No.11ベストアンサー
- 回答日時:
(ここから本題)
次に、変換行列を求める。
P の第 j 列を p_j と置き、高次の Jordan胞に対応する
p_j から順に求めてゆく。
(今回は、J(3,2) に対応する p_1, p_2, p_3 から。)
PJ = AP を睨んで、
A p_1 = 2 p_1,
A p_2 = 2 p_2 + p_1,
A p_3 = 2 p_3 + p_2
を解くのだが、(前の話題の如く、)
p_1 から求めるよりも、p_3 から求めたほうが楽と思う。
(A-2E)^3 p_3 = 0 から解いてゆくことになるが、
Ker (A-2E)^3 は全空間なので、これは解くまでもない。
ただし、p_1 ≠ 0 でなくはならないので、
Ker (A-2E)^3 の基底の中から、(A-2E)^2 p_3 ≠ 0 であるものを選ぶ。
Ker (A-2E)^3 の基底として標準基底をとり、基底ベクトルを順に試す。
すると、(1,0,0,0,0)^t, (0,1,0,0,0)^t はダメで、( ^t は転置を表す。)
p_3 = (0,0,1,0,0)^t なら (A-2E)^2 p_3 ≠ 0 になることが見つかる。
一個見つかれば十分なのだが、(0,0,0,1,0)^t, (0,1,0,0,1)^t や
それらの一次結合も p_3 として使える。(そこまで調べる必要もないが。)
p_3 を決めれば、後は、先の方程式により、
p_2 = (A-2E) p_3,
p_1 = (A-2E) p_2
から p_1, p_2 が決まる。
p_2 = (1,-2,-2,-2,-4)^t,
p_1 = (1,-1,1,1,2)^t
となる。
J(2,2) に対する p_4, p_5 も、
A p_4 = 2 p_4,
A p_5 = 2 p_5 + p_4
を解いて p_5 から決めてゆけばよい。
ここでも、p_4 ≠ 0 に注意して、(A-2E) p_5 ≠ 0 であるものを選ぶ。
また、{ p_2, p_5 } が一次独立であるように選ぶ必要がある。
(A-2E)^2 x = 0 を掃き出し法で解くと、Ker (A-2E)^2 の基底として
{ (1,0,0,0,0)^t, (0,1,0,0,0)^t, (0,0,1,0,1)^t, (0,0,0,1,1)^t } が見つかる。
順に (A-2E) x ≠ 0 かどうか試すと、今回は四本とも ok である。
(もとの A によっては、ここでダメなベクトルが出る可能性がある。)
ok なベクトルの中から、p_2 と独立なものを J(2,2) の個数だけ選べばよい。
p_5 = (1,0,0,0,0)^t を選ぶことにする。(これも、他のベクトルでもよい。)
p_5 を決めれば、後は
p_4 = (A-2E) p_5 によって p_4 が決まる。
p_4 = (-1,1,-1,-1,-2) となる。
以上より、P の一例として、
P =
1 1 0 -1 1
-1 -2 0 1 0
1 -2 1 -1 0
1 -2 0 -1 0
2 -4 0 -2 0
が見つかった。
---------------------------------------------------------------------
各 Jordan胞に対応する P の列の中で右端のもの( 今回の p_3, p_5 )
を決めるとき自由度があるために、変換行列 P は無数にあります。
一例求めれば、用は足りるのですが。
No.10
- 回答日時:
固有値 s とその重複度 r の各組について、以下の操作を行う。
( 今回は、(s,r) = (2,5) の一組だけである。)
まず、(A-sE)^k, k=1,2,…,r を計算し、
各 dim Ker (A-sE)^k を求める。
A-2E =
-1 -1 1 1 -1
1 1 -2 -2 2
-1 -1 -2 0 1
-1 -1 -2 0 1
-2 -2 -4 0 2
第 3 行で第 1 列を掃き出す。
第 1 行で第 4 列を掃き出す。
0 0 3 1 -2
0 0 2 0 -1
-1 -1 -2 0 1
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
rank (A-2E) = 3 より、dim Ker (A-2E) = 2。
(A-2E)^2 =
0 0 1 1 -1
0 0 -1 -1 1
0 0 1 1 -1
0 0 1 1 -1
0 0 2 2 -2
第 1 行で第 3 列を掃き出す。
0 0 1 1 -1
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
rank (A-2E)^2 = 1 より、dim Ker (A-2E)^2 = 4。
(A-2E)^3 =
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
rank (A-2E)^3 = 0 より、dim Ker (A-2E)^3 = 5。
k≧4 は、(A-2E)^k = O なので、省略。
dim Ker (A-sE)^k - dim Ker (A-sE)^(k-1) が
k 次以上の Jordan胞の個数を表すから、
今回の場合…
1 次以上の Jordan胞 2-0 個、
2 次以上の Jordan胞 4-2 個、
3 次以上の Jordan胞 5-4 個、
4 次以上の Jordan胞 5-5 個。
よって、J ~ J(3,2) + J(2,2) と判る。
-------------------------------------------------------------
ここで求めた各 (A-sE)^k は、以下でも使います。
(まだ続く)
No.9
- 回答日時:
話がゴチャゴチャしてきたので、解法の確認を兼ねて
通しで計算してみました。
A =
1 -1 1 1 -1
1 3 -2 -2 2
-1 -1 0 0 1
-1 -1 -2 2 1
-2 -2 -4 0 4
行列 A の Jordan標準形を求めます。
変換行列 P ( J = (P^-1)AP が Jordan形となる P のこと)も。
---------------------------------------------------------------------
最初に、A の固有値を求める。(単位行列を E とする。)
det (A-sE) を計算し、s の方程式 det (A-sE) = 0 を解く。
行列 A-sE に対して…
第 5 行から第 4 行×2 を引く。
第 4 列に第 5 列×2 を足す。
第 5 行で余因子展開する。
第 4 行から第 3 行を引く。
第 3 列に第 4 列を足す。
第 4 行で余因子展開する。
第 3 列で余因子展開する。
以上の操作で、det (A-sE) = (2-s)^5 と判る。
A の固有値は、s = 2 が 5 重根である。
(続く)
No.8
- 回答日時:
ごめん。
検算は、してません。p3 は、p1 が 0 にならないもの
を選べば十分なはずだけど。
この回答への補足
確認ですが、
J=J(2,3)+J(2,2)
つまり、
[2 1 0 0 0]
[0 2 1 0 0]
[0 0 2 0 0]
[0 0 0 2 1]
[0 0 0 0 2]
という形に変換したかったら、
P=
[p1 p2 p3 q1 q2]
とすると、
最初にp3を適当に定めて、
p2=(A-2E)p3
p1=(A-2E)^2•p3
(p1≠0にならないように)
決めれば、p3は何でもいいんですよね。
なぜなら、任意のp3に対して、常に
(A-2E)^3•p3=0が成り立つから。
ところがq1とq2は、
(A-2E)q1=0
(A-2E)q2=q1
を満たしてなければいけないから、
最初にq2を適当に選んでも、
(A-2E)^2•q2=0になるとは限らないから、
順序としては、
(A-2E)^2•q2=0という条件でq2を選らんでから
q1=(A-2E)q2を計算するというやり方で間違いないでしょうか?
p1とq1は、
No.7
- 回答日時:
NO.6の補足のPでP^-1APをmaximaで計算してみたがどちらのPを使ってもP^-1AP=Jとなっている.
No.6
- 回答日時:
その手順は、貴方の以前の質問に回答した後、
反省して訂正したと思うけど…
(A No.5 の文面は、読みました?)
p1 から先にて決めてしまうと、一次方程式
(A-2E)p2=p1 や (A-2E)p3=p2 が解なしのとき、
さかのぼって p1 から決め直さねばならず、
そこの処理が大変な手間です。
(できないこともないが、作業量がメチャ多い。)
むしろ (A-2E)^3 p3 = 0 を解いて p3 を決め、
p2 = (A-2E)p3, p1 = (A-2E)p2 と構成
したほうが、一本道で簡単です。
J(2,2) についても、まず (A-2E)^2 q2 = 0 を
解いて q2 を決め、q1 = (A-2E)q2 とします。
q2 を決めるとき、先に得られている p2 を用いて、
{ p2, q2 } が Ker(A-2E)^2 の基底になる
ように q2 を選ぶのですが、一次方程式
(A-2E)^2 x = 0 を普通に解くと、
p2 との関係が不明な基底 { u,v } が得られるので、
{ u,v } と p2 から q2 を構成する手順が要ります。
この回答への補足
やっぱりそうですね。実際に以下のようにやったら、途中で挫折しました。
Ker(A-2E)=
{t(1,-1,0,0,0)+s(0,0,1,1,2)|t,s,∈R}
だったので、
p1=(0,0,1,1,2)
q1=(1,-1,0,0,0)
として、p2、p3を求めようとしても上手く定まりませんでした。
そこで、p3=(1,0,1,0,0,)と決めて、
p2=(A-2E)p3=(0,-1,-3,-3,-6)
p1=(A-2E)^2•p3=(1,-1,1,1,2)
q2=(1,-2,1,0,1)
q1=(A-2E)q2=(1,-1,0,0,0)
すなわち、
P=
1 0 1 1 1
-1 -1 0 -1 -2
1 -3 1 0 1
1 -3 0 0 0
2 -6 0 0 1
です。
P^(-1)APを計算しましたが、ジョルダン標準形にならず。
どこに不備があるのでしょうか?
また、
p3=(0,0,1,0,0)
q2=(0,0,0,1,1)
として、
p2=(A-2E)p3=(1,-2,-2,-2,-4)
p1=(A-2E)p2=(1,-1,1,1,2)
q2=(A-2E)q1=(0,0,1 ,1,2)
として
P=(p1,p2,p3,q1,q2)=
1 1 0 0 0
-1 -2 0 0 0
1 -2 1 1 0
1 -2 0 1 1
2 -4 0 2 1
と定め、
P^(-1)APを計算させたけど、ジョルダン標準形に変換できず。
計算ミスかと思い何度かやってみたけどダメでした。
申し訳ないですが、正しいPの一例を示してもらえますか?
No.5
- 回答日時:
A No.1 の単なる焼き直しかも知れませんが…
まず、ジョルダン胞の構成を探ることから始める。
2 以外の固有値が無いから (A-2I)^5 = O は当然として、
(A-2I)^2, (A-2I)^3, (A-2I)^4 を順に計算してみると、
rank(A-2I)^4 = 0, rank(A-2I)^3 = 1, rank(A-2I)^2 = 3
となっている。ここから J ~ J(2,3) + J(2,2) が判る。
一次方程式 (A-2I)^3 x = 0 を解いて解を x = a とし、
a' = (A-2I)a, a'' = (A-2I)a' と置くと、
a'' a' a が、この順に、P の J(2,3) に対応する列になる。
次に (A-2I)^2 x = 0 を解いて解空間の一組の基底 { u,v } を得、
u, v から a' 成分を除去する。u - {(u,a')/(a',a')}a' とか。
今回は、加工した二個のベクトルが平行になるが、一般には、
加工後のベクトルから一次独立なものを拾い出して、複数の b とする。
b' = (A-2I)b と置くと、
b' b が、この順に、P の J(2,2) に対応する列になる。
同じ固有値に属するジョルダン胞が、もっと多くの種類あっても、
同様に、次数の大きいジョルダン胞に対する P の列から順に決めて、
Ker(A-λI)^k の基底を、先に判っているものを避けて選んでゆけばいい。
この回答への補足
Aのジョルダン標準形の(k次以上の)ジョルダン細胞数だから
rank(A-2E)=3により
dim(Im(A-2E))=3
次元定理より、
dim(Ker(A-2E))=5-3=2
ジョルダン細胞は2個
また、(A-2E)^3=0
だから、最小多項式の次数は3で、ジョルダン細胞の最高次数も3なので、
Aのジョルダン標準形Jは次数の高い方から並べて、
J=
[2 1 0 0 0]
[0 2 1 0 0]
[0 0 2 0 0]
[0 0 0 2 1]
[0 0 0 0 2]
P=
[p1 p2 p3 q1 q2]
とすると、
(A-2E)p1=0
(A-2E)p2=p1
(A-2E)p3=p2
(A-2E)q1=0
(A-2E)q2=q1
となるように選ぶ。
p1とq1は、
Ker(A-2E)の基底ベクトルを選ぶ。
このやり方でいいのでしょうか?
No.4
- 回答日時:
NO.2さんのように固有値から始める方法の場合には、この場合は知りませんが一般的には任意の独立な固有値のセットをとってもできる確率は極めて低いので固有値の選定方法も合わせて提供しなければなりません.ジョルダンの標準形のジョルダン細胞の次数が1種類のときには任意の固有ベクトルのセットから始めることはできます.
を修正:固有値→固有ベクトル
NO.2さんのように固有ベクトルから始める方法の場合には、この場合は知りませんが一般的には任意の独立な固有ベクトルのセットをとってもできる確率はほぼ0なので固有ベクトルの選定方法も合わせて提供しなければなりません.ジョルダンの標準形の同一固有値のジョルダン細胞の次数が1種類のときには任意の固有ベクトルのセットから始めることはできます.
例えば
(a)
( 1 1 1 )
( -3 5 3 )
( 2 -2 0 )
(b)
( 3 2 -2 -1 )
( -1 0 2 1 )
( -2 -4 6 2 )
( 3 6 -6 -1 )
(c)
( -3 0 2 1 )
( 4 -1 -4 -2 )
( 2 0 -3 -1 )
( -7 1 7 3 )
を固有ベクトルから変換行列を求めてみてください.
a
--1...1....1
-3...0...1
2..0...0
b
1...1...-2...1
-1...0...1...0
-2...0...0...0
3...0...0...1
c
1..,0...0...0
-2..0...1...1
-1...0...0...1
4...1...0...-2
になります。
No.3
- 回答日時:
NO.2さんのように固有値から始める方法の場合には、この場合は知りませんが一般的には任意の独立な固有値のセットをとってもできる確率
は極めて低いので固有値の選定方法も合わせて提供しなければなりません.ジョルダンの標準形のジョルダン細胞の次数が1種類のときには任意の固有ベクトルのセットから始めることはできます.お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
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