プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

鉄剤を服用すると便秘になったり下痢になったりしますがこれって何でそうなるのですか?
メカニズムについて教えてください。

A 回答 (1件)

分子量が比較的低くイオン化傾向の高い重金属の一つが鉄です。

酸素とのほど良い強さの結合力でヘモグロビンの一部として酸素を運ぶ働きがあることはご承知だと思います。
空気中で錆びることから分かるように、電子を吸収したり酸素を付ける(酸素を奪う)ことのできる金属です。生体内でも電子や酸素を吸着しフリーラジカル、活性酸素のスカべンジャーや抗酸化剤として働いています。
普通に食物から体内に取り込まれるぶんには過剰になることはありませんので生体の酸化を防ぐ抗酸化剤として大切な働きをしてくれます。
しかし、体に馴染みのない多量の金属が一度に体内に侵入した時は問題になります。死に至ることもありますが金属による急性中毒ということになります。もちろん慢性中毒というものもあってまた特有の症状をあらわします。

なるほど鉄剤の補給は貧血には有効ですが、摂取する量によっては生体が吸収できない、吸収に時間がかる場合があります。急性中毒になるほどの量ではないのですが、吸収が追いつかないと軽い中毒症状が出てきます。
普段は鉄が抗酸化剤として働く時は血管を拡張させたり、消化管の働きを高めたりリラックスの神経である副交感神経を優位する働きをしてくれるのですが、一度に摂り過ぎて吸収できないとなると、今度は一転して体にはストレスとなってしまいます。そのために今度は交感神経が緊張するあまり副交感神経が抑制され、消化管の働きが悪くなります。これが便秘に繋がります。
便秘が続くと不要なものが体に溜まりますので、それを排泄する必要に迫られます。体は無理やりに排泄しようとして腹痛や下痢を起こさせます。

また、その人の体質にもよりますが、便秘から始まらずにいきなり下痢が起こる場合もあるでしょう。その場合は、鉄の毒性を感じた体がすぐにそれを体外へ排泄しようとするからです。

この回答への補足

わかりやすい解説ありがとうございます。とても参考になりました。
解説を読ましてもらいましたら新たな疑問がわいてきました。
それは
「電子を吸収したり酸素を付ける(酸素を奪う)ことのできる金属です。生体内でも電子や酸素を吸着しフリーラジカル、活性酸素のスカべンジャーや抗酸化剤として働いています。」
の文の中で酸素を付ける金属の部分は酸化鉄のイメージでわかるのですが、電子を吸収するとは???
わかりません。それからなぜ鉄が活性酸素の抗酸化剤なのか???
この部分を教えては頂けませんか?

補足日時:2010/07/27 21:13
    • good
    • 10

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!