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後任が見つかるまで退職は認めない!退職前の有給消化は認めない!対処法は?

後任が見つかるまで退職は認めない!退職前の有給消化は認めない!対処法は?会社を自らの意思で退職する、いわゆる自己都合退職の場合、時期や条件などについて、希望や権利をどこまで主張できるか気になるところではないか。「退職と有給休暇」という質問が「教えて!goo」にも寄せられており、退職希望の旨を上司に伝えたところ、「後任が見つかるまで退職を認めない」、「退職前の有給消化は認めない」と回答されたが、有給消化はあきらめても後任が見つかるまでは退職できないのかと質問をしていた。実際、退職前の引き継ぎや有給消化などについて、会社や上司から何らかの条件を出された場合、円満退職をするためには受け入れるべきなのか? 今回は日本キャリア・コーチング株式会社のキャリアコーチのタカミタカシさんにお伺いした。

■労働者の権利


退職の旨を上司に伝えた際、「後任が見つかるまで認めない」と言われたら、どうすべきだろう。

「労働者は会社の『雇用契約書』や『就業規則』を確認し、『退職は後任に引き継ぎをしてから』などの規定があれば、基本的には守らなくてはなりません。しかし、規定がない場合は、労使による話し合いで退職日を自由に決めることができます。人手不足の会社や仕事のできる労働者ほど、退職日の合意が得られないことは少なくないため、事前に退職についての規定を確認し、早めに退職の意向を伝え、認めて貰うことが大切です。退職日について話し合いで合意できない際は、雇用期間の定めがない契約に限り、労働者が退職の申し出をした後2週間が経過すれば退職が成立します(民法627条1項)。その場合は、後になって無断欠勤などと言われないよう、退職日を明記した退職届を必ず提出しておきましょう。しかし、一方的に退職届を提出し押し切る形になるため、あくまでも“最終手段”と考えておいた方がよさそうですね」(タカミさん)

では、「退職日の前に有給休暇の消化は認めない」と言われたら、従うべきなのだろうか。

「現在の法律において、年休消化は労働者からの申請が起点になるため、労働者から申請があれば、使用者は年休を与えなければなりません。通常の事業運営に支障をきたす場合、使用者には、時季変更権(『この日はダメ』と言える権利)が認められています。しかし、退職予定日までの全労働日について年休申請を出された場合、使用者は時季変更権を行使できず、労働者からの年休申請を拒否することはできません。年休の申請も後で『言った、言わない』にならないよう、必ず書面で提出しましょう」(タカミさん)

もし、ボーナス支給制度のある会社を退職する際、「ボーナスを受け取った直後の退職は認めない」と言われる可能性もあるかもしれない。これには従うべきなのだろうか。

「ボーナスは会社任意の制度であり、『雇用契約書』や『就業規則』のボーナス支払いに関する規定によります。例えば『賞与は支給日に在籍している者に支払う』という規定があれば、支給日前に退職した労働者に支給はありませんが、受け取った直後の退職は認められることになります。また、『賞与額は人事評価により決定する』という規定があれば、会社は人事評価によって賞与額に差をつけられます。労働者が何らかの規定に反すれば、評価が下がり、減額や支給がなくなることも有り得るかもしれません。基本的に人事評価については、会社の自由な裁量が認められています」(タカミさん)

タカミさんのお話により、退職時は、引き継ぎや有給消化、ボーナスへの影響など気になることが多いが、基本的には、会社の規定に従うことが円満退職に繋がるとわかった。

■理想の退職のカタチ


もし退職時に、上記に関わらず会社から嫌がらせを受けた場合、相談窓口はあるのだろうか。

「例えば、都道府県の労働局に、『個別労働紛争解決制度』という労使間のトラブル解決を無料でサポートしてくれる制度があります。利用を希望される場合は、労働基準監督署内の総合労働相談コーナーで受け付けてもらえます。ただし、行政の力を借りることで、会社や経営者によっては態度を硬化させるリスクもあるため、社内(上司、人事、労働組合など)の力を借りた方が円満退職しやすいです」(タカミさん)

今回の話を聞いて、労働者の退職の自由についてはご理解いただけたことだろう。だが、タカミさんは「退職は入社より大変」と言う。会社の規定を確認しながら、円満退職の道をなんとか模索してみてはいかがだろうか。

●専門家プロフィール:タカミ タカシ
キャリアカウンセラー、キャリアコーチ。2008年に 日本キャリア・コーチング をスタート。個人支援を専門に1,000名以上をコーチ。自己分析・キャリアデザイン・転職・昇進昇格・パワハラ改善が得意な実務家として、成果・自立につながる具体的なアドバイスと丁寧なサポートが強み。
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