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昔,生理学の教授が,「精子はヒトが造ったすべてのものに比較して圧倒的に水中速度が速い。魚雷より速い。(体長の長さを進むのにどれだけの時間がかかるかで換算)
」と言っていたのを思い出して,魚雷の速度を検索したら,確かに換算すると精子より遅いと言うことがわかりました。何しろ,魚雷の長さに換算し直せば,250km/h程ですから…

前置きが長くなりましたが,しかし,検索していたら音速を超える魚雷が理論的には可能とのこと。「スーパーキャビテーション」なるものは,水中にあっても水の抵抗がない? どのような原理なのでしょうか。できたら数式等なしでご教授下さい。

「スーパーキャビテーション」
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/ma …

A 回答 (3件)

まずはキャビテーションというものがあります。


これは、水中で物体が高速移動したときなんかに
気泡がでてくるものなんですけど、これが関係してきます

魚雷に話を戻すと、魚雷周辺に
キャビテーションで気泡が発生するとしましょう。
さらに、その気泡量が非常に多く魚雷全体を包んで
しまうものと仮定します。
すると魚雷の周囲はキャビテーションによって
発生した空気で覆われることになりますよね。

ここで、少しはなしを変えて
プールの中と、運動場(外ってことです)で
走った場合を考えましょう。
どう考えたって、外で普通に走ったほうが
楽ですね。

つまり、水は抵抗が非常に大きいんです。
だから魚雷の周りを空気にしてしまえば
従来に比べて非常に速度を早くすることができる
という話が「スーパーキャビテーション」
というわけです。

ご参考までに・・・。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2004/06/09 07:50

 ご紹介のHPの説明の下のほうに


>背後に水蒸気の泡が生じることによって起きる。
とありますね。

 沸騰しているヤカンの中なんかのぞくと、ヤカンの
底から泡が出ているのが分かると思います。
水中の水蒸気の泡というのは普通こうゆうのを
言います。常温でも水面では水か気化して
水蒸気となり空中に拡散して行きますが、
沸点を超えると水中でも気化が始まるわけです。

 圧力が下がると沸点も下がるという原理は
ご存知かと思います。冷たい海の水の中でも
極端な低圧状態が生じると、沸点が低下したような
状態となり水中で気化が起こります。
これによって出来た水中の泡を流体力学における
キャビティーと言います。

 キャビティーが最初に認識されたのは、1920年代
のスクリューの実験中だったと言われています。
高速で回転するスクリューに当たった水の流れは
スクリュー表面から急速に引き剥がされるため、
条件により、ここに一瞬、極端な低圧状態が
生まれ、キャビティーが発生する場合があるんです。
キャビティーは泡ですが、中に空気のような別の
気体が入っているわけではないので、内部に
圧力は殆どかかっていません。
 またこのような極端な低圧状態が発生するのは
一瞬であることが多く、そのためキャビティーも
音速で広がり、音速で収縮してしまう事が多いのです。
音速の拡散という事は、キャビティーが小さい
ながら、衝撃波の固まりであることを意味して
います。つまり小さな爆弾という事で、キャビティー
が注目されたのも、これが多く発生する条件では、
鋼鉄のスクリューの表面が衝撃波の影響で早く
劣化してしまう事が分かったためです。

 1940年代にこのキャビティーを安定して
発生させる条件があることがわかり、この
安定したキャビティーがスーパーキャビティー
と呼ばれるようになりました。
 
 
 水の抵抗というのは、水中の物体と粘性のある水
との摩擦から生じるものです。
 キャビティーは空洞とも訳されますが、内部の
気体で維持されているわけではないので、簡単に言うと
圧力が殆どかかっていない、ただの空間です。
ですから、このただの空間で水中の物体を被って
しまえば、水と直接接触しているわけではなくなる
ので、理論的には抵抗が殆どなくなります。
 この原理を船に応用しようという考えが
1960年代に出されましたが、時は米ソ冷戦
時代。潜水艦戦で遅れをとっていた旧ソビエトが
これを魚雷に応用しようと研究を始めたようです。

 安定したスーパーキャビティー維持の目的と、
物体の構造のうち、スーパーキャビティーの外に
出る部分があると、抵抗が生じるという事で、
スクリューや方向蛇があったのでは効率が悪いという
ことになり、水中でのロケット推進が検討され、
1980年代にアメリカでその試作機が作られた
らしいです。

 また、潜水艦から大砲の弾のように打ち出す
方法も検討され、その速度からしても、魚雷
というより、水中砲というイメージだったようです。

 軍事目的でどこまで研究が進んでいるか
分かりませんので、ご紹介のHPのロシアの
話がどこまで本当かわかりませんが、
このスーパーキャビティーの応用については
今でも民間レベルでもいろいろな研究が
行われているようです。



 なおこのキャビティーですが、条件により
液体に超音波を加えても発生する事が知られて
おり、超音波の研究の世界ではシングル・バブル
と呼ばれています。
 またこのシングル・バブルですが、液体の
種類や超音波の周波数によって、光を出すことが
以前から知られており、これは音響ルミネッセンス
と呼ばれています。

 1990年代に入り、精度の高い光学測定が
可能になったことから、この音響ルミネッセンス
によって発生する光の測定が行われ、可視光線
領域より、紫外線領域の放射が強いことがわかり
ました。この強度測定から、50nsという非常に
短い時間ではありますが、このシングル・バブル
の中では、太陽表面と同じくらいのエネルギー
状態が生まれているという報告があり話題に
なりました。
 この分野はこれはこれで、新エネルギー源の
開発という目的などで研究が進められています。
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この回答へのお礼

詳しい解説,ありがとうございました。

精子の速度から魚雷に,そして聞いたこともない「スーパーキャビティー」とどんどん横道にそれてしまいました。

おっしゃる通り,検索しましたら,スクリューの話が幾つか引っかかりましたが,「超高速魚雷は水のないところでスクリューじゃ無理じゃないの?これぞまさしく精子を超えた魚雷だな!」と思い質問させていただいた次第です。

有機溶媒で超音波洗浄する際に機器の表面に現れる泡もキャビティーションの一種なのですか。てっきり沸点が低いから沸騰しているのかと思いました。

ありがとうございました。

お礼日時:2004/06/09 08:06

とても流れの速いところで(水中でも空気中でも)、例えばノズルの絞り出口部分・ラッパ状の急な広がり口部分・水道管などの90度曲がったコーナー部分など、さらに速度が増すようなところでは、圧力がとても低下します。


((圧力)押す力が減れば、当然速度が増す。逆も然り。)

その圧力が蒸気圧よりも低くなると(沸騰現象に似た)局所的な蒸発(泡)現象が起こります。
これが「キャビテーション:空洞現象」です(まずは)。

このキャビテーションの現象は(速度が速いところで発生し)、物理的にダメージを与えて(振動・騒音・性能劣化・表面損傷など発生)機械にはとても良くない影響を及ぼします。


ところが(この現象を逆手にとって)このように局所的に起こるキャビテーションを、物体の全体以上に覆った状態(全体が、ちょうど泡で覆われたような状態)をわざと作ると、例えばほとんど水に濡れずに・水の抵抗をなくすことが出来ます。(理論上)

これを「スーパーキャビテーション:超空洞現象」といいます。

こんな感じでどうでしょうか?。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

泡は空洞なのですか。水の中をあたかも空中?を飛ぶがごとくに進めるとはすごいものですね。

この世の中に魚雷は要りませんが,水中翼船も魚雷の上に船が載っていると考えれば,音速近い水中翼船などできないものでしょうか。

ソ連は地面効果?(アホウドリがこの効果を利用して1000kmほどを楽に飛びます)を利用した飛行機のような船を造ったり面白い国ですね。

お礼日時:2004/06/09 08:17

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