No.4ベストアンサー
- 回答日時:
聖書のヨハネの福音書だけを読んでみれば(それでもいろんな解釈があるのですが)、
「イエスは殺されたのではない、自らの意思で引き取ったのだ」というのがまず重要なので、決して”刺し殺した”のではないのです。
彼は十字架の上で「終わった。」と言って、自分で、息を引き取るのです。
で、十字架から死体を下ろすために兵士たちがやってきたところ、
イエスと同時に十字架にかけられ処刑された他の罪人たちはまだ死んでいなかった、そこで兵士は彼らの脛を折った(こうすると早く死ぬらしい)。
イエスだけはもう死んでいたので、脛は折らなかった。しかしひとりの兵士が、槍でわきを突き刺した。そして血と水が流れた。。。てなことをヨハネは書いてます。
(この兵士の目が見えなかった、病気だった、とは一切書いていない。)
…なぜ既に死んでいるのにあえて刺したのか?
これをヨハネは、旧約聖書に記された
「神に捧げる生贄の骨は一つも砕いてはならない」
「彼らは自分が刺し通した者を見るだろう、そしてその者のために嘆き悲しむだろう」
というふたつの預言が成就されるためだった、と言います。
つまり、骨を折らなかったのも、あえて刺したのも、兵士の意思がそうさせたのではない、先に預言があったからだ、というのです。
そして、「刺した者は悲しむ」と預言されているくらいだから、きっと悔い改めるだろう、と言いたいのだと思います。
結局、ヨハネがこう書いたことで、この兵士は非常に重要な役割を果たしたことになったので、
悔い改めたんだって?目が悪かったんだって?イエスの血を拭った布で治ったんだって?
と様々な説が生まれ、聖書ではただの「兵士」だったのが、名前を持つ男になっていったのでは。
聖書に書かれていることも伝説みたいなものですから、何を事実と考えても、事実と考えなくても、いいと思います、、、
ありがとうございます。
旧訳聖書の予言と結びついたものだったのですか。
伝説の根源が判明してすっきりした気分です。
それにしても「「神に捧げる生贄の骨は一つも砕いてはならない」だなんて、まるでイエスが生贄のようです。
No.5
- 回答日時:
#4です。
補足します。>まるでイエスが生贄のようです。
その通りです、それで良いのです。
生贄というのは、”罪の無いもの”を神に捧げて、ひとが神に許しや恵みを乞うものですから、イエスは”罪の無いもの”でなくてはならないのです。
ヨハネってのはイエスこそ神がこの世に使わした真実の救世主である、ということを信じ、それを伝道していく使徒のひとりですから、
罪人として十字架に架けられたが、本当は罪人ではない、ということをヨハネは強調したい、だから生贄と結びつけたのだと思います。
新約聖書は、あくまで彼を救世主と信じる者たちが書いたものですから、彼ら独自の解釈と論理がいっぱいあるわけです。
旧約聖書が記された時代にイエスはいませんから、旧約聖書の預言を結びつける考え方は、強引すぎるともとれます。
しかしそういった解釈を差し挟みつつ「信じなさい」と言うことこそが「信仰」ってものか、とも思います。
当然、信仰とは離れた立場で史実を記したものや、物語として書かれたものも数々残るはずで、それが例えば#2の方がご紹介されているような話かと思います。
ニコデモ福音書ってのは読んだことありませんでした、ニコデモはユダヤ教の指導者で、数少ないイエスを信じる者のひとりだったようですね。たいへん興味を持ちました。もっと勉強いたします、、、
ありがとうございます。
>生贄というのは、”罪の無いもの”を神に捧げて、ひとが神に許しや恵みを乞うものですから、イエスは”罪の無いもの”でなくてはならないのです。
普通に考えれば刑事罰で処刑されただけなのですが、宗教的にはそんな意味があったのですか。
子供の頃は、イエスは復活できる能力があるのにわざわざ十字架にかかって悲壮な顔をしている偽善者に見えて好きになれませんでした。
宗派によっても解釈がいろいろとあるようですね。
No.3
- 回答日時:
聖書の外典として「ニコデモ福音書(ピラト行伝)」というものがありますが16章6-7節に
その時アンナとカヤパが結論を下して言った、
・・・二人の泥棒も一緒に処刑された。
にがりを混ぜた酢を飲まされ、ロンギノスという名の兵がイエスの脇腹を槍で突き刺した。それから、我々の敬愛する父アリマタヤのヨセフがその屍を乞い受けた。・・
とあります。
たぶん原点はこのあたりではないでしょうか。この福音書は4~5世紀に成立さたと見られていますのでこれに尾ひれ背びれがついて伝説になったのではと思われます。
ありがとうございます。
「ニコデモ福音書(ピラト行伝)」というものがあったのですね。
処刑人の名前まで書いてあるとは。きっと真面目な人が書いたのでしょうね。
No.2
- 回答日時:
聖書には「一人の兵卒」とあるだけで、それ以上のことは判りません。
No.1の方も仰る通り、多分に伝説的要素が強い話と言えます。ただ、伝説の中でもロンギヌス(正確にはガイウス・カシウス)は処刑人ではありません。かれは白内障のため前線には出ず、エルサレムで宗教的政治的事件に関する報告の任に当たっていた百卒長(部隊長のようなもの)、とのことです。おそらく、完全に見えなかったわけではないのでしょう。
彼はその任務からイエスの行動を二年間追い、その結果彼の言動に感銘を受け、本来なら頭蓋を砕かれて手脚を折られる、という絶命法を取るところ、それを避け彼の身を守るために脇腹に槍を刺した、とあります。その際の血と水によって彼の目は完全に癒えた、という話のようです。
この内容はトレヴァ・レヴンズクロフト「ロンギヌスの槍」学研M文庫刊 に拠っています。
この話の原典が何かはそこでは判りません。また、聖書の文章(ヨハネの福音書)も引用されています。
ありがとうございます。
>本来なら頭蓋を砕かれて手脚を折られる、という絶命法
ずいぶんと残酷な処刑方法ですね。
冷静になって考えてみると、処刑者の血が処刑人の目に入ることはないような…。
No.1
- 回答日時:
キリスト教が広がる中で生まれた(後世に)伝説のひとつでしょう。
キリスト処刑に使われた槍があったことは事実でしょうが、被害者(の一族)が加害者(軍隊)の武器を保管するなど出来ないことです。目の悪い人が原語でどのような表現になっているか分かりませんが、目の悪い人は視力が衰えた人も指しますから、処刑人になってもおかしくはありません。参考URL:http://www.asahi-net.or.jp/~QI3M-OONK/tosyokan/f …
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