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飼い主がインフルエンザ。猫にうつる?

飼い主がインフルエンザ。猫にうつる?インフルエンザが流行っているこの時期、体調管理に気を配っている人も多いと思う。自分の身はもちろん、家族の身を案じる人もいることだろう。それこそ家族同然に、猫を可愛がっている人もいると思うが、猫に人間のインフルエンザがうつることはあるのだろうか? 「教えて!goo」にも「猫にインフルエンザってうつりますか?」という質問が寄せられていた。果たして猫に人間のインフルエンザはうつるのだろうか……? そこで今回は獣医師の千田純子先生にこの疑問をぶつけてみることにした。

■人間がインフルエンザになると、猫にうつる?


ちなみに冒頭の質問に寄せられた回答では、「人のインフルエンザは猫にうつりませんよ」(w6o6nさん)とのことだったが……。

「基本的に人間のインフルエンザは、猫には感染する可能性はとても低いです。しかし、インフルエンザウイルスは、変異しやすいウイルスなので、絶対に感染しないとも言えません」(千田先生)

千田先生いわく「人のインフルエンザウイルスが猫で発症したという報告はありません。しかし、鳥インフルエンザが猫に感染したことが米国や韓国で報告されています。そのインフルエンザウイルスが人に感染したという報告はありませんが、研究者の中では、今後猫から人への感染が起こる可能性があり、今後の監視が必要だとされています」とのこと。

また、「一般的に『猫インフルエンザ』と呼ばれてきたのは、猫にインフルエンザ様の症状(インフルエンザの症状と似た症状)を引き起こす猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、その他の複数の病原体によって引き起こされるインフルエンザ様の症状を示す呼吸器疾患を示しています。したがって、人が持っている病原体に感染して、インフルエンザ様の症状を示すことも考えられます」と、千田先生は指摘する。

つまり、インフルエンザにかかった人間は抵抗力が落ちているので、インフルエンザ以外の細菌感染の恐れがある。その細菌感染のほうが、猫にうつる可能性があるというわけだ。そのため、人がインフルエンザにかかってしまった場合、あまり緊密に猫と接触しないほうがよいという。

「猫は基本的には人のインフルエンザには感染しませんが、細菌に感染して鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの症状を起こすことはあります。特に、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)や猫白血病ウイルス感染症(FeLV)にかかっている猫の場合、免疫力が低下しているので、感染しやすくなっていますので、あまり接触しない方が良いでしょう」(千田先生)

■もし飼い猫に鼻水やくしゃみなどの症状があったら……


飼い主がインフルエンザにかかった時、もし飼い猫が、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの症状を起こしていたら、どうしたらいいのか?

「基本的にウイルス感染に抗生物質は効果がありませんので、栄養価の高い食事を与えて暖かくし、換気をしながら、清浄なところで安静にさせてください。鼻汁、くしゃみ、鼻づまりなどがひどい場合は、顔面を頻繁にきれいに拭き、不衛生にならないようにしましょう。ひどい場合は、動物病院に行き、診断、治療を受けましょう」(千田先生)

飼い主もインフルエンザでつらいところではあるが、猫の様子にも気を配ることが重要だ。ちなみに、多頭飼いをしている場合は、「他の猫に感染しないように、隔離して管理する必要があります」(千田先生)とのことだった。

■猫がかかっている病気が人間に感染する可能性


ちなみに猫がかかっている病気が、人間に感染する可能性はどうだろう?

「猫からの人畜共通感染症で人が亡くなる報告が出ています。野外で何らかの病気の症状が出ている猫を見かけた場合、素手で触ったり、直接接触はせず、専門家に判断を任せてください」(千田先生)
人畜共通感染症とは、人間と動物の双方が共通してかかる感染症のこと。猫をかわいがる気持ちは大事だが、自分の身を守ることもくれぐれも注意したい。

■一人暮らしで猫を飼っている方の注意点


たとえば、一人暮らしで猫を飼っている人がインフルエンザになってしまった場合、猫、人ともども死活問題だと思うのだが――。予防手段として、普段から気にかけておきたいことはあるだろうか?

「普段からこまめに猫の健康診断をしておくこと。キスをしたり、食器を共有したりしないことです。一緒に寝たりしない、身の回りのものを清潔にする、なども必要です。特に新しい猫を飼い始める時は、健康診断をして健康状態を把握しておくことが大切です。また、動物を飼うということは自分の健康にも留意して、多頭飼いなどで無理をしないようにすることも大切です」(千田先生)

日頃から自分もペットも健康管理をしておく必要があるという。

「インフルエンザにかかわらず、一人で動物を飼うというのは、飼い主に何かがあった時に、ペットと共倒れになる可能性があります。日頃から、ご近所やお友達とのコミュニケーションをとって、何かあった時に助けてもらえるような人間関係を形成しておくことが大切です」(千田先生)

ペットと飼い主の両方が幸せになれる生活が大事である――。愛する猫と生活をともにしている方の、少しでも参考になれば幸いである。

●取材協力
ペット行動コンサルタントSENDA
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