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学生実験でアスピリンを合成し、収率を出す実験を行いました。
合成方法は、濃硫酸を触媒としてサリチル酸を無水酢酸によりアセチル化するというものです。

実験後のレポート課題として、「得られた物質はアスピリンと考えてもよいのか。その純度についての情報はあるか」というものがありました。
この質問は何を私たちに書かせたくてしているものなのでしょうか?
本来アスピリンを合成する実験なのにこういうことを書かせる意図というのは何なのでしょうか?
また、どのようにこの課題を書けば教授の意図に沿ったレポートになるのでしょうか?

回答よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

こんにちは。



非常に良い課題の出し方だと思います。まず、アスピリンというのは医薬品です。もしも貴方が普段使う薬の純度がいい加減で、商品ごとに成分含有量が違っていたりしたら、しかもその中に有害かもしれない成分が入っていたりしたらどう思いますか?

合成実験ということで、化学式だけに目が向けられがちですが、実際に生成物を製品化する際には「精製」というのが非常に重要なポイントとなります。さらに言えば「分析」も重要になりますし、なによりも「医薬品として認められるものなのかどうか」という最大の問題点があります。日本でも諸外国でも、医薬品としての認可を受けるためには多大な費用と時間を要します。ネット検索していただくとその大変さをお分かりいただけると思います。ぜひ調べてみてください。

さて、今回の実験で、貴方は出来たものがアセチルサリチル酸であるとの証拠としてどのような分析をしましたか? その分析では、残っているサリチル酸や無水酢酸、硫酸の量を調べましたか? ほかの副生成物や副反応による生成物は? 仮にアセチルサリチル酸しか検出されなかったとして、その検出方法に問題はありませんか? 検出はされなかったけど、実は問題のある成分が大量に含まれているということはありませんか? そもそも、その分析方法は確かな方法なのですか? 毎回結果が違ったりする方法なんじゃありませんか? で、仮にアセチルサリチル酸だけだったとして、それはアスピリンとして認められるものですか?

これらの質問に完璧に答えられないようでしたら、今回作ったものが医薬品のアスピリンとして認められるはずがないですよね?

分析方法については、医薬品のバリデーションをキーワードに検索してみると、合成実験の現場から製品化への第一歩がどんなものなのかがお分かりいただけると思います。

と、いうような意図を課題を出した人は考えているように思います。
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