■プロテインの原料
プロテインは日本語にするとたんぱく質という意味だ。文字通りたんぱく質が含まれているものだが、原料は何からできているのだろうか。
「プロテインは大きく分けると三種類に分けられます。動物性のものは牛乳からできているホエイプロテイン、ガゼインプロテイン、植物性のものはソイプロテインです。ホエイプロテインはミネラルや水溶性ビタミンが含まれ、体内の吸収速度が早いです。ガゼインプロテインの主成分は不溶性で固まりやすい特徴をもち、身体への吸収速度はゆっくりといえるでしょう。ソイプロテインも身体へはゆっくりと吸収されます。他のプロテインと比べ溶かした時に少し粉っぽく感じることもあるかもしれません」(渡邊さん)
牛乳や大豆が原料となり、吸収の早さに差があるようだ。また、製法にも違いがある。
「WPC、WPI、WPHという表記はたんぱく質含有量と製法の違いを表します。牛乳を飲んでお腹がグルグルする方(乳糖不耐症)などはWPI製法のものを選ぶとよいでしょう」(渡邊さん)
製法によって乳糖の残りやすさが変わってくるのだ。原料は牛乳からできているのにも関わらず、乳糖不耐症の人でも摂取できるプロテインもあるとは驚きだ。
■目的別の効果的な摂取方法
プロテインにも種類があることが分かったが、どのように使い分ければよいのだろうか。
「目的や目指す体によって摂取の仕方は違ってきます。筋トレをして筋肉をつけ代謝を上げたい、締まった体をつくりたいという場合は、筋トレ後の摂取がよいでしょう。おすすめは吸収の早いホエイプロテインです」(渡邊さん)
では、ダイエット時や美容目的の場合はどう変わってくるのだろう。
「体重を減らしたいという場合はこまめに摂取するのがよいでしょう。腹もちのよいソイプロテインがおすすめです。また、無理せず代謝をあげたい、ダイエットで肌をボロボロにしたくない場合は、肌や髪にもよく、吸収がゆっくりであるガゼインプロテインがおすすめです。成長ホルモンを活発にするため、夜眠る前に摂取しましょう」(渡邊さん)
摂取するタイミングでも効果が変わってくるのだ。ダイエット時に、不足になりがちなたんぱく質を補うために摂取するのもよいだろう。
■間違った摂取方法や注意点
さまざまな目的にあわせて使えるプロテイン。摂取するときの注意点があるというので、更に聞いた。
「プロテインを飲んだだけで筋肉がつくというイメージが少なからずありますが、それは違います。必ず運動をプラスしてください。また、プロテインにもカロリーがあります。摂取の際は気をつけてください」(渡邊さん)
健康食品の印象が強いため、プロテインをたくさん飲んでいることで満足してしまうかもしれない。ただし栄養源ということを忘れず、カロリーの取りすぎには気をつけたいものだ。また、体内の臓器に負担をかける場合があると渡邊さんは続ける。
「副作用はないといわれていますが、摂りすぎれば腎臓や肝臓に負担をかける場合もあります。一日に必要な量を大きく超える摂取には注意しましょう」(渡邊さん)
肝臓はたんぱく質を分解する臓器であり、たくさんの摂取で壊れてしまう可能性があるとのこと。過ぎたるは及ばざるがごとし。現在の体系や食生活、摂取の目的をよく理解した上で、上手にプロテインを利用してほしい。
●専門家プロフィール:渡邊亜紀子(わたなべあきこ)
スポーツトレーナー。自身の闘病体験から、継続しやすい簡単かつ効率的に行えるセルフケアを提案。自由が丘スウェディッシュマッサージ&セラピューティックストレッチ サロン「Lycka till(リュッカ ティル)」主宰。