■介護用品と福祉用具にはどんな種類がある?
高齢者に必要となる介護用品は、車いす、入浴用の椅子や手すり、電動ベッド、食事用品、ポータブルトイレなど、多岐にわたる。介護用品・福祉用具のレンタルと販売を行うダスキンヘルスレントによると、
「食事用品は、お箸やスプーンなどのカトラリーですが、ユニバーサルデザインのものがたくさん販売されています。健康な方でも、手が不自由になった方でも持ちやすく、食べやすく設計されています。また、電動ベッドは、高さを変えたり、背もたれの角度を変えたりできるので、起き上がりや立ち上がりが楽になります。体が動かしづらくなってくるととても便利で、自立した生活を送るためには必要なものです」
とのこと。身体の状態によって必要となる介護用品は異なるが、一度にすべてをそろえようとするとなかなか大変だ。
「基本的に、入浴用品や食事用品など、肌に直接触れるものは購入する必要があります。ただし介護保険認定を受けている場合、お風呂用の椅子、浴槽に取り付ける手すり、浴槽の外や中に置く台などは販売価格の1割~3割の費用負担で購入することができるのでお得です。また、浴室の天井と床の間で取り付ける突っ張り型の手すりなど、一部介護保険のレンタルの対象となっているものもあります」(ダスキンヘルスレント)
介護保険とは、原則40歳で必ず加入する保険制度。65歳以上で歩行などの日常生活に支障をきたし、介護が必要になったら、市区町村窓口や地域包括支援センターで「要介護認定」を申請できる。要介護度が認定されると、1割〜3割の費用負担でさまざまなサービスを受けることが可能になる。ほかに、年間10万円(税込)を上限に、腰掛便座や自動排泄処理装置の交換可能部品、移動用リフトのつり具などの購入も介護保険の適用対象となる。購入かレンタルか迷った場合は、まず介護保険の適用範囲を確認しよう。
■電動ベッドはレンタルと購入、どちらがお得?
電動ベッドは、「特殊寝台」と呼ばれる福祉用具のひとつ。購入の場合は数十万円、レンタルの場合月1万円前後が相場で、かなり高額な部類に入る。しかし、要介護度2以上の人であれば、レンタル料を月1000円程度に抑えることが可能だ。
「電動ベッドとその付属品の場合、『レンタル』は介護保険が適用されますが、『購入』は適用外のため、レンタルをした方がお得です。基本的に、就寝時用にレンタルできるものは、電動ベッド、マットレス、手すり、ベッド用テーブルです。これ以外の寝具類は購入する必要があります」(ダスキンヘルスレント)
電動ベッドは、背・ひざ上げ機能や高さ調節機能を備えたものなど、種類豊富。選ぶ際は、本人の体格や使いやすさ、部屋の広さなども重要なポイントだ。よく相談した上で、適切な商品を準備しよう。
(酒井理恵)