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①硫化ナトリウム比色法では、なぜ「鉛として」なのでしょうか。例えば比色液に銅を用いて「銅として」とすることに何か問題はあったのでしょうか。

②鉛の感度が高いとどこかで見かけましたが、(鉛として)20ppmとなった際に、例えば鉛の1/10の感度の重金属があると仮定した場合、その重金属が200ppm入ってる可能性があるということでしょうか。

A 回答 (1件)

↓こちらに硫化ナトリウム比色法の詳細がありますね。


http://www.mac.or.jp/mail/140901/03.shtml


1についての回答:
硫化ナトリウム比色法では『鉛として』どれくらい含まれているかを基準に評価する
ことになっています。

肉眼で呈色の度合いを高い精度で評価することは難しいため、
比色法の精度はあまり高いとはいえません。
そのため、仮に『鉛として』『銅として』『鉄として』という評価が混在していた場合、
『銅として50 mg/L』と『鉛として20 mg/L』と『鉄として100 mg/L』のどれが毒性が高いのか
一目ではわからないため、混乱を招きます。
そのため、どれかの金属イオンを基準におく必要があります。

次になぜその基準として鉛が選ばれたか、ですけどもここからは憶測も含みます。

まず考えられるのは、鉛の検出感度が高い(上記リンクより)という点です。
重金属は毒性が高いものが多いため、できるだけ高い感度で呈色するものを基準として
危険性を評価するようにしたのは妥当であるといえます。

また、重金属の毒性としては鉛の方が銅よりも高いので、
『人体に対する危険性』つまり『人体に対する感度』の高い鉛を基準にした
という理由もあるのではないでしょうか。
例えば『重金属(鉛として)20 mg/L』は毒性がありそうだとわかりますが、
『重金属(鉄として)100 mg/L』ではあまり毒性があるようには見えません。

これらの『検出感度』と『人体に対する感度』が共に高い鉛が
基準として選ばれたのではないでしょうか。


2についての回答:
もちろんありえます。10分の1どころか、亜鉛から生じる硫化亜鉛は白いので
そのまま反応させると結果がメチャクチャになります。
Znを含む試料の場合、予めシアン化カリウムでの処理が必要になります。

そもそも肉眼での呈色の評価は精度が低いため、硫化ナトリウム比色法は
重金属に類するものがどれくらい含まれているかを、簡単かつかなり大雑把に評価する方法です。
硫化ナトリウム比色法は手軽な分、定量性が低い手法です。

より定量に『どんな金属が』『どれだけ含まれているか』を高い精度で調べる場合、
ICP-AES等の機器分析をを行う必要があります。
しかしこれらの機器分析は高価で大掛かりな装置が必要になるうえに
コンタミが起こらないように極めて慎重にサンプルを調整する必要があります。

『手軽さ』と『精度・定量性』はトレードオフの関係にあるため、
硫化ナトリウム比色法を使う際は、
『手軽な』分析方法である代わりに
『精度・定量性』をある程度犠牲にした手法であることをお忘れなく。
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この回答へのお礼

ご説明ありがとうございました。
なんとなくそういうことかなぁと思いつつも、それについてズバリ解説している情報に行き着けず、モヤモヤしていたところですがスッキリしました。

お礼日時:2015/02/09 09:14

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