あるサイトに次のような記述が見られます。
百貨店のような大型店で、「本日はご来店いただきまして誠にありがとうございます」という店内放送を聞くことがあります。「頂く」は自分の行為を謙遜する謙譲語ですので、正しくは相手の行為に敬意を示す尊敬語で「ご来店くださいまして」と言うべきです。
http://xn--gdvx14f.xn--fsqv94c.jp/807_1.html
この文は完全に論理破綻していますね。
「もらう」という自分の行為を謙遜して相手に敬意を示すために「いただく」と謙譲語を使っているだけであり、別に「来店する」という相手の行為を謙遜しているわけじゃない。この点を勘違いしているようです。尊敬語に言い直す必要性は特に無い。
「ご来店いただく」は、
(ア)「来店する」という相手の行為 を (イ)私が「もらう」。
という構図です。
「もらう」という私の行為の対象が、「来店する」という相手の行為なので、自分側の行為をへりくだって「いただく」という謙譲語1を使っている。
「ご来店くださる」は、
(ア)「来店する」という相手の行為 を (イ)あなたが「くれる」。
という構図。
「くれる」というのが相手の行為なので、その行為を行なう相手に敬意を示すために「くださる」という尊敬語を使う。
この方は、こうしたことをほとんど理解しておられないのだと思います。
こうした誤った理屈を鵜呑みにしてしまう人も、ほんのわずかでしょうが居るかもしれません。早く目を覚ましてほしいものです。
【「来店する」という相手の行為】で、
「(自分が)もらったこと」について述べたければ、「ご来店いただきまして」と謙譲語を使い、
「(相手が)くれたこと」について述べたければ、「ご来店くださいまして」と尊敬語を使えば良い。
みなさんはどう思われますか。
No.11ベストアンサー
- 回答日時:
まず、リンク先の
http://xn--gdvx14f.xn--fsqv94c.jp/807_1.html
について。
まだ詳しいことがわかりませんが、このサイトは相当怪しげです。この週末にちょっと読んでみようと思っています。
おそらく、書き手は敬語のことをあまりわかっていません。
すでにコメントがありますが「敬語の指針」も読んでいないようです。
3分類がいのか5分類がよいのかは微妙な面があってオカミが5分類を認めていないせいか、教科書も辞書もほとんどが3分類のままのようです。
この状態では、あえて3分類にするのもアリだと思いますが……。
下記を見るとホニャなことがわかります。
【「かわいいです」形容詞+です は正しい敬語?】
http://xn--gdvx14f.xn--fsqv94c.jp/904_1.html
「敬語の指針」がこのことにふれているのですが、記載がありありません。
たしかに〈それからすでに60年以上を経過した現在、この敬語表現は使いやすい平易な敬語表現として確立しています〉と言えなくもありません。しかし、逆を言えばいまだに異和感を持つ人が多いのは、やはり問題のある表現なのでしょう。
下記では何もかもすっとばして、「嬉しいです」を〈丁寧な敬語表現ですので、目上の人に対して使っても失礼にはなりません〉としています。
【「嬉しいです」敬語の例文・類義語の例文・失礼な敬語】
http://xn--gdvx14f.xn--fsqv94c.jp/822_1.html
逆じゃないですかね。フツーに使っても構わないけど、目上の人に対しては使わないほうが無難ではないかと。
そもそも敬語の話をするのに「丁寧な敬語表現」ってどうなんでしょう。
敬語表現のひとつの「丁寧語」ってことでしょう。「丁寧な言葉」と「丁寧語」はほぼ一緒のことが多いようですが、微妙に違います。
辞書の類いもこのテの書き方をしてるので、微妙な問題のときには役に立ちません(単なる主観)。
で、本題に関して。
下記で何度か書いたので改めて書く気になれません。
下記のNo.19に書いたことを再掲します。
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9303949.html
==============引用開始
どうしてご理解{いただけ/くださら}ないのか、理解できません。当方は最初から、専門家の見解をいくつも紹介しているのに、ダメみたいです。脱落気味orz。
当方はむずかしいことを書いているつもりはありません。誰にでもわかるように書いているつもりです。
コメントNo.11に書いたとおりです。
〈おおざっぱに言って、相手(側)の言動に尊敬語を用い、自分(側)の言動に謙譲語を用いる……そのとおりでしょう。「大原則」と言えるかもしれません〉。
それはたいていの人がわかっています。当方がリンクを張った専門家の意見も、当然このことを理解したうえで考えています。
ただ、いくつかの条件がそろったときに「〜いただく」「〜ください(くださる)」が同じように使えるようです。
この条件についてクダクダ考えたり、なぜそうなのかを考えると非常にメンドーなことになります。だから当方はその部分はカ省略しています。
まず前提として「〜いただく」なら使えても「〜もらう」にはしにくい。なぜなんでしょうね。やはり、特殊な言葉かも。条件についておおざっぱに書くと……下記の2つなのでは。
条件1) 主格(ガ格限定でもいいかも)が明言されていないこと
条件2) ニ格がが明言されていないこと
この前提や条件を無視して、「〜もらう」にすると不自然とか、「誰ガ」「誰ニ」言ってるのか考えると不自然とか言われても、どうにもなりません。前提や条件を覆したらそりゃ不自然になります。
==============引用終了
ご来店{ください/いただき}(まして)ありがとうございます。
→どちらも使えます。
敬語を外してみます。
来店して{くれて/もらって}ありがとう。
→これだと「もらって」は不自然でしょう。
前提を覆しているから当然です。ガ格やニ格をつけた場合も、条件を満たしていないのですから、当然不自然です。
ここが納得できない人は、永遠にゴネることになります。あちらの質問者も、何を言っても納得しないでしょう。
理屈で説明するのはメンドーなので、当方は「そういうものだ」と考えています。
文化庁もNHKも、論理的な説明は放棄している気がします。
詳しくは下記あたりをご参照ください。
【よくある誤用39──定番の質問。「〜くださり」「〜くださいまして」と「〜いただき」「〜いただきまして」の違い】
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n141470
ご回答ありがとうございます。
1.
> まず前提として「〜いただく」なら使えても「〜もらう」にはしにくい。
:
同感です。
わたしとしても気になっていたところですが、もしかすると、ここが最大の焦点なのかもしれませんね。
「〜してもらってありがとう。」は不自然だが、「〜していただきありがとうございます。」まで不自然ということにはならない、というスタンスなわけですが、なぜ「〜してもらってありがとう。」 は不自然なのか?
については保留(棚上げ状態)でした。
2.
まず、「ありがとう。」という言い切り自体が上から目線ですよね。
「来店してくれてありがとう。」 なら、「(あなたが)来店するという行為を+(あなたが)くれる」という、どちらも『相手の行為に対してぞんざいな表現』をしていると考えれば済む話ですし、
「来店してくださりありがとうございます。」とすれば尊敬表現になる。ところが、
「来店してもらってありがとう。」 の場合、「(あなたが)来店するという行為を+(わたしが)もらう」という構図。
同じひとつのシチュエーションについて、「(あなたが)くれる」ではなく「(わたしが)もらう」と表現するには、それなりの意図があるはずです。
ここにあるのは、「あなたがくれたからこそ、わたしがもらえた」という意図でしょう。
「あなたのくれた行為」だけを取り上げ、単純にお礼の対象とするだけでは済まない感覚が伴なっているのだと思います。
よく考えると、「来店してもらってありがとう。」は、相手がくれたという行為とわたしがもらったという行為を同時に示すことが可能でしょう。くれなければもらえないわけですから。
その意味で、「来店してもらってありがとう。」は、【構造的に上位の謝意を表わす意図がある】と言って良いような気がします。
「来店してくれてありがとう。」 は、わたしがもらったという事実は特に前提されていない。
(ア)こうした【構造的には】上位の謝意であるにも拘わらず、「ありがとう」という上から目線の表現と組み合わせてしまっている。
同様に、
(イ)こうした【構造的には】上位の謝意であるにも拘わらず、「もらって」という非敬語を使っている。(つまり、意図との解離が生じている)
こういうことではないかと推測します。
特に(ア)の要素が起因している可能性が高いかも。
補足欄へ続きます。
No.13
- 回答日時:
No.11でコメントした者です。
末尾のリンク先をご参照{いただけば/くだされば}わかると思いますが……。
できればこれを最後にしたいと思います。
ご来店{ください/いただき}(まして)ありがとうございます。
だといろいろ制約があるので、例文をかえます。
ご指導{ください/いただき}ました。
→どちらも使えます。
先生ガご指導{ください/Xいただき}ました。
私ガご指導{Xください/いただき}ました。
先生ニご指導{Xください/いただき}ました。
私ニご指導{ください/Xいただき}ました。
先生ガ私ニご指導{ください/Xいただき}ました。
私ガ先生ニご指導{Xください/いただき}ました。
ガ格やニ格が明言されると、両方ともOKではなくなります。
理由はわかりません。理屈で考えると余計わからなくなるので、「そういうもの」と考えています。
ご回答ありがとうございます。
おっしゃっている意味が理解できました。
お手数おかけして申し訳ございません。
かのサイト主の方は、
>「頂く」は自分の行為を謙遜する謙譲語ですので、正しくは相手の行為に敬意を示す尊敬語で「ご来店くださいまして」と言うべきです。
:
と言ってますので、この論理からすると、
・(私ガ)ご指導いただきました。
ではなく、
・(先生ガ)ご指導くださいました。
と表現すべきである、と主張するんでしょうね。
それとも、
・ご指導いただきありがとうございました。
ではなく、
・ご指導くださりありがとうございました。
のように、「ありがとう」と組み合わせた場合に限って、前者はダメという話なのか。
あるいは、その両方か。
まあ、いずれにしても間違いであることだけは確かなようですが。
No.12
- 回答日時:
このサイトにこのようなものが出ていました。
■「幸いです」の類義語の敬語表現例文
〈 「幸甚」の例文 〉 ※幸甚は、何よりの幸せの意。
私のごとき不肖の弟子が誠に僭越ではございますが、心より尊敬する先生にご出席いただければ幸甚に存じます。
「先生にご出席いただければ」これ? そのまんまじゃない。
ご回答ありがとうございます。
>「先生にご出席いただければ」これ? そのまんまじゃない。
:
たしかに、
「本日はご来店いただきまして誠にありがとうございます」について述べているところの、
「頂く」は自分の行為を謙遜する謙譲語ですので、正しくは相手の行為に敬意を示す尊敬語で「ご来店くださいまして」と言うべきです。
という記述と矛盾していますね。筋を通すなら、
「先生がご出席くだされば」としなければならない。
結局、この方も、
「ご出席いただく」は、
【(ア)「出席する」という相手の行為 を (イ)私が「もらう」】という構図であり、そのことが「幸甚に存じます」という評価の対象となり得ることを認めているわけです。
同様に、「ご来店いただく」も、
【(ア)「来店する」という相手の行為 を (イ)私が「もらう」】
という構図であり、そのことが「ありがとうございます」というお礼表明の対象となり得ることを、本音の感覚としては、認めているような気がします。
ところが、OKATさんも同じだと思いますが、1311tobiさんご指摘のように、「〜してもらってありがとう。」という表現には違和感が生じてしまうという事実も存在しています。
この違和感の理由に気づいていないため、
【(ア)「来店する」という相手の行為 を (イ)私が「もらう」】
という構図自体を否定してしまっているように思われます。
(構造自体を否定しているので)結果として、極めて自然な
「本日はご来店いただきまして誠にありがとうございます」
までも(強引に)否定してしまっているのではないでしょうか。
「ありがとう」という謝意表明と、「ありがたい」や「幸甚に存じます」
「うれしい」などの感情表明では、若干意図が異なるわけですが、これは、「〜してもらってありがとう。」と「〜していただいてありがとう。」の適・不適の問題になりそうです。
この筆者は、そこまで書いていないので何とも言えませんが、
「本日はご出席いただきまして幸甚に存じます」
は正しいが、
「本日はご出席いただきましてありがとうございます」
は間違いである、というスタンスなのか尋ねてみたい気はしますね。
No.10
- 回答日時:
「マナー研修」だとか「話し方講座」的なものを担当する方々の中にはかなり怪しげな人もいるわけで、要するにそんな人は、この問題ならば、たとえば『敬語の指針』40ページ『5 「いただく」と「くださる」の使い方の問題』あたりをしっかり読んで勉強すれば良いわけです。
身も蓋もない回答ですが、長広舌を振るうほどの問題でもないと思います。
質問者様(変な言葉、でも便利)自身、相当の見識を持っていらっしゃるわけで、いまさら回答など求めていらっしゃらないと推察します。きっとご質問の意図は別のところにあるんでしょう。
ご回答ありがとうございます。
>きっとご質問の意図は別のところにあるんでしょう。
:
今回の場合、持論に自信は持っていますが、納得の行く根拠を示していただけるなら考え直すこともやぶさかではない、という意味で素直な質問と捉えていただければ幸いです。
たしかに、<敬語の指針>40ページには同様の記述が為されていますよね。
ただ、今回は、「ご来店いただく」について本動詞と補助動詞の主格が異なる、という単純な事実を勘違いされている方が案外多いようで、まず、そのことを指摘しておきたかったのが一点。
それに関連して、視点の違いで「ご来店いただく」でも「ご来店くださる」でも良いと思うが、どうか、というのが一点。
少し欲張りすぎたかもしれません。
No.9
- 回答日時:
再び、このサイトについて。
■「して下さい」の敬語表現例文
こちらの書類をお読みになって下さい。
お読み下さいますようお願い申し上げます。
(「お願い」も「申し上げ」も「謙譲語」だけど、これはいいんですかね。)
ご回答ありがとうございます。
サイト主としては、「お願い」も「申し上げ」も相手の行為ではないので問題ない、という考えなのかもしれませんね。
No.8
- 回答日時:
こういう場所に、敬語の使い方について書く人は、それなりに自信をお持ちの方だと思うのですが、このサイトはどういう時期に書かれたのでしょうか。
敬語について強い興味をお待ちであれば、学問的な動向にも関心があると思うのですが、敬語の分類がまだ3分類であるのはどうしてでしょう。先ほどいったように、まだ古い時代だったらともかく、平成19年に答申された「敬語の指針」をどう見ていらっしゃるのでしょう。しかし、これを無視する態度を取られても仕方がありません。というのは、せっかく答申されたのに、文部科学省は実際の学校教育に利用していないからです。〇「謙譲語は自分のことを見下す敬語」「見下す」とは「みくだす」と詠むんでしょうね。だが、違います。「謙譲語は相手に敬意を表す言葉です。」「尊敬語は相手に敬意を表す言葉です。」「じゃ、同じですね。」「いや、違います。「謙譲語」は自分の側の動作に使い、「尊敬語」は相手の側の動作に使う。それが違いです。
〇「下さい」の類義語の敬語表現例文
お手紙を頂戴いたしたく存じます。
(※お手紙を下さいの意)
「頂」も「戴」も「いただく」と読みます。そうすれば「頂戴」は「いただく」と同じではありませんか。ヤクザの言葉に、「お命頂戴します」があって、これは「お命いただきます」と同意ですね。
〇百貨店のような大型店で、「本日はご来店いただきまして誠にありがとうございます」という店内放送を聞くことがあります。「頂く」は自分の行為を謙遜する謙譲語ですので、正しくは相手の行為に敬意を示す尊敬語で「ご来店くださいまして」と言うべきです。間違った敬語の使い方ですが、実際にこのアナウンスを聞いて不快に感じる人は、恐らくほとんどいないのではないでしょうか。
とご本人が書かれているように、「実際にこのアナウンスを聞いて不快に感じる人は、恐らくほとんどいないのではないでしょうか。」と言うことは、聞いた人が不快に感じないのが悪いと言うことでしょうか。
この筆者の誤りは、「謙譲語の受け取り方」の誤りです。そして「ご来店いただき」をひとまとまりで「謙譲語」と受け取る点です。それとも「ご来店」は「ご来店する」という「謙譲語」と受け取ったのでしょうか。すると「ご来店くださり」はどうなるのだろう。
ご回答ありがとうございます。
[敬語の指針]について
>せっかく答申されたのに、文部科学省は実際の学校教育に利用していない~~。
:
ホント勿体ない話だと思います。
特に、謙譲語1と謙譲語2は、分けて考えないと混乱しやすくなるのは目に見えていますよね。
文科省も余計なことはあれこれ指図するようですが、こうした大事なことでこそ、大いに指導力を発揮してもらいたいものです。
> この筆者の誤りは、「謙譲語の受け取り方」の誤りです。そして「ご来店いただき」をひとまとまりで「謙譲語」と受け取る点です。
:
そういうことになりそうですね。
補助動詞という背景も相俟って、そう考えてしまうのかもしれません。
サイト主と対面しての会話なら、あれこれ確認したいことは山ほどあり、また、そうすれば理解も進むように思うのですが、すくなくともサイトの記述が誤りであることだけは間違いなさそうです。
No.7
- 回答日時:
「ご来店いただきまして」(ご来店ー尊敬語)+(いただき-謙譲語)という形は古いか、新しいかという問題については、どうも、比較的新しいと私は結論します。
「青空文庫」の「いただき」による検索にでは、表示された1000件の内、大部分は「(さ)せていただきます」で、圧倒的に多く、次いで「動詞+いただく」(この動詞は特に敬語ではない「見る」など 「見ていただく」)が多いようで、「御安心いただく」の形は、わずか24件で、多いとは言えません。具体例は後掲します。「青空文庫」の収録作品は大ざっぱに言えば、明治中期から、最新でも昭和46年までの作品であり、今から言えば約50年前までの作品です。この時代には比較的少なかった用例です。
次に、「KOTONOHA」(現代日本語書き言葉均衡コーパス-「少納言」)による検索では、表示500例中、52例見られました。時代的に新しいものに多かったことから、最近使われ方が多くなったと言えるようです。(これは誰でも簡単に使えるので是非お確かめください。全コピーがでますので、テキスト・エディター上で編集可能)
「青空文庫」の例文 表示例1000の内、24例
それで、このお方にともかく一時政を<おとりになっ>ていただきました。みんなは、例の忍歯王のお子さまの意富 鈴木三重吉「古事記物語」
やかになっていた。「妾、あなた様から、<お隠匿して>いただきました晩、あなた様、眠りながら、お千代、たっ 国枝史郎「甲州鎮撫隊」
そうなおどおどしたようすで、僧正様に<お祈りをして>いただきたいと申すんです。「お祈りはわたしの仕事だ。 豊島与志雄「活人形」
の仕事がすきではないから、この点も改めて<御安心>いただきます。きっと眼が丈夫でないからだろうが、私はひ 宮本百合子「獄中への手紙 」
と思わせるようなことなどもう二度と<なさらない>でいただきたいと念じます。」 千鶴子の文面に表われた歎き 横光利一「旅愁」
をおっしゃらずに、どうか、お行先を<おっしゃっ>ていただきます、暁方とは申せ、まだ先が長うございます、ど 中里介山「大菩薩峠 40 山科の巻」
様の御人体にかかわります、お静かに<おっしゃっ>ていただきてえ」「その第五句の南面という言葉がはなはだ穏 中里介山「大菩薩峠 40 山科の巻」
のお願いがございますが、どうか<お聞入れなすっ>ていただきとうございます」「改まってお願いというのは、ど 中里介山「大菩薩峠 10 市中騒動の巻」
れで、このお方にともかく一時政を<おとりになっ>ていただきました。みんなは、例の忍歯王のお子さまの意富祁 鈴木三重吉「古事記物語」
ございますわ。昔からどんなことにも<お力になっ>ていただきつけて、独立心がなくなっているのでございましょ 紫式部「源氏物語 38 鈴虫」
言った。「本田さん、よく思いきって<おっしゃっ>ていただきました。父兄の方から進んでそういうことを打ちあ 下村湖人「次郎物語 04 第四部」
氏を見て言った。「ともかくも中にはいって<お休み>いただきましょう。ここではお茶も差しあげられませんし。 下村湖人「次郎物語 05 第五部」
苦しく考えられて、「まいりましてもよく<おわかり>いただきますほどな細かなお話がまだできます自信がござい 紫式部「源氏物語 54 蜻蛉」
。若い息子たちのことまでも御親切に<おっしゃっ>ていただきましたことはもったいないことで、うれしく存じま 紫式部「源氏物語 54 蜻蛉」
ら、健造先生に将棋でもならい、あなたから<御指南>いただきましょうか。偶然だの、単なる筋肉的なスピードだ 宮本百合子「獄中への手紙 」
返すと、「旦那方、御冗談もいいかげんに<なすっ>ていただきてえもんでございます」 そいつらがズカズカとは 中里介山「大菩薩峠 25 みちりやの巻」
が、どうした!」「御冗談もいいかげんに<なすっ>ていただきてえもんでございます」「何が、何だと!」「へへ 中里介山「大菩薩峠 25 みちりやの巻」
「へへへへ、ごじょうだんもいいかげんに<なすっ>ていただきてえもんで。そんなこわい目をしたって、驚く兄さ 中里介山「大菩薩峠 25 みちりやの巻」
入りますでございますね、お寒いのにあんな<お働き>いただきましては……」「駄目かい?」「はあ――どうした 宮本百合子「海浜一日」
では……さ、どうぞ、こちらに一寸<おかけなすっ>ていただきましょう」 いしは、縁側に座蒲団を出した。駐在 宮本百合子「小村淡彩」
いことです、わたしは、お嬢様にそう<おっしゃっ>ていただきましても、あなた様の御家来のつもりでおります、 中里介山「大菩薩峠 38 農奴の巻」
異人館の番頭さんに、わたしをひとつ、<御紹介し>ていただきたいんです」「へえ、そうして、どうしようと言う 中里介山「大菩薩峠 32 弁信の巻」
らお伺いいたして故院のお話を承りもし、<お聞き>もいただきたいと存じながら果たしえませんことで悶々として 紫式部「源氏物語 20 朝顔」
せるんでげすから、百両とか千両とか<おっしゃっ>ていただきたいものでげすな」「ばかを言え、俺は十八文の先 中里介山「大菩薩峠 06 間の山の巻」
(「源氏物語」は訳者与謝野晶子の文)
表示 1000件の内 24件
「少納言」の検索結果は「言葉」のみ取り出しました。
「お答えいただき」2例 「ご支援いただき」 2例 「御答弁いただき」 3例 「おわかりいただき」2例 「お支払いいただき」 「 御了承いただき」2例 「御説明いただき」 「 お考えいただき」 「ご協力いただき」 「御理解いただき」3例 「 御承知いただき」 「ご購入いただき」 「ご来店頂き」 「お答えいただき」 2例 「お聞かせいただき 」 「御説明いただき」 「御安心いただき」 「お問い合わせいただき」 「ご理解いただき」 3例 「お許しいただき」 「お訪ねいただき」 「ご覧いただき」 「御答弁いただき」 2例 「御努力いただき 」 「御了解いただき」 「お考えいただき」 「ご寄付いただき」 「ご紹介いただき」 「お知らせいただき」 「お聞かせいただき」 「ご報告いただき」 「お返しいただき」 「お配りいただき」 「お心にかけていただき」 「御検討いただき」 「お示しいただき 」 「勘違いなさらないでいただき」 「お聞かせいただき」 「お答えいただき」 「お認めいただき」
500例 表示 内、53例
なお、サイトの記述については改めて,意見を申し上げます。
ご回答ありがとうございます。
>「ご来店いただきまして」(ご来店ー尊敬語)+(いただき-謙譲語)という形は古いか、新しいかという問題については、どうも、比較的新しいと私は結論します。
:
そうなんですか。
大変参考になりました。
しかし、昔の文章は、どことなく味がありますね。
No.5
- 回答日時:
日本語では,感謝(お礼)をあらわす「ありがたい」は,文字通り 「有り(または在り)難い」(=稀有なことだ)と いう言い方で表しているので,
相手が,何かをしてくれた(またはしてくれる)ことに対して「有り難い」と
表現するのか,
自分が,何かをしてもらったことが「有り難い」稀有なことだと表現するか
の,違いです。
それよりも,
指摘すべき,最近の誤った言い方は
「皆様が○○していただき,ありがとうございます」という言い方です。
「皆様」「に」なら,文意が通りますが,「皆様が」何かしてもらった(=~て いただいた)ことに対して,自分がしゃしゃり出てお礼をいう筋合いはありません。
これこそ誤った日本語です。 キッパリ ( `ー´)ノ
ご回答ありがとうございます。
>感謝(お礼)をあらわす「ありがたい」は,文字通り 「有り(または在り)難い」(=稀有なことだ)と いう言い方で表している
:
このように考えるとわかってもらえるかもしれませんね。
>指摘すべき,最近の誤った言い方は
「皆様が○○していただき,ありがとうございます」という言い方です。
:
そうですね。
「皆様が」と主格を特定してしまっているため、「(○○して)いただき」という補助動詞部分の動作までも「皆様」が行なったことになってしまう点に問題がある。
それを、「皆様が○○したこと」を「(私が)いただく」という構文解釈が可能だと勘違いしているため、このような誤用につながるのでしょう。
No.4
- 回答日時:
厳密に言えば貴方の言ってる事は正しいです。
しかし、日本語の成り立ちを貴方は理解していませんよね?
そもそも、日本には文字文化というものはありませんでした。
縄文時代に作られた土器や出土品に、文字が一切ない事でもそれは解ると思います。
それが飛鳥時代のあたりから、その地域で使われていた「言葉」を
中国語を元に「当て字」で「文字」として使われるようになり、
平安時代になると、漢字だと難しいという理由で
漢字を崩した「ひらがな」が生まれ、現代まで使われてきました。
つまり、貴方が大事にしている「正しい日本語」というのは、
歴史的にみると最近出来た物と言えますし、
平安時代などの文章が現代の人に解読出来ない&意味が解らないという事で解るように、
日本語は短い期間にとてつもないスピードで変化している言葉だという事を忘れてはいけません。
貴方が正しいと信じているこれらの常識も、
江戸時代に生きていた貴方の先祖に言わせれば、
貴方の方が変な日本語を使っているという事になります。
つまり、何が言いたいかというと、
日本語というのは常に変わり続けている言葉でもあり、
何が正しいかという事も時代と共に変化する物だという事です。
古い方が正しいとするならば、
飛鳥時代や平安時代に使われていた言葉が元祖という事になりますから
我々が今使っている言葉や文字も正しくはないという事になります。
現在では、「本日はご来店いただきまして誠にありがとうございます」という言葉も
我々には意味が解りますし、敬意を表す言葉として使われ、
また多くの人もそのような敬意のある言葉として受け取っています。
それを、厳密に言えば間違っている!と異議を発する理屈や気持ちも解りますが、
日本の歴史からすれば、日本語というのは元々そうやって短期間で様々変わって来た言葉なので、
何が正しいかより、流れに付いて行くという柔軟な考え方も
現実的には必要なのではないでしょうか?
その様な事を固苦しく考えたいというのであれば、
日本語のルーツをもっと勉強して、飛鳥時代や平安時代の言葉や文字を使いなさい!
という事になってしまいますが、どうですか?
現代にそれを求めるのは無理があり過ぎますよね?
でも元祖はそこなので、本当に正しい日本語はそこにあるのです。
貴方が正しいとする日本語も、古い元祖の言葉を崩したり進化させた結果の
変化後の言葉でもあるので、厳密に言えば正しくはないとも言えるのです。
あくまでも少し前に作られた教科書基準だというだけなので、
そこの所もじっくり考える必要があるのではないでしょうか?
ご回答ありがとうございます。
>貴方が正しいとする日本語も、古い元祖の言葉を崩したり進化させた結果の変化後の言葉でもあるので、厳密に言えば正しくはないとも言えるのです。
:
まあ、一理はあるでしょうが、それを言ってしまうと、何でもアリということになってしまいますからね。
わたしは一素人ですので、日本語の成り立ちにまで遡って語る知見は持ち合わせておりません。
ただ、言っている内容に筋が通っているかいなければ、それは疑問を呈せざるを得ません。
むろん、筋が通っていなくとも、長い歴史の中で変化してきた結果だから、という学問的根拠があるのであれば、それはそれで納得できます。
ところが、自らの思考過程において、因果関係が成立していないのに成立していると勘違いして、誤った表現を正当化しようとする方が、たまに見受けられます。
これは、やはり、指摘する方向で進めるのが愛じゃないですかね。
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少し検証してみます。
× a. 来店してもらってありがとう。
△ b. 来店していただきありがとう。(×評価でも良いかもしれない)
○ c. 来店してもらってありがとうございます。
○ d. 来店していただきありがとうございます。
このように「いただく」「ございます」という敬語を付加すると、違和感は薄れるような気はしませんか。
>「〜してもらってありがとう。」はたしかにヘンだが、下記の形ならおかしくないだろう。
「〜してもらってありがたい」
「〜してもらってありがたかった」
:
同感です。
「ありがとう」は相手に感謝を伝える言葉なので、基本的に「ありがとうございます」のように敬語(丁寧語)を使う必要があるが、「ありがたい」は自分の感覚を表明しているにすぎず、その必要がないからなのでしょうね。
1311tobiさんに確認しておきたいことを忘れてました。
> ただ、いくつかの条件がそろったときに「〜いただく」「〜ください(くださる)」が同じように使えるようです。
>条件についておおざっぱに書くと……下記の2つなのでは。
条件1) 主格(ガ格限定でもいいかも)が明言されていないこと
条件2) ニ格がが明言されていないこと
:
この記述の意味が良くわからなかったのですが、よろしければ少し解説していただけると助かります。
可能な限り開けておきますので、お時間のあるときにでも。