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防災対策のスペシャリストに聞いた!豪雨や水害への備えや対処法

防災対策のスペシャリストに聞いた!豪雨や水害への備えや対処法毎年のように日本各地で発生している記録的豪雨。今年も九州南部を中心に猛烈な雨に見舞われ、河川の氾濫や土砂崩れが相次いだ。「教えて!goo」にも、実際に水害に遭遇した経験のあるユーザーから、「梅雨に入り大雨が全国を襲い恐怖を感じます」と投稿が寄せられていた。そこで今回は、いつ自分の身の回りで発生するかわからない水害に対し、どのように備え対処すればよいか、災害リスクアドバイザーの松島康生さんに話しを聞いた。

■水害の種類と避難の目安


水害は、主に「外水氾濫」と「内水氾濫」に分類されるそうだ。

「『外水氾濫』とは河川の水位が上昇し、堤防からの越水や決壊により、家屋の倒壊や浸水などが生じる大規模水害のことです。『内水氾濫』とは、コンクリートやアスファルトなどに覆われた都市部にて発生する都市型水害のことです。雨水は通常、下水道の雨水管やポンプ施設などを通じて河川へと排水されます。しかし降水量がそれらの処理能力を上回った場合、排水しきれずオーバーフローした水がマンホールから逆流し、道路冠水や建物への浸水が生じることがあります」(松島さん)

さらに住居への浸水に関しては、浸水程度により2種に分類されるそうだ。

「住居の床上まで水が入り込む50cm以上の浸水を『床上浸水』、50cm未満を『床下浸水』と分類しています」(松島さん)

いつどのくらいの浸水に見舞われるのかを予想するのは難しい。どのように判断し、避難すればよいだろうか。

「各市町村で作成されている『洪水ハザードマップ』に浸水想定区域と示されている低地や窪地、また、谷形状の場所にいて前が見えない程の土砂降り、1時間に50mmを超える降水量の雨に見舞われたときや大雨洪水警報発令時などは、安全な高台や避難場所へ避難してください。特に、路面より低い半地下などの住居には、水が急激に流れ込み、水圧で玄関扉や窓が開かなくなる危険性が高いため、直ちに避難してください」(松島さん)

「床下浸水」の場合でも、状況に応じて避難を検討し、身を守るべきである。

「自分の意思で避難ができない高齢者や乳幼児、体の不自由な方がご家族にいる場合は、浸水がひどくならないうちに、2階以上の部屋へ移動するなどの『垂直避難』を行うことが重要です」(松島さん)

垂直避難とは、建物内の上階などへ避難し危険を回避する方法。避難が困難な家族がいる場合は、「どんなとき、どこへどのように避難するか」を普段からシミュレーションしておこう。

■自宅でできる備えと、水害発生時の対処法


水害発生時に自宅や家財道具を水害から守るためには、どうすればよいのだろう。

「浸水リスクの高い住居では、リビングや寝室を2階に移したり、貴重品や家財道具も2階に置くと床上浸水時も被害が少ないです。電化製品やエアコンの室外機などは、漏電や故障を防ぐために台の上などに置くとよいです」(松島さん)

部屋の使い方や家財道具の配置で、少しでも水害を抑えることができる。さらに、浸水時の水の逆流に対して備えられることを聞いてみた。

「下水道の側溝やバルコニーの排水溝などの枯葉やゴミなどを取り除いておきましょう。戸建て住宅の場合は、キッチンや洗面台、洗濯機パンからの逆流に備え、ビニールにタオルを詰めて排水口を塞いだり、ビニールで排水管の根元を覆うとよいです。また、基礎コンクリートの床下換気口に発泡スチロールを詰めて塞いだり、基礎のコンクリートと建物の隙間を、市販のシリコンコーキング剤などで埋めると浸水を軽減できます」(松島さん)

浸水時に備えて、普段から水の入り口となる箇所を把握しておくことが大切である。松島さんは他にも、画期的な浸水実証実験について教えてくれた。

「当研究所では以前、ブルーシートや土のうなどを使って浸水防止を提案、実施してきました。現在は、家屋下部の周囲を専用の特殊フィルムで覆い、浸水を防げるか実証実験中です。経過は良好ですので、期待していてください」(松島さん)

確かに各所に浸水対策を施すより合理的かつ効率的である。だが、いかに入念に備えても、自宅が浸水してしまうことはあるだろう。そんな際は、家屋を片づける前に写真を撮ることが重要だという。

「慌てて泥水をかき出したり、畳類を運び出したりしがちですが、まずは浸水の被害状況がわかるよう、住居の引き・寄り写真を各方角から撮ることを忘れないでください。罹災(りさい)証明書や火災保険、家財保険の申請のため、重要な証拠画像になります」(松島さん)

いつどこで外水・内水氾濫が起きてもおかしくない昨今。今回の松島さんからのアドバイスを参考に、ハザードマップを確認し、しっかりと備えておくことが大切である。

●専門家プロフィール:松島 康生(災害リスク評価研究所
災害リスク評価研究所代表。災害リスクアドバイザー(防災危機管理)、防災計画/BCP(事業継続計画)コンサルタントとして、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。企業や地域コミュニティ向けに、地震や風水害発生時の危険性を詳細に調査し、最適な防災対策をアドバイスしている。
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