■4~5秒で決定付けられる第一印象
第一印象というと外見のことを指しているというイメージがあるが、実はそれ以外の要素も含むという。
「そもそも第一印象とは、顔だけでなく、身体、態度、表情、仕草など、全体から受けるその人の最初の雰囲気のことです。『爽やかな印象』や『暗い感じ』といった感覚的なものも指します」(福田さん)
福田さんによると、第一印象は、4~5秒で決まってしまうという。
「4~5秒で印象を受け取り、その後、『端正な顔立ち』とか『肌がキレイだ』、『髪形がかっこいい』など、細かい部分に注目していきます。よって、第一印象をよくしたいのであれば、全体を整えることが大切になります。多くの人が『第一印象は顔が大事』というのは、人は会話をする際、相手の顔を見るからに過ぎないのです。逆に、美形や美肌など、際立って注目される部分を持っていても印象の悪い人はいます。つまり、一部分ではなく全体を意識することが大切なのです」(福田さん)
初対面での印象は、顔や容姿といった限定的なものではなく、全体的なものを指して決定づけられる。長所を伸ばすより、短所を補うほうがよいのかもしれない。
■特徴的な癖は悪印象を抱かせる
具体的にどのようなことに気を付ければ、よい印象を与えられるのだろう。
「『表情美人』という表現があるように、印象は静止画ではなく、動きのなかで良し悪しが決まります。他人から親しみを持たれる表情を自分なりに研究するのも大事でしょう。他に見られるのは『癖』の部分です。人は異性を含めた他人を見るとき『自分との違い』に注目し、自分を基準に他人を比較します。そのため、特徴的な癖があると、そこを見られます」(福田さん)
初対面の相手から見られているのは、意外にも「動き」、さらにいうと「癖」だ。自分ではなかなか気づくことができないが、どのようなものが他人から注目を集めやすいのか。福田さんに例を挙げてもらった。
「女性であれば過剰に髪をかきあげる、唇を噛む仕草などが人の目につく癖といえるでしょう。男性の場合は、貧乏揺すりや、アゴヒゲを撫でるような仕草などが挙げられるでしょう。もちろん、癖は人によりそれぞれなので、前述したもの以外で気づくものがあれば、直していくとよいでしょう」(福田さん)
もちろん、初対面の印象が悪くても、そこから挽回もできる。だが、少しでも異性との関係をうまく築きたいのならば、最初のハードルは低いほうがよいだろう。チャンスを逃さないために、表情や自分の癖を見直してみるのはいかがだろうか。
●専門家プロフィール:株式会社話し方研究所
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