No.4ベストアンサー
- 回答日時:
以前、何度か選考の手伝いをしたことがあります。
意外に思われるかもしれませんが、「死をテーマにした作品」の応募は、実際、かなり多いのです。というのも、「死」はそれ自体で十分にドラマ性があり、あらかじめクライマックスが決まっているわけですから、物語も作りやすいからです。
ところが、そういう作品の多くは、一次選考を通過できません。それは、「子供に夢を与えるものでない」からではなくて、そのレベルに到達していないという理由からです。わたしも「死というドラマ」に寄りかかって、安易な物語の展開や定型的な登場人物に終始している作品を、いくつも見てきました。
「死をテーマにした作品」が、低学年向けではないかというと、そんなことはありません。
たとえば「無垢な動物の死」というと、『ごんぎつね』や『かわいそうなぞう』があるし、「身近な動物の死」となると、『スーホの白い馬』や『ずーっとずっとだいすきだよ』があるし、「家族の死」となると『いつでも会える』や『100万回生きたねこ』があるし、「死にゆく者からのメッセージ」では、『忘れられないおくりもの』があるし、自己犠牲の死なら『幸福な王子』…と、名作はいくらでもあります。
ただ、こうした作品は、たとえば冒険物語のように同種のものをつぎつぎ読みたい、というものではない。一冊を大切に、くり返し読みたい種類の本です。ですので、求められる作品も、どうしてもハードルが高くなります。
それでも、自分にはどうしても書かなければならない、という強い気持ちがあるのでしたら、ぜひ、それを作品化してみてください。自分にしか書けないものを求めて、素手で地面を掘るように自分の中へ降りていき、そうやって掘り起こした作品は、きっと読み手にも伝わるはずです。
参考になれば。
回答ありがとうございます
すごく意外でした
てっきりハッピーエンドで終わるものが多いかと思っていましたので…
私の文章力で死をテーマにするのは無謀かもしれませんが書いてみます
たいへん参考になりました
No.2
- 回答日時:
私は、基本的には、小学校1,2年生でも、死をテーマにした童話なり、児童文学なりがあってよいと考えています。
問題は、その内容ではありますが。日本の童話・児童文学は、いわゆる「ハッピーエンド」で終るという伝統というか、考え方というかがあります。ましてや、死を扱うなどとんでもないーーという感覚があるように思います。もちろん、「ビルマの竪琴」(これを単純に児童文学作品としていいかどうかーーとにかく子供が主人公でないのでーーしかし、一般には児童文学とされている)のように、戦争後、戦争で死んだ方々のことを考えていく作品もありますが。
しかし、欧米は違います。たとえば、3匹の子ぶたの話。狼がきて家を壊し、豚が「食べられてしまう」、つまり殺されるのが、欧米です。しかし、あまりに残酷だということで、日本では子ぶたがいつのまにか、逃げて別の兄弟の家へ行くことになります。日本の文化にあうように話が作り替えられてしまったのです。
けれども、それは欧米からすると、子ぶたは死ななければなりません。
ワラの家、木の家、石の家。これは、子供の成長過程を表し、ワラのようなところを克服して成長し、木の家も克服し、最終的に、石の家でしっかりとした自分を確立する、というのがお話なのです。それを殺さないで、幼い自分を引きずっていてはならないのにーー日本人はわかっていないーーということになります。
つまり、自己形成という感覚がないのが日本なのです。
こういうお話は、やはり子ぶたを殺すべきだと思うのです。同様に、死を取り扱うのも、無残な死の描写はショッキングですが、扱い方によっては、死というのは、小学校低学年の子供にとっても有益なものとなりうるーーと思います。要は扱い方だと思います。
回答ありがとうございます
欧米バージョンの3匹子ぶたを小学生で読んだことがあります
ショッキングでしたが死について、よく考えました
今読むとまた死と言うのを違う角度で考えさせられますね
No.1
- 回答日時:
こんばんは、夜分に失礼します。
僕は本好きなおっさんです。そして物語も大好きです。「死」と直接的に言ってしまうと、何か辛くて冷たい様な印象が確かにありますよね?
でも、その「死という言葉」を使わなくとも別な言い方で、幼い子ども達に「死の意味」を伝えることは可能とも僕は思います。例えばこんな書き方もあるでしょう。
『大好きな人』
人にはそれぞれに「大好きな人」がいて、その人のためならば何でもやってあげたいと思っています。
ある日、その人が君に何も言わずに何処かに行ってしまったとしても、それは君のことが嫌いになったわけでもありません。
その人には一つの約束がありました。その日が来たら、みんなとお別れしなければならないとのとても辛い約束でした。
「僕がいなくなったら、悲しむ人がいるだろうな。でもその人のことを好きだから、いなくなるなんていえないしな………。」その人は君のことが大好きだったので、君の悲しむ顔を見たくはなかったのです。
約束の日が訪れました。星のきれいな夜でした。月もきれいな三日月でした。ベッドですやすやと眠っているきみの横顔を見て、僕は一言「ありがとう」とだけ言い、部屋を出ました。
その翌日、君は一通の手紙を見つけました。短い手紙でした。
「大好きな人へ 僕には約束したことと約束されたことの二つがありました。大好きな人がいてその人を悲しませたくないこと。そしてもう一つは他の誰もと同じ様に約束された時間を守らねばならないことです。約束された時間の訪れは少しばかり前にわかった話でした。でもそれを君に話すと、君が悲しむから僕は話さなかったのです。君がこの手紙を読み時に、僕はもう遠い所へと旅立っています。でもそれはお別れではありません、星のきれいな夜になったら少しだけ夜空を見上げてもらえれば、僕もどこかでその星空を見ているかもしれません」
定められた時間をどう生きるかとの深刻な問題に年齢は関係ないでしょう。一緒に暮らしていた猫や犬が寿命を迎えた時に看取らせることも大切な教育と僕は思います。「死という言葉」や「死」そのものを表面に出さずとも「死によってわかること」「かけがえのないものや時間」といった切り口で伝える事もでき、大人が子どもに対して果たすべき大きな仕事と僕は考えます。少しセンチメンタルになってしまいました、ごめんなさい。
回答ありがとうございます
物語り(例文?)まで書いていただいたので分かりやすかったです
死とは、直接書かないで違う表現を考えています
でもオブラートに包まず、かつ分かりやすい表現を模索中です
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