■掃除箇所をリストアップ
まず、大掃除を早めにはじめることのメリットについてうかがった。
「掃除はまとめて行うと、とにかく大変ですよね。11月からコツコツと進めることで、負担を抑えながら家中をきれいにすることができます。そして汚れには『温めると落ちやすい』という特性があります。本格的に寒くなる前のほうが、比較的ラクに掃除を進められますよ」(山崎さん)
掃除をはじめる際は、具体的に何からスタートすればよいのだろうか。
「最初に掃除する場所をリストアップしましょう。ここで注意したいのが、『自分専用の掃除リスト』を作ることです。『みんながやっているから』という観点ではなく『自分だけのリスト』ということを意識すると、普段から気になっている細かいこともどんどん書き出していけます。さらに優先順位をつけて番号を振ると、計画的に行動しやすくなりますよ」(山崎さん)
まずは大掃除の全体像を把握し、「何から取り掛かるか」ということを決めよう。
■「いつか着るかも」は着ない服
11月から掃除をはじめる場合、「年末の大掃除に向けて先にするべきこと」と「年末まで取っておくべきこと」があるという。
「寒い時期に掃除をするのがつらい場所からスタートしましょう。たとえば窓や網戸(特に外側)などです。ベランダや庭などの不用品処理からはじめていくのもおすすめです。物を減らしておくことで、その後の掃除もラクになります」(山崎さん)
暖かい時期に掃除をしておいたほうがよい場所も教えてくれた。
「レンジフードなどのしつこい油汚れは、気温が低くなると掃除が困難になります。本格的な汚れ落としは気温が高くなる初夏に行い、冬は表面の掃除だけにしておきましょう。照明などの高い場所は、一人で行うと転倒の危険があります。ご家族と一緒に年末に行うと安全です」(山崎さん)
大掃除につきものなのが衣類の整理だ。山崎さん直伝の、衣替えを兼ねた服の整理整頓術を教えてもらった。
「私の場合は、衣替えのたびに『着ない服チェック』をします。今の時期だと、夏物の服をしまう際に『この夏、一度も着なかった服がないか』をチェックするのです。『いつか着るかも……』はほぼ着ない服です。手放す予定の服は、大掃除で活躍させましょう。特にデニムなど硬めの生地は、玄関のたたきやベランダの掃除に使うと汚れがよく落ちますよ。物を整理しながら掃除もできるので、ぜひやってみてくださいね」(山崎さん)
新年をさわやかな気持ちで迎えるためにも、家の中はきれいにしておきたい。年末に慌てないためにも、今年は長期的な大掃除を取り入れ、今からできることを進めてみてはいかがだろう。
●専門家プロフィール:HappyLife
植物系洗剤を使った「自然派」を大事にするクリーニング会社。大阪を拠点に、関西のエアコンクリーニング・ハウスクリーニングを行う。
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