【役職別】サラリーマンFXトレーダーのトータル収支！

FXトレードは、サラリーマンが隙間時間に行っているイメージがある。その取引の収支は、収入や時間が限られている者にとって、ときに切実な問題だ。そんな中、彼らはかしこく着実に利益を上げているのだろうか。年齢層や人生フェーズによってもリスクのとり方や投資額が変わってくるはず。そこで今回は、会社の地位によって実際の収支は違うものなのか、前回の「FX投資で収支が安定するまでの実態を調査！」から引き続き、「ナビナビFX」編集部の佐藤真奈美さんにサラリーマンFXトレーダーの収支について話を聞いた。

■サラリーマンFXトレーダーの成績

まずは、サラリーマンFXトレーダー全体の収支状況について教えてもらった。

「私たちが実施した調査によると、サラリーマンFXトレーダーのトータル収支は『＋1～50万円』が18.8%、『-1～50万円』が16.3%で突出して高い構成比になっています。『±0万円』が6.6.%なので、約4割のサラリーマンFXトレーダーのトータル収支が±50万円以内であることが分かります。いくらからが大金になるのかという点については、人によって定義が異なりますが、比較的少額のプラスとマイナスに落ち着いている印象です」（佐藤さん）

サラリーマンFXトレーダーは、ほかと比べてうまく取引を行えているのだろうか。

「サラリーマンFXトレーダーとFXトレーダー全体で、トータル収支の構成比に大きな違いはありません」（佐藤さん）

特にサラリーマンが吐出してFX取引で設けている実情はなさそうだ。

■大きな利益を上げているのはやはり

役職によってFXのトータル収支に違いはあるのか、聞いてみた。

「利益も損失も少ないという傾向は、役職別に見ても変わりません。ただし大きな利益と損失は、役職別に見ると違いが見受けられます。今回のリサーチでは、トータル収支プラス1,001万円以上を大きな利益、マイナス1,001万円以上を大きな損失と定義しています。1,001万円以上の大きな利益を上げている人は『経営者・役員クラス』に多いです。役職別では『経営者・役員クラス』が15.2%、『部長・課長クラス』が8.2%、『係長・主任・一般社員クラス』が0.5%です。『係長・主任・一般社員クラス』に比べ『経営者・役員クラス』は30倍もの割合のトレーダーが大きな利益を上げていることになります」（佐藤さん）

なぜ「経営者・役員クラス」はそれほどまでに大きな利益を上げられるのか。

「実は『経営者・役員クラス』は大きな利益を上げている割合が多い一方で、大きな損失を出している割合も多いです。1,001万円以上の損失を出している割合は『経営者・役員クラス』で4.3%、『部長・課長クラス』で3.5%、『係長・主任・一般社員クラス』で2.7%となっています。大きな利益を出している割合ほどの開きはありませんが、『経営者・役員クラス』は大きな損失を出している割合がもっとも多いのです」（佐藤さん）

取引している額が違うので、利益も損失も大きくなる。とはいえ、大きな利益を出している割合は圧倒的に「経営者・役員クラス」が多い。

「『経営者・役員クラス』のトレーダーは、情報感度や分析能力が高く、FX取引に必要な能力を多く備えていることも一因でしょう。仕事に必要な能力を磨く中で、自然とFX取引に必要な能力も身に付いていっているのかもしれませんね」（佐藤さん）

経営者や役員クラスともなれば、大局を見極める能力が備わった人が多いはず。FXでもその能力を如何なく発揮できれば、それなりのリターンが見込めるのだろう。



今回は、役職が上がるほどFXで大きな利益を上げている傾向があることが分かった。FXで利益を上げることができるような、情報力や判断力を得ることに、会社での地位向上へのヒントが隠されているともいえるのかもしれない。

⇒「FXの専業トレーダーはどれくらい儲かっている？」に続く

●専門家プロフィール：佐藤 真奈美
FXに関する疑問や悩みを解決するサイト「ナビナビFX」の編集部員。大学卒業後、FX関連の証券会社に勤務したことが契機となり、金融の世界へ。ベンチャーキャピタルをはじめとした投資会社で経験を積む。現在は、複数のFXメディアサイトに相場予想やFX解説等の記事を寄稿している。