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ずいぶん前に、主人のおじいちゃんが近所の人に土地を年に米2俵ということで貸して、何十年とたっています。今は、主人の親と同居していますが、そこの土地も人の土地らしくて、毎年地代を払っている状態で、
昔の家なので、リフォームも必要となってきました。いずれはそこも返さなければならない土地なので、自分の土地に建てたいと思い、貸している人に返還を求めることにしました。その人は、5,6年前によそに家を建て、今は空家で、前住んでいた時の家財道具が入った状態になっているので、使っていないようだったら年内に更地にして返してほしい。自分たちは生活するのに不便なので家を新築したい。と相談しにいったところ、まだ築40年しか経っていないのでユンボで壊すのはもったいない。壊してもいいが、また木材は使えるようにしたい。その木材を保管するところがない。とあらゆる言い訳ばかり言ってきます。その人は他に土地を持ち、保管する場所も十分あります。どのように交渉すればいいでしょうか。

A 回答 (1件)

 建物の所有を目的とする借地の明渡は大変難しいものです。

法律の仕組みは次のようになっています。

 借地の存続期間は,木造建物の場合,当初30年で,その30年を越えて借地を続ける場合には20年とされています。契約でこれよりも短い期間を定めたとしても,この期間に延長されますし,これよりも長い期間を定めると,そちらが優先します。(借地法2条,4条,5条,6条)

 借地を解消できるのは,この契約期間の満了時が原則で,その場合であっても,賃借人から更新の請求があったときは,それから遅滞なく,なかったときも,契約期間満了から遅滞なく「異議」を述べなければならず,かつ,その際には,「自己使用の必要その他正当の事由」があることが必要とされています(借地法4条,6条)。しかも,ここでいう「自己使用の必要」は,相当厳格で,その土地を使用しない限り他に宅地を求められないというほどの厳しい理由が必要とされています。

 もうひとつ,借地を止める理由は,建物の朽廃といわれるものです。すなわち,建物が朽ち果てて建物としての効用を有しなくなったときには,借地権は消滅します(借地法1条)。しかし,裁判所は,建物の朽廃もなかなか認めないというのが実情です。

 これに加えて,借地権には値段というものがあります。一般的には,銀座のような繁華街では,借地権価格は,土地価格の5割を超えているとされていますし,田舎の方でも土地価格の3割くらいはするとされています。この借地権価格というものも,明渡の際のネックになります。

 さて,その上でどう交渉するかですが,建物が40年経つということですから,建物の朽廃による借地権の消滅を交渉材料とすることが考えられます。また,借地契約の存続期間の満了が近いのであれば,自己使用の必要を正当理由として期間満了による契約終了の申し入れをすることも考えられます。

 自己使用の必要性について,相談の事例では,一応借地とはいえ建物があり,直ちに明渡を求められているわけでもなく,リフォームも不可能ではないということになると,自己使用の必要性が認められるかどうかは,大変微妙なところといえます。(借地人がその土地を使う必要がないということは,それほど大きく考慮されることにはなりません。)

 このいずれもができないとなると,合意解約という方向しか仕方がないのですが,その場合には,基本的に建物プラス借地権の買取という方向になってしまいます。実際問題として,これまで受け取った借地料の合計よりも多額の明渡料を支払わなければならないことが,しばしばあるということになってしまいます。

 このように,借地の明渡の交渉は,なかなか切り札になるものがなく,難しいものです。
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この回答へのお礼

解りやすい説明をありがとうございました。
お互い、いやな思いをしないでいい方向へむけばいいのですが…。がんばります。

お礼日時:2003/11/29 15:10

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