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【4月開始】明示された就業条件と実態に相違があれば労働者は即時契約解除が可能

【4月開始】明示された就業条件と実態に相違があれば労働者は即時契約解除が可能2024年は企業に影響を与える法律の改正が目立つ。これは使用者は勿論のこと、そこで働く労働者や、取引がある個人事業主なども含まれる。

これに伴い1月23日に「【2024秋迄に施行・フリーランス新法】企業は何に注意すべき?罰則は?相談先は?」というタイトルの記事を公開した。記事の中でフリーランス新法の概要や企業が特に気をつけるべきことを紹介した。

今回はその第二弾として使用者と労働者を対象に、2024年の法律改正によって何がどう変わるのかをまとめてみたい。解説は前回同様、富士見坂法律事務所の井上義之弁護士にお願いした。

■労働基準法はどう変わる?


まずは2024年中に改正となる労働基準法の詳細を伺った。

「使用者は、労働契約の締結に際して、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません(労基法15条1項)。2024年4月1日以降、この労働条件として明示すべき事項が追加されます。追加される事項は、(1)就業場所・業務の変更の範囲に関する事項、(2)更新上限に関する事項、(3)無期転換に関する事項の3点です。以下、説明します」(井上義之弁護士)

(1)就業場所・業務の変更の範囲に関する事項
「使用者は、2024年4月1日以降に契約締結・契約更新する全ての労働者に対して、雇い入れ直後の就業場所・業務の内容だけでなく、可能性がある全ての就業場所及び業務の『変更の範囲』を明示しなければなりません」(井上義之弁護士)

(2)更新上限に関する事項
「使用者は、2024年4月1日以降に契約締結・契約更新する全ての有期労働者(派遣社員等)に対して、更新上限の有無と内容を明示しなければなりません。また、更新上限を新設・短縮する場合にはその理由を予め説明する必要もあります」(井上義之弁護士)

(3)無期転換に関する事項
「使用者は、2024年4月1日以降、有期労働者に『無期転換申込権』が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨及び無期転換後の労働条件を明示しなければなりません」(井上義之弁護士)

労働契約の内容をより明確にしなければならなくなったようだ。4月1日からとのことなので、未対応の企業はすぐにでも準備をしなければならないだろう。

■企業が注意すべきこと


労働契約の内容をより明確にするということで、企業の負担は増えそうだが、使用者である企業はどんなことに気をつけるべきだろうか。

「使用者が労働者に対して明示すべき労働条件は今年4月以降に加わる事項を含めて非常に多岐にわたります。厚生労働省のHP等で詳しい解説やモデル文例が用意されていますので改めて確認しておくべきでしょう。また、労働条件の項目を形式的に網羅すればよいというものではなく、労働条件の内容は事実に即したものでなければなりません。使用者から明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は、即時に労働契約を解除することができますので(労基法15条2項)、注意が必要です」(井上義之弁護士)

まだ準備ができていない企業はすぐにでも厚生労働省の様式を確認したほうが良さそうだ。とはいえ井上弁護士も指摘するように、労働の条件と内容に相違があれば、労働者は契約解除が可能となっているということなので精査することをおすすめしたい。

専門家プロフィール:弁護士 井上義之 事務所HP ブログ

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記事提供:ライター o4o7/株式会社MeLMAX
画像提供:AdobeStock
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