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三島由紀夫の「仮面の告白」を読みましたが、わからない部分があります。


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「おかしなことをうかがうけれど、あなたは もう でしょう。 もう 勿論あの事はご存じのほうでしょう」

「うん知ってますね残念ながら」

「いつごろ?」

「去年の春」

「どなたと?」

――この優雅な質問に私は驚かされた
////////////////

この、
「おかしなことをうかがうけれど、あなたは もう でしょう。 もう 勿論あの事はご存じのほうでしょう」
という園子の言葉がよくわかりません。

「あの事」とはなんなのですか?
「もう」が強調されているのにはどういう意味があるのですか?

どなたか解説お願いいたします。

A 回答 (2件)

>「おかしなことをうかがうけれど、あなたは もう でしょう。

もう 勿論あの事はご存じのほうでしょう」
>という園子の言葉がよくわかりません。

No.1さんのご回答にあるように、文脈からして、「あの事」とは「セックス」以外にはありえませんし、このときの園子は主人公に「もちろん、もうあなたは童貞ではないですよね」と確認しようとしたわけです。

なお、ここは、主人公も園子も上流階級に属するからということで、現代の若者には信じられないような婉曲的な言い方をしているわけではなく、まだロクな避妊具もなかった戦後間もない頃のセックス観というのは、社会階層の上下を問わず、こういうものだったろうと想像されます。

ここでの二人のやり取りを通じて、作者がひそかに暗示しているのは、一つは、かつて良家のお嬢様然として、性的な話題なんておくびにも出さなかった園子が、結婚し、処女でなくなったとたん、人間的、性格的に大きく変わってしまったという事実であり、もう一つは、主人公だけは相変わらず《異性》を愛することができずにいる、つまり激動する戦後社会の中に受け容れてもらえず、焦慮の念に駆られているという事実ではないでしょうか。
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私も首をひねりながら読んだので自信は無いですが、自分なりの解釈を。



>「おかしなことをうかがうけれど、あなたは もう でしょう。 もう 勿論あの事はご存じのほうでしょう」
の部分は園子が主人公に女性経験を尋ねたんじゃないですかね。お嬢様出なので直接ではなくオブラートにつつんで聞いたのではないでしょうか。
「もう でしょう。」の「もう」の後には「あの事(=SEX)は経験済みでしょう?」が入るのではないかなと、私は解釈しました。
「もう」が強調されているのは「あなたはもうでしょう。」の部分が平仮名ばかりなので分かりやすいようにだと思います。

でも主人公は愛していた園子に対してさえ不能だったわけですから「私は力尽きていた。」になるわけです。
でも最後の力を振り絞って、尤もらしく見栄を張って「・・・・・・知ってますね。残念ながら」と返します。

ところが園子はさらに「どなたと?」と追及してきます。主人公が愛せた女はこれまで園子ただ一人なのに。
園子はすでに人妻ですから園子にとっては他愛ない質問でしょうが。
その主人公にとっては残酷な質問にとうとう心が折れてしまい、「きかないで」と露骨な哀訴の調子で答えてしまったのではないでしょうか。
ここで仮面がはがれかけてしまったのだと思います。

みたいな感じで私は解釈しました。もしかしたら
もう=盲=インポ?
とか「もう」に私が知らない意味があって、不能であることを指摘されたのかな?とも思いましたが、それだと「どなたと?」につながらないので、こういう解釈に落ち着きました。

間違ってたらすみません。参考になれば幸いです。
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