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ごく初歩的、基本的な質問で申し訳ないのですが、

「刑罰」はなんのために行うのでしょうか。

或いは、
法律の中に、「刑罰の目的」を記した条文はあるのでしょうか。

又、そう云う条文が無いとしたら、
現在の日本ではどのような目的で行うと合意されているのでしょうか。

A 回答 (6件)

まず、例えば憲法で人権が保障されています。

そのため、他人を殺す等、他人の人権を侵害する事は、憲法で禁止されている事になります。つまり、人を殺したらいけない等と言う事は、刑法でそう規定されているからいけないのではなく、憲法で保障されている人権を侵害するからしてはいけないのです。しかし憲法には、他人を殺す等の人権を侵害したら、こういう刑罰が科せられる、といった規定がありません。それを刑法で規定している事になります。では刑法で、なぜ刑罰を規定しているのか、その目的は何でしょうか?それは、そもそも人間は「自分のためなら悪い事であってもしてしまうものだ」という前提に立ち、でも「このような行為」を行ったら、刑罰が科せられると刑法に規定されているから止めておこう、とその者に違法行為をする事を断念させる効果を期待して、刑法に刑罰が規定されているのだと思われます。このような考え方は、日本だけではなく、むしろ外国の刑法を参考にして、日本がそれを真似たものだと思われます。更に言えば、人間は、ルールが無いと好き勝手な事をしてしまい、結局人間社会として成り立たなくなってしまうという事を、人類は歴史上、嫌というほど経験して学んだために、そのルールである法律という概念を作り出したのではないか、と思われます。
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この回答へのお礼

早速の解答、有難う御座います。

そうですね、
「犯罪の抑止効果」と云うのは良くわかります。

お礼日時:2004/06/16 14:40

> 法律の中に、「刑罰の目的」を記した条文はあるのでしょうか。



直接的に刑罰の目的を明記した条文はありません。


> 又、そう云う条文が無いとしたら、
> 現在の日本ではどのような目的で行うと合意されているのでしょうか。

「刑法」には、具体的なやってはいけない(犯罪となる)行為と、もしそれをやった場合どうなるか、という、刑罰の種類や範囲が定められています。

たとえば、殺人については次のように書かれています。
「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処する。」

刑罰の機能(目的)については、こんなことをやったらこういった罰が与えられますよ、と、刑法に明文規定することによって、犯罪を予防しようとする機能(一般予防)、或いは、犯罪を行なった者を更生させようとする機能(特別予防)がある、と言われています。


なお、刑法の目的は、人権保障、法益の保護です。法益とは、国民の重要な権利です。
No1さんが書かれている内容が概ね間違いなく、概念的な人権や法のもとの平等などは、憲法に規定されています。
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この回答へのお礼

有難う御座います。

なるほど、
直接「刑罰の目的」を記した条文はないのですね。

お礼日時:2004/06/16 14:44

 No.2の方の回答と合わせて読んでいただくとよく分かると


思います。

 No.2の方が言われているように日本の刑罰の
目的は、予防と保護のためです。

>法律の中に、「刑罰の目的」を記した条文はあるのでしょうか。

 法律の中に明記してあるわけではありませんが、
それぞれの条文が予防と保護を目的として
書かれています。

(予防)
 罪刑法定主義と言うのですが、どうゆう犯罪を
犯したら具体的にどうゆう罪になるのか明記
しておくことにより、法は恐怖心から犯罪を犯しにくく
することを期待しているのです。

 人を殺したら最悪死刑になるというのは、No.2の
方が言われている、刑法199条の
「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処する。」という条文があるからで、
物を盗んでも死刑にはならないのは
刑法235条の「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役に処する。」
と死刑にするという事が入っていないからです。
あたりまえと思うかもしれませんが、
罪に対する罰を明確に規定していない国も
あり、いたずら書きで、反省のいろがないとかで
普段やらない鞭打ちの刑になった子供の話を
聞いたことがあります。

いざ犯罪を犯そうとしても、予防という
考えからは、止めさせる事が重要となる
ので、
刑法43条
「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。」
と刑が軽くなる事を規定しているので、
途中で止めればそれなりに意味があると言うことで、
犯罪を防止できる可能性を法は期待しているわけです。

(保護)
 しかし、いくら重い罪を用意していても、
例えばテロ活動など確信犯の罪は予防
する事ができません。
 そこで法は、例えば刑法208条の3
(凶器準備集合及び結集)
「2人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」

のように、実際に破壊活動や殺人が行われて
いなくても、その準備をしている事が明確な
場合は、罰する事ができる。つまり逮捕
するということで、他人の命や財産を保護
しようとしているのです。
 これは一見、殺人を予防しているようですが、
罰せられる側からすれば、まだ実際にやって
いない殺人で罰を受けているようなもので
心理的な歯止めで犯罪を起こりにくくすると
いった予防といった考え方とは違うものです。
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この回答へのお礼

有難う御座います。

「犯罪の予防」が刑罰の大きな目的であるから、
「死刑廃止論」の立場からは、
「死刑は犯罪の抑止効果が薄い」と云う意見が出てくるわけですね。

「保護」と云う考え方もあるのですね、初めて知りました。

お礼日時:2004/06/16 14:49

>「死刑は犯罪の抑止効果が薄い」と云う意見が出てくるわけですね。



死刑は、改心の余地が全くないため
殺すことで、一般社会の人を保護している
ということで、本当なら効果的な
方法です。

 しかし死刑廃止論が出てくる背景は、
判決が間違っている事が少なくなく、
それが後で判ることが少なくないからです。

 
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この回答へのお礼

なるほど。

「誤審」と云うのは、死刑廃止論のひとつの有力な論拠となっているようですね。

お礼日時:2004/06/18 14:35

先に寄せられた4つのご意見は、皆さんその通りだと思います。

かつてから、刑罰の目的は「応報」と「教育」と言われていました。ご質問の刑罰の目的は、この2つではないかと考えます。刑罰の目的が「応報」だけであれば、過失致死や業務上過失致死の被告も死刑にせざるをえないし、刑罰の目的が「教育」だけであれば、死刑は不必要ですね。ただ、私自身は刑罰、特に死刑にさほど犯罪抑止力を認めません。死刑制度のない国で、日本以上に凶悪犯罪が多発していないのです。この問題は、話し出せば際限がありません。
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この回答へのお礼

>この問題は、話し出せば際限がありません。

そうですね。
「誰もが納得できる答」など無いのでしょうね。

お礼日時:2004/06/18 14:41

刑法の理論は古くは18世紀まで遡ります。

したがってもちろん日本の刑法だけの話ではなく、世界の刑法まで話は広がります。ちなみに日本の刑法は欧米諸国の刑法を参考にしていると考えられますので、欧米の刑法理論を勉強すれば日本の刑法も理解できます。
古くからの対立として刑罰を、応報刑論と捉えるか目的刑論と捉えるかが争われています。

応報刑論と考える旧派は、責任は「自由意志で行為に出たことによる道義的責任論」です。つまり犯罪行為をするかしないかの選択が自己の意思によりできたにもかかわらず、犯罪行為をしてしまったことに対しての責任です。したがって刑罰はその犯罪行為についての応報ということになります。

目的刑論は社会の調和を乱したことによる社会的責任論で、社会の和を乱す者は、そういうことをしないように教育することが必要だという考え方です。

日本の刑法がどちらの立場をとるのかは明確ではありませんし、実際はどちらと限定することもできないので、わかりやすくいうと両方の立場で折衷案的な立場だと思います。

またこういうことをしたら、これくらい罰せられるというあらかじめ刑罰を決めておくことを「罪刑法定主義」といいますが、これはある種犯罪の抑止になるとも言われており、例えば「殺人を犯したら死刑になる場合もある」というのを知っているのと知らない場合では、知っていれば死刑は嫌なので犯罪を犯さないという人もいるだろうということです。
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この回答へのお礼

有難うございました。
大変良くわかりました。

「応報」と「目的刑」のどちらにどの程度の比重を置くかは、
人によって微妙に違うのでしょうね。

お礼日時:2004/06/18 14:45

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