。
長老たちは昔都会に住んでいた。
そこで親や子供を殺されていた。
その犯罪の被害者の一人が、親から莫大な遺産を譲り受けたとき広大な土地を買い、同じ犯罪の被害者たちと自給自足の楽園を建設したんです。
その楽園から子供たちが外に出て、犯罪者に殺されないように、境界線から外に出ると魔物に殺されるから出てはいけないと掟を作り、子供たちが掟を軽んじて境界線をまたいだと知ったら、魔物に扮してあたかも本当に魔物が襲ってきたかのように音を発して「魔物が襲ってきたからシャルターに避難しろ」と演技していたわけです。
この長老の一人の男が莫大な遺産をひきついだ人でその娘がその盲目の少女。
実は、彼女の婚約者を襲ったのは、彼女に恋をした村の青年。
自分の好きな相手が別の男と結婚することを阻止するため、見つけた魔物の扮装をかぶり、魔物が青年を殺したかのように見せかけた。
この長老の一人の男は、娘が小さい頃病気になって、医者に見せないと失明するとなったとき、森の外に出て治療を受けるかわりに秘密を知られることになり、村にとどまることを拒否し魔物がうるつく都会で危険な目に会うより、治療を受けずに失明したほうがまだ娘にとって良いと判断し、森の外につれていって医者にみせなかった。
結果、失明した。
今回は娘の意志に任した。
盲目の娘は森の外に向かって歩き出した。恋人の命を救う薬を取ってくるために。
キリスト教もそういう時代があり、神がその人を祝福したら治すし、許さなかったら治さないと教え、治療を受けさせないようにした。
信仰心があれば、病気は治ると言っていた時期があった。
アトス山。
キリスト教は女性は災いだと思っており、その教えを信じた人達は、アトス山に修道院を作り隠遁生活をした。
まるでビレッジのようです。
この山には動物 (もしかしたら昆虫もかも)に至るまでオスしかいない。
ローマ・カトリックは、今もって聖職者はオスしかいない。
さて、ビレッジを思わせるアーミッシュ。
2006年10月、アーミッシュの学校を男が襲い、少女たちを処刑した事件があった。
遺族の一人は犯人を恨んではいないと言った。
結局 法でも守りきれないわけで、外部と完全遮断した生活をしない限り、生活において常に危険はあるわけです。
それで隠遁生活をした代償に、不便さがあるわけですが、小さい頃からそういった生活しか知らなければ、不便じゃないわけです。
アーミッシュの場合、子供にどっちの世界で暮らすか選択させ、外の世界を選んだ子供が、やっぱりアーミッシュの世界に戻りたいと言っても、それは絶対に許されないのだそうです。
信仰心がぐらつく人は不純物だとして、不純物が集団に入ると集団全体が腐るとして、拒絶するのだと思う。
というわけで、私たちは利便性を選択したので、法だけでは身は守れない世界に住んでいるわけです。
自由と引き換えに危険も起こる世界に住んでいるわけです。
そりゃ ハメられたり、害を受けた場合は、腹もたちます。
何されても仏の心で無関心にはなれない。だって生きているから。
私は、最大の復讐は、自分に害を与えた人に、自分のやった罪の重さを自覚させることだと思います。
不可能? いえ 可能です。
無知の涙を書いた人は、4人無差別殺人をした。
死刑になっても平気だと言っていた彼は数年後、「自分のやったことを許して欲しいとは願っていないが、自分は無知だったため罪を犯したと知って欲しい」と<無知の涙>を書いたんです。
1969年逮捕、1997年死刑執行。
1997年 神戸連続児童殺傷事件の犯人とされる少年が捕まり、死刑判決は出ず、医療少年院に保護。
この事件が起こらなければ、永山被告の死刑執行は無かったと思います。
改心した大人は殺したが、改心しない少年は助けた。
これは他の私利私欲の何かが背後にあったからだと思います。
No.7
- 回答日時:
法は柱です。
柱が無い社会は混沌 カオスの世界になります。
もし柱である法が信頼されない社会では、誰も法を守らず、法がありながら従わないので無法地帯になります。
つまり法は無いのと一緒。
法は力です。
その法に力を与えるために、法を守る必要がある。
一つでも守らないことを許した場合、法の権威は失墜し、あとは雪崩れ式に秩序社会は崩壊してしまう。
だから、このサイトは温情判決を出せたとしても、ルール違反である場合は、ルール違反をした者を処分することで、秩序を保とうとするわけです。
ブレイブ・ワンという映画があって、アメリカ社会ではその映画が支持されたそうです。
法には限界があり、人殺しをした人であっても法律に沿ってしか裁けないので、遺族の被害者が残りの人生を悲しみにくれながら暮らし、加害者が残りの人生を謳歌する。
この不平等社会に一石を投じた映画らしい。(シナリオだけ読んだだけで実際映画は見ていませんが、見た人の感想も一致しているので、そういう内容だから、銃社会のアメリカでヒットしたんだと思う。)
処刑人という映画は見ました。
兄弟が法が裁けないのなら、俺たちが裁くと、悪人をつぎつぎ殺していく映画。
その際に聖書の文句を唱えながら処刑していった。
つまり自分たちは、法の下にいない人間を超越した正義の神の使者として、神の正義を実現するってことじゃないかと。
デス・ノートという漫画があった。
キラは質問にあるように、法により凶悪な殺人をした人が、その報いを受けて処刑されない社会、数年たてば出てこれる社会を改革し、正義を実践し、正義の元に秩序ある社会にしようとして、デスノートを使い処刑していったわけです。
親や恋人を殺された人にとってみれば、キラは復讐を果たしてくれた人。
悪いことをすれば、殺されるとなった世間から、犯罪が激減した。
キラはいい人なのか? 彼は神なのか?
エルはキラは悪だと言った。
どうしてだと思います?
>エルはキラは悪だと言った。
どうしてだと思います?
キラには、それをする資格も権限もなく、ただ単に
社会の秩序を乱すだけ。だからだと思います。
ただ、キラのした事が100%悪か。というとそうとも
言い切れないところもあるとは思います。
テレビ番組の「必殺仕事人」のしたことと似ている。
ご回答ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
ここは法律のカテゴリーでなくて、哲学のカテゴリーなので、「復讐はしてもよい」と回答します。
江戸時代の武家では、親の仇は取らなきゃならない、復讐はしなくちゃいけない。やらない自由は無い。
今の法律では、仇討ちは禁止で、死刑囚は自殺の自由もなく、すべて国家権力にゆだねることになっている。
これは、両極端の文化Aと文化Bであり、別途、文化Cを定義可能で、それは、仇討ちはしてもよいし、しなくてもよい、という自由度を最大化した文化。
ただし、自由を勘違いして、”過剰仇討ち”する族(やから)がでてくるので、それぞれの仇打ちに上限を定める必要がある。
No.3
- 回答日時:
倫理的、道徳的な視点ではルールは守らなければなりません、となるでしょう。
でも刑法的には、殺人をしてはいけません、とは書いてありません。
また復讐してはいけません、とも書かれてません。
(法学的には刑法の存在自体が私的な復讐や刑罰を禁止しているという考え方のようですが)
あるのは「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処する」というルールです。
ですから、死刑になる覚悟があるなら人を殺してもいい、と言えます。
まあ、そこまで覚悟を決めた人に対しては、どんなに厳しい罰則があったとしても
歯止めにはならないこともあるでしょうし、もし法律に「人を殺してはいけません」と
明記されていたとしても何の意味もないでしょうね。
それだけの覚悟を持てますか? それだけの犠牲を払うだけの価値がありますか?
究極的にはそういうことだと思います。
そもそもその小説って、そういう葛藤がメインテーマというか、読者への問いかけとして
描かれていたと思うのですが…
はい。
この小説では、確かに主人公(父親)の葛藤もありました。
そして少年法の存在なども問いかけていたと思います。
ご回答ありがとうございました。
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