土地取引の瑕疵担保責任により、両親が損害賠償400万円を支払わないといけない
可能性があります。契約を白紙解除にできるよい方法はないでしょうか?
経緯は次の通りです。
1先月両親が土地売却の契約をしました。
2その土地は、古くから持っている土地で、昔は田でしたが、
昭和40年ごろに、借地とし、借地人がその土地に工場を建てていました。
3借地関係が終了しました10年前に、借地人から買い取り請求を受け、
上に建っていた工場を買い取り今に至ります。
4解体更地渡しの契約でしたので、契約終了と同時に解体に着手しました。
5解体してみると、18本の地盤補強のためのパイルが地表から1mのところから
3.6m埋まっていることがわかりました。
6そのうち9本は撤去したのですが、東西両サイドの9本が撤去できませんでした。
7理由は、両サイドともに建物があっており、東側は、隣地ブロック塀の下に一部がもぐりこむ
ような形で、旧建物の基礎の残骸があり、その下にパイルが一部かかっていること、
(隣地にまたがって、基礎があったようです。借地人は東側隣地も一緒に借りていたので
私の両親の土地からはみ出して建築していたようです。解体してみて、はじめてわかりました)
西側も、隣地のブロック塀に接近しすぎており、無理に撤去すると隣地ブロック塀を破壊する
恐れがあることがあります。
8ここまで、解体に200万円、パイルを撤去するのに100万円の費用をかけております。
東西両サイドのパイルも撤去可能であれば、撤去する予定でしたが、
掘ってみた結果現状では撤去不可能という結論に至りました。
9買主さん(建売業者)にその件仲介業者さんを通して報告したところ、
瑕疵担保責任の違約になる、という見解でした。
10ブロック塀を壊して、パイルを撤去してもう1度ブロック塀をこちらの費用で作りなおしては?
という提案を受けましたが、費用がどれくらいかかるかも、ブロック塀を壊して作り直す
同意が得られるかも、壊したら、確実に撤去できるかもわかりません。
こちらとしては、できる限りのことを誠意をもってやってきたのですが、
契約書の条文に地中埋設物等に撤去ができなければ違約金が発生するとあれば、
それは逃れることができないのでしょうか?
原始的不能とまでは言えないかとは思いますが、
両親も全く知らなかったことであり、事実上解決することが困難なことであり、
原始的不能に準じて考え、契約を無効とすることは不可能なのでしょうか?
違約金をと言われても、解体・撤去費用にすでに300万円を使い、
これ以上費用は用意できません。
なんとか知恵をお借りできないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
A 回答 (2件)
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No.1
- 回答日時:
瑕疵担保責任は、民法で定められているものが適用されるのが原則ですが、例外として両当事者の合意により民法とは異なる特別の瑕疵担保責任を定めることができます。
こちらの件では、どちらの瑕疵担保なのかわかりかねますが、可能な限りお答えします。
・原始的不能か
費用が莫大にかかるなどの自体が認められれば、原始的不能に準じて契約を無効にできる可能性があります。
もっとも、契約をする前に容易に調査すればわかるような欠陥であった場合には、状況により無効にできなかったり、信義則上の損害賠償義務を負う可能性があります。
・その他の無効主張方法
錯誤無効(民法95条)を主張することが考えられます。
ただ、但書より、重過失がないことが必要なので、結果的に上記の議論と同様になることでしょう。
民法562条1項の類推適用も考えられるでしょう(私見)。
ありがとうございます。
少し光が見えたような気がします。ちなみに、補足をしますと、問題となる契約書の条文は次のとおりです。
第11条 瑕疵担保責任
売主は、買主に対し、本物件に地中埋設物・越境物等の隠れたる瑕疵、道路・擁壁等の瑕疵、
前面道路を含む権利に関する瑕疵、その他の瑕疵が確認された場合、本物件の引渡し日から
表記瑕疵担保責任期間内に請求を受けたものに限り瑕疵担保責任を負うものとし、
万一、上記瑕疵が確認された場合、売主の責任と負担において速やかに撤去(修補を含む)または
解決するものとします。ただし、買主は、上記瑕疵により、
契約を締結した目的を達成できない場合、本契約を解除できるものとし、
売主は、買主に対し、表記違約金を支払い、買主に違約金を超える損害が生じた場合、その損害を
速やかに支払うものとします。
2.本契約締結後に、前項の瑕疵が確認された場合、売主の責任と負担において、
残代金支払いの時までに撤去(修補を含む)または解決するものとし、残代金支払い日を最長30日間
延長できるものとします。ただし、買主は、上記瑕疵により、契約を締結した目的を達成できない場合、
もしくは売主が上記延長期間内に撤去(修補を含む)または解決しない場合、
本契約を解除できるものとし、売主は、買主に対し、表記違約金を支払い、
買主に違約金を超える損害が生じた場合、その損害を速やかに支払うものとします。
第12条 越境物
売主は、本物件について、表記越境物除去期日までに一切の越境物を除去するものとします。
ただし、売主の責めに帰すことのできない事由により、表記越境物除去期日までに売主が
越境物を除去できない場合、売主、買主は協議のうえ、互いに本契約を解除できるものとし、
その相手方に対し、違約金または損害賠償の請求はできないものとします。
なお、上記越境物により、本契約が解除された場合、売主は、買主に対し、
受領済みの金員を無利息にて速やかに返還するものとします。
買主は11条の違約を主張しています。
たしかに、パイルは地中埋設物ですので、11条も当てはまりそうには思います。
ただ、地中に越境物もあり、それが隣地のどこまで越境しているかも
当時の図面はなく、隣地ブロック塀等を壊してみないとわからない以上、
容易に壊すこともできません。
費用もこれまでに、解体費・除去できるパイルの除去費用に300万円かけています。
隣地に与える影響、東西両隣りのブロック塀撤去、パイル・越境物撤去、
ブロック塀再構築の費用、どこまで越境しているのかわからないリスクを考えると
お金を出せば解決できる問題でもないかもしれません。
私たちとしては、12条で穏便に解決したいと思っているのです。
隣地への越境など、建物を解体するまでは全くわからなかったことです。
完全に基礎コンクリートに地面がおおわれていた状態から
コンクリートを撤去し、穴を掘ってみて、はじめて東側隣地までコンクリート・パイルが
入っていることがわかったのです。
隣地は、某建売業者が建築したのですが、コンクリートの上に、ブロック塀を設置するなど
確信犯的なところもあり、恨めしい限りですが、今更どうしようもありません。
建物自体も両親が建てたものでもなく、借地人が借地を返還する際に
それらの説明もなく、図面もなく買い取り請求してきたものに、応じざるを得ず、
買い取ったものです。
仲介業者さんは、だまって支払う必要はない、こちらも受けて立つとはおっしゃっています。
サポートもしてくださるそうです。
ただ、両親も高齢ですし、やはり穏便に済ませられることを願うばかりです。
こちらとしては、今後とるべき策はどんなものがあるでしょうか?
No.2
- 回答日時:
●私たちとしては、12条で穏便に解決したいと思っているのです。
○一般的に「責めに帰すことのできない事由」とは自然災害や急激な経済状況の変動、売主の死亡、病気などであって本件のような案件には適用されないものかと思われます。
No.1の回答で指摘されているように撤去できない埋設物が「契約をする前に容易に調査すればわかるような事項」であったかどうかによるでしょう。
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