■トランクルーム内で仕事をしてよいのか?
まずは読者からの疑問、トランクルーム内で仕事をしてよいのかを聞いてみた。
「利用用途を倉庫として申請しているため、仕事場(事務所)としての利用は法律で禁止されています。また、室内には専用の電源などを設けていないため、構造的にも仕事場としての機能を満たしておりません。トランクルームのサイズ感で仕事場をお探しの場合は、『レンタルオフィス』が最適です。また、軽作業可能なトランクルーム『ガレージ倉庫』のご案内も可能です」(加瀬倉庫)
あくまでも本来の用途である “押入れや物置の延長”としての利用に限るようだ。
■保管に向いているもの、不向きなもの
では押入れや物置として活用するとなると、保管に向いているもの、不向きなものがありそうだがどうだろう?
「トランクルームには、セキュリティー、空調、換気設備完備の『屋内型トランクルーム』と、土地にコンテナを据え付けた『屋外型レンタルボックス』があり、それぞれ保管するものに向き不向きがあります。前者は季節ものの衣類やレジャー用品をはじめ、アルバムや写真、ホームビデオ、本など思い出の品の保管に最適です。90%以上が個人利用の方です」(加瀬倉庫)
「屋内型トランクルーム」は、一般家庭の押入れと同等、もしくはそれ以上の設備を兼ね備えているそうだ。では、「屋外型レンタルボックス」はどうだろう。
「コンテナ自体をトランクルームとしていますので、温度管理などはされていません。屋内型と比較すると安価な上、ご契約いただいたお部屋の前まで車をつけてお荷物の出し入れが可能なので、大型の家財道具や家電製品、タイヤの保管などに最適です。法人様にご契約いただいたり、職人さんの荷物置き場にご利用いただくことも多いです」(加瀬倉庫)
保管したいものに応じ、屋内型、屋外型を使い分けたい。
■奥さんの理解を得られないものを収める場所としての活用も
一般的なトランクルームの用途や、平均利用期間について聞いてみた。
「平均的なご利用期間は約3年間ですが、引っ越しの際の一時保管から、10年以上ご利用いただく方までさまざまです。用途では、独立されたお子さんが残していった荷物など、なかなか捨てられないものを預けられる方は多いです。また、ご主人様の趣味のフィギュアや骨董品、レコード、ゴルフ用品など、奥様のご理解を得られないものを収める場所としての需要も非常に高いです」(加瀬倉庫)
レンタル料を考えると割高と感じるかは人それぞれだが、保管するものや考え方次第では利用する価値があるのかもしれない。
■保管するより新調した方が安く済む場合もある
「レンタル料と物価を考慮すると、1年のうち数回しか使用しないレジャー用品を1年間保管するなら、新調した方が安く済むかもしれません。しかし、『使いやすい』『捨てるのはもったいない』といった理由から、トランクルームで保管される方も多いです」(加瀬倉庫)
思い出の品をなかなか捨てられないのは理解できる。
「例えば、賃貸物件にお住まいのお客様が、収納スペースの豊富な賃貸物件に住み替えようとご検討された場合、ひと月数万円の賃料アップは避けられそうにないとのことでしたが、ひと月1万円以下のトランクルームを借りることで、住み替えせずに済んだという事例は多数あります。トランクルームは、どのようなタイプも高さが2m以上あり、空間を有効活用することで大容量の収納が可能になります。ラックやハンガーボックスなどを上手に利用するのがおすすめです」(加瀬倉庫)
住居の賃料と比べると安価に使用できるのが魅力のようだ。一時的な利用から、長期まで、その利用法はさまざま。賢くトランクルームを活用すれば、今の生活もより豊かになるのかもしれない。
●専門家プロフィール:株式会社 加瀬倉庫
全国1,600ヵ所、70,000室のトランクルームを運営管理。利用者が、より便利に利用できる場所を開発、提供し続けている。