教えてgooでは「酔っ払い?が寝ている?倒れていたら」というタイトルの投稿があり、質問者は道路で寝ている人を見つけたときにどうするべきだったかを問うているが、そもそも道路で寝る行為に違法性はないのだろうか。ということで、この問題も含めて、道路での違法行為をまとめるべく井上義之弁護士(富士見坂法律事務所代表)に話を聞いてきた。
■道路が法律上、どのように定義されているか
まずは、そもそも道路が、法律(道路交通法)上、どのように定義されているのか伺った。
「道路交通法2条は、道路について、『道路法・・・に規定する道路、道路運送法・・・に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう。』と定義しています。最高裁判例によれば、たとえ私有地であっても、不特定の人や車が自由に通行できる状態になっている場所は、『一般交通の用に供するその他の場所』であるので、道交法上の道路となります」(井上義之弁護士)
道路とは歩行者や自転車、バイク、車などが交通を目的に利用される場所とのこと。当然といえば当然である。
■道路で寝るのは違法か?
では早速道路で寝ることが違法かどうかを伺った。
「道路上で交通の妨害となるような方法で寝そべると道交法違反になります(道交法76条4項2号)。罰則は5万円以下の罰金です(同法120条1項10号)」(井上義之弁護士)
道路で寝たら罪に問われるので気をつけよう。
■運転中にポイ捨てするのは違法か?
運転中の車の窓がスーッと開いて、タバコをポイッと捨てる人を見かけることがあるが、あれは違法だろうか。
「運転中の空き缶やタバコのポイ捨ては道交法違反です(道交法76条4項4号及び5号)。罰則は5万円以下の罰金です(同法120条1項10号)。なお、道路にごみを捨てる行為自体、軽犯罪法1条27号、廃棄物処理法16条、自治体の条例等に違反する可能性もあります。廃棄物処理法16条違反については、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又はそれらの併科という非常に重い罰則があります」(井上義之弁護士)
道路へのポイ捨ての罪が想像以上に重かった。
■自宅前に乗り入れブロックや植木鉢、猫対策のペットボトル、コーンを置くのは違法か?
では自宅前に乗入ブロックや植木鉢、猫対策のペットボトル、コーンを見かけることがあるが、あれは違法なのだろうか。
「交通の妨害となるような方法でみだりに物を道路に置く行為は道交法違反です(道交法76条3項)。罰則は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金です(道交法119条2項6号)。また、みだりに道路に物を積み上げる等、交通に支障を及ぼすおそれのある行為は、道路法42条2号に違反する場合もあります。罰則は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金です(道路法102条3号)」(井上義之弁護士)
妨害となるかどうかの判断は重要だが、あからさまなケースは違法のようだ。
■お店が看板を道路に置いたり旗を置くのは違法か?
最後にお店が店の目の前に看板や旗を置くのはどうだろうか。
「交通の支障になる態様である場合、前の質問と同様、道交法・道路法違反になることがあります。さらに、交通への支障がない場合でも、看板や旗による道路の使用・占有には許可が必要です(道交法77条2号、道路法32条1項1号)」(井上義之弁護士)
私達が知らないだけで、道路には様々なルールが存在していた。身近過ぎてつい忘れてしまいがちだが、違法行為だけはしないようにくれぐれも気をつけよう。
専門家プロフィール:弁護士 井上義之 (第一東京弁護士会) 事務所HP ブログ
依頼者の置かれている状況は様々です。詳しい事情・希望を伺った上で、個別具体的事情に応じたきめ細やかなサービスを提供することをモットーに業務遂行しております。
記事提供:ライター o4o7/株式会社MeLMAX
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