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量子力学
理学は専門ではないのですが興味から朝永振一郎さんの量子力学上・下を読んでみました。とりあえずなぜシュレーディンガー方程式があの式になるのかはなんとなく分かった気になったのですが、結局、歴史的には実験結果と理論で偶発的に波動方程式を発見したという理解で良いのでしょうか?理学関係の方教えてください。ちなみに角運動量とスピンはまだ読んでません。

A 回答 (1件)

理学がご専門でないということで、解析力学についてはご存知ないかもしれませんが、


量子力学の理論化(波動力学・行列力学双方で)はかなり論理的なつきつめによって行われています。

物質の波動性は、光の粒子性から類推をえたド・ブロイが提唱し、
これは電子の回折実験などで確認されました。(これも理論が先ですね)

シュレーディンガーは、このド・ブロイの着想を元に、
解析力学で「ハミルトン・ヤコビの方程式」と呼ばれるものを粒子・波動の2重性を用いて書き換えることで、
シュレーディンガー方程式に到達しています。
ハミルトン・ヤコビの方程式はほとんどの解析力学の教科書でも正準変換とのからみで少し触れられる程度ですが、
これが光の変分原理に基づく波動光学との類推で、力学の変分原理を用いた書き換えの過程で出てきていることは、
「波動」力学が作られる原点としてこれが選ばれたことと関係がありそうです。

量子力学の教科書では、
1)シュレーディンガー方程式が与えられ
2)そののち、波動関数の指数部(eの肩)がハミルトン・ヤコビ方程式を満たすことが示され、
3)それを用いてWKB近似が説明される
という記述が多いと思いますが、理論の展開としては2→1の方向だと思います。

このことは、のちの場の量子論ででてくる「経路積分」や「くりこみ理論」でも重要な意味を持ちます。

こういった量子力学の形成史に興味がおありでしたら、
高林武彦「量子論の発展史」(ちくま学芸文庫)がおすすめですが、残念ながら絶版です。
古本屋サイトやAmazonなどでも検索すると出てくるので、手に入れることはまだ可能だと思いますが、
ぜひ再刊してほしい本の一冊ですね。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。解析力学は基礎だけ勉強したことがあります。やはり量子力学は素人には簡単には理解しにくいですね。教えていただいた本を参考にもう少し勉強してみます。ありがとうございました。

お礼日時:2010/09/17 20:44

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