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千夜一夜物語(アラビアンナイト)を読んでいて「ダイヤモンドを切ることのできる鉛石」という記述を見つけました。この「鉛石」とは何を指しているのでしょうか? ご存知でしたら教えてください。問題の記述部分は次のようなものです。

出典:世界童話体系 第十四巻 (昭和二年発行) 
    亜剌比亜篇 第貳拾章  
     海のエス・スィンディバッドの第二航海 二五頁

「....すると地上は金剛石で出来てゐて、鑛石や珠玉や、また磁器や縞瑪瑙やを人があの金剛石で穴をあけますね。これは、鐵も岩石もその上には何の効果もなく、人も少しもそれを切り取ったり破すことの出来ない位かたい石なのですぜ、尤も鉛石ですれば別ですが。その谷は同じように....」

以上の記述です。もっとも、このあとには象を餌とする巨大なルーク鳥が出てくるので、全部をおとぎ話と言ってしまえばそれまでですが...。なお、この本の冒頭には「エドワード・ヰリアム・レイン英版本を日夏耿之介が国譯」という記載があります。

A 回答 (1件)

原文(レイン版)に当たってみたところ、”鉛石”の部分には"LEAD-STONE"という単語が使われていました。


確かにleadは鉛ですし、stoneは石です。
が、いずれにしろダイヤモンドをどうこうできるはずもなくもう少し調べてみました。

以下が私なりの結論ですが多分に「風が吹けば桶屋が儲かる」式の理屈になっております。ご容赦下さい。

元々は”lead stone”と呼ばれていた(一定方向を指し示すから)ものが後世になるとloadstone(or lodestone)と称されるようになりました。
出典:http://lazygecko.com/minerals/infofiles/minerals …

そして欧州の古い伝説中にadamantというものがあり、何物にも貫かれないものでしばしばダイヤやloadstoneと同一視されました。
出典:http://www.thefreedictionary.com/adamant

さてここからが一番「風が吹けば(以下略」くさい部分です。

ダイヤモンドの加工には「同じ固さである」ダイヤモンド粉などが使われます。おなじ固さのものであれば加工可能ということは上記の「同一視された」loadstone(=leadstone)でも可能である。

ということで「尤も鉛石ですれば別ですが」という表記に至ったのではないか、というわけです。
こう書いていて自分でも「うさんくさい」と思ってしまいますが私にはこれ以上の考察は不可能でした。
いかがでしょうか?
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この回答へのお礼

すばらしい御回答、たいへん参考になりました。いただいた説明は、決して風吹き桶屋のたぐいではなく、伝説物語の記述の解釈として十分に納得できるように思います。ありがとうございました。

お礼日時:2011/03/11 12:24

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