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滑車にかかる張力についてお伺いします。

添付の図面をご覧下さい。上段の図において、二つの物体(青)の加速度を求める、という典型的な物理の問題を想定下さい。この場合、「二つの張力Ta, Tbは同じ(Ta = Tb)」として考え、Ma = Ta ….(1)  ma = mg – Tb…(2) と二つの運動方程式を立てて加速度、さらに張力が求まります。

ここで疑問に思いました。

(Q1)これら二つの張力が同じである、ということの、前提条件というか根底は何なのでしょうか。よく、一本の糸だからそれに掛かる力の合力はゼロに
なるのでどこでも張力が等しい、ということを物理の時間に聞いたことがあるのですが、納得しがたくおもっています。と言いますのも、図にありますように、滑車の端部の
糸にもTa、Tbが掛かっているため、糸内では合力はゼロになります。また、他の物理の問題で、添付図の下段のように、滑車の両端の糸に掛かる張力が異なる、という前提条件の問題で、それらの張力を求める、という問題も多々ありますし、むしろ滑車に関わる問題ではそちらの方が主流ではないかと思います。こういった問題を目にして、「どういうことが理由で、滑車の両端の張力が等しい、等しくない、が決まるのか」、を知りたいと思いました(滑車と糸の間の摩擦がゼロ、とか、滑車の質量や慣性モーメントがゼロ、など)。どうかご教示頂ければと思います。

私は滑車と糸の間の摩擦がゼロだと両端の張力が等しい、というように考えているのですが、明確に物理的にしっかりと理由を述べることができずに悩んでおります。

また、ここから新たな疑問となりますが、「糸の間の摩擦がゼロだと両端の張力が等しい」というのは、つまり下段の図で申し上げますと、Tc – Td = f (friction) = 0
ということですが、摩擦がゼロでない場合、Tc = Td = fとして、ここから回転の運動方程式を立てるときに新たな疑問が生じました。

(Q2)
I: 滑車の慣性モーメント
α: 滑車の角加速度
r:滑車の半径
Mf:摩擦によるトルク

としますと、回転の運動方程式は、反時計回りを正とすると、
Iα = rTc – rTd – Mf

となるのでしょうか、

それとも、摩擦によるトルクだけが回転をもたらしていると考え、
Iα = -Mf

でしょうか。

この疑問が生じた理由は、ある滑車に関する問題で、解き方の中に摩擦によるトルクに関する記述はなく、単純に
Iα = rTc – rTd
とされていたからです。

TcとTdが同じでないならば、摩擦があるはずですが、この運動方程式に含まれていません。
なぜなのでしょうか。それとも、、「糸の間の摩擦がゼロだと両端の張力が等しい(摩擦があるからこそ、両端の張力は異なる)」というのは誤りなのでしょうか。

基本的なことと思いますが、物理の問題を解くときに、一体全体、どの問題では、張力はどこも同じと考えるのか、それぞれ異なると考えるのか、どう対処していたらいいのかわからず、困っております。図の上段のような問題は力学の問題でも比較的学び始めの頃に登場し
その際は滑車について触れていないのが、力学の後半になって滑車が登場し、突如張力が両端で異なると、解答で出始めたの
で混乱しております。混乱しているため、整理し切れていない、言葉がおかしい点などあるかと思いますが、もしそのようでしたら、
修正しますので、ご指摘下さいますと幸いです。

どうぞ宜しくお願い致します。

「滑車に掛かる張力(左右の張力は等しい/異」の質問画像

A 回答 (5件)

※ 話が面倒になるので、以下、糸の質量は無視し、糸と滑車は滑らないとします。



>つまり、物理の問題で、「滑車と糸との間には摩擦はないものとする」
>という文言があれば、滑車両端の張力は等しいとして問題を解く

どうもどこかズレているようですが、滑車を考える場合、滑車の機能からして回転しない滑車を考えると言うのはナンセンスです。したがって、滑車と糸との間に摩擦がなければ滑車は回転しないので、「滑車と糸との間には摩擦はないものとする」という文言が入っている出題というのは考えずらいです。(世の中広いので、存在するのかもしれませんが。)このため、普通の出題であれば、滑車の運動を無視するために「軽い滑車」とか「滑車の質量を無視する」などと書いてあるはずです。

さて問題はここからですが、以下ではつりあっている場合を除き、滑車と重りが運動している場合だけに話を限ります。

滑車と糸の間に静止摩擦が働いていると、この静止摩擦は滑車を回転させる仕事をして滑車の角速度をあげ、エネルギーを滑車に与えます。ところが、滑車の慣性モーメントが0であるとすると、いくら回転速度をあげても回転の運動エネルギーは0のままですから、結局は静止摩擦力は仕事をしない、つまりは、滑車と糸の間の静止摩擦力は0であるという結論になってしまいます。しかし摩擦力が0では滑車は回りません。これは妙ですね。

なので、この場合、慣性モーメントが厳密に0と考えてはいけないのです。慣性モーメントは非常に小さい値で、ごくわずかの摩擦力が滑車と糸の間に働いている。それでも慣性モーメントが非常に小さいために、ごくわずかの摩擦力でも有限の大きさの角速度が得られている、ということです。この場合、糸の張力も左右でごくわずか異なっています。

しかしながら、これらの量がごくごく小さい値のものであれば、0と近似しても大過ないでしょう。こう考えて解いているのが「軽い滑車」とか「滑車の質量を無視する」という問題で、結果として出てくる両側の糸の張力が等しいとか、左右の重りだけで力学的エネルギーが保存するとかいうのは、これらの微少量を除いた近似の結果です。

発端になったのはこのQAのようですが、

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/7353908.html

ここでは質量を無視した滑車で重りだけでは力学的エネルギーが保存しないので摩擦だということになっています。しかし、滑車と糸の静止摩擦の場合、その仕事は滑車の回転の運動エネルギーに転換されるだけなので、慣性モーメントが無視されるこの場合は不適当です。この場合の考えうる摩擦は、糸が滑ることによって生じる動摩擦か、軸の回転に伴う摩擦です。
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 うー、こないだ寝ぼけて慣性モーメント0の滑車で左右で張力違うって回答書いた覚えが。

何を考えてたか分からない……ことはなく慣性モーメントありと間違えたですう。orz

 慣性モーメントなしがこんな感じです。お示しの水平とちょっと違うんですが、基本で扱われるタイプです。よく考えたら、定性的にも当たり前でした。たとえば左右の重り、片方をどんどん質量0に近づけて行くと、重い方がどんどん自由落下に近づき、当然ですが張力は左右とも0に近づいて行きます。

http://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/3-3-0-0/3-3- …

 滑車に慣性モーメントがあるとこうですね。

http://cat2.edu.kagoshima-u.ac.jp/Text/public/ph …

 滑車に慣性モーメントがあるため、滑車に加速度を与えるのに力が要るので、そこで張力に差が出るということですね。

 また、この問題では重りであることが重要ですね。

 たとえば手で引っ張って左右の張力を与えているとすると、それは一定の力なので、重りの重力加速度による落下と異なってきますね。
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この回答へのお礼

いつも回答下さりありがとう御座います。
勉強になります。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

お礼日時:2012/04/25 01:08

(1) Ta = Tb ということは、ロープの質量が十分に小さく


滑車の質量も無視できるということですね。

(2) 滑車にかかる力はロープから滑車への静止摩擦だけなので
  運動方程式は

Iα = Mf

です。

ロープの質量が十分に小さいとすると、ロープに
かかる外力と摩擦は釣り合わなければならないので

Tc – Td = Mf/r

つまり、

rTc – rTd = Mf

なので

Iα = rTc – rTd

でよいことになります。


言い方を変えれば、滑車とロープは滑らずに
くっついているので、その瞬間は一体のものと考えて
計算してもよいということえす。
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この回答へのお礼

ありがとう御座いました。お礼が遅れまして失礼しました。

お礼日時:2012/04/25 01:08

(Q1)


・(糸の接戦方向の)力が張力以外に働いていない
・糸の質量がゼロor糸が加速していない
の辺りが満たされていれば張力はどこでも等しくなります。

糸の運動方程式(釣合の式)を考えるだけです。

(Q2)
滑車が受ける力は糸との間の摩擦だけですから、物理的に正しいのは
>Iα = -Mf
が正しいです。

糸の釣合の式から右辺は rTc – rTdに等しい事が言えるので、
>Iα = rTc – rTd
も成り立ちます。
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この回答へのお礼

ありがとう御座いました。回答下さり助かりました。
お礼が遅れまして失礼しました。

お礼日時:2012/04/25 01:07

ご自身で書いている



>Iα = rTc – rTd

が答えです。
慣性モーメントIが0であればTcとTdが等しく、それ以外は異なります。
それは詰まる所、滑車の質量を無視することにほかなりません。
慣性モーメントを扱わない高校物理ではこのような扱いをしかできませんが、
大学以降では両方の張力が等しいという前提は忘れてしまってかまいません。

>Iα = rTc – rTd – Mf

そもそも、滑車は糸の張力で回っているわけではありません。
滑車は糸と滑車の間の摩擦力を受けて回っているのであって、張力は回転に寄与していません。
ですが、ちゃんと計算をすると、糸と滑車が接触している部分の摩擦力の合計は両側の糸の張力に差に等しいという事が導けるので、回転の運動方程式は摩擦力ではなく糸の張力でかきます。取り扱いが楽ですからね。
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この回答へのお礼

hitokotonusi様、
お礼が遅くなりまして申し訳御座いません。いつもご説明頂きありがとう御座います。

頂いた回答から理解できたと考えておりますが、次の私の理解をご確認・添削頂けないでしょうか。再度のお願いで申し訳御座いませんが、よろしくお願い致します。

(1)滑車の両端の張力TcとTdがが同じになるのは、滑車と糸の間に摩擦が無い場合
(2)滑車に慣性モーメントがない(無視する)場合でも、摩擦がある場合は、張力は異なる

つまり、物理の問題で、「滑車と糸との間には摩擦はないものとする」という文言があれば、滑車両端の張力は等しいとして問題を解く

一方で、「滑車の質量は無視する」という文言があっても、摩擦がある(可能性がある)ので、滑車両端の張力は等しくはない。


いかがでしょうか、どうぞよろしくお願い申し上げます。

お礼日時:2012/04/22 18:15

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