■失敗しないための注意点は何?
新しく習い事をはじめる場合、失敗しないためのコツはあるだろうか。
「自分が経験したことがない習い事をはじめる場合は、お手本となる人を見つけて、まずはその人を自分の習い事の目標としてみることをおすすめします」(倉辻さん)
先輩がいると習い事のイメージもつかみやすそうだ。
「ネットのサービスも最近は充実していますので、趣味活動の参考になる情報の入手や、他の人の活動を知ることからはじめるのもおすすめです。我々が運営するサイトでも、人気の高い『旅』『健康』『園芸』『グルメ』『鑑賞』『学び』に関する情報を提供して、趣味のヒントにしていただいています。日々の趣味活動を記録につけることも続けるためのモチベーションになるかもしれません」(倉辻さん)
事前にネットで情報収集しておくことも有効だ。
「人生経験が豊かになると、他人に質問や相談をしにくい場面に出会うこともありますが、誰でも最初は初心者です。失敗することが当たり前くらいの気持ちで、何でもわからないことを質問して吸収しようという意識を持つことが大切です」(倉辻さん)
「誰でも最初は初心者」という言葉には大いに励まされる。
■趣味だけではなく仲間との絆も深く
では、どのような趣味がはじめやすいだろうか。男女別におすすめの習い事を聞いてみた。
「男性向けとしては、カメラなどでの写真撮影がはじめやすい趣味として人気があり、初心者向けとしてもおすすめです。構図を意識するなど撮影スキルを学べば上達が目に見えること、友人や家族に共有できることも継続するモチベーションとなり人気です。最近ではスマートフォンのカメラ機能も充実しており、そこからはじめてみるのもよいでしょう」(倉辻さん)
シニアとはいえ、メカに強い男性は多そうだ。では、女性向けにはどのようなものがあるだろう。
「女性向けとしては、手先の動きに集中する編み物や、目で楽譜を見ながら指を動かすことが必要になるピアノは、認知症などの予防につながるとはじめる人もおり、環境があればおすすめできる習い事です。また、料理教室は安定的な人気があります。教室の先生や同じ年代の生徒との食事会を通して、コミュニケーションを深めやすく、友人や仲間探しにもつながります」(倉辻さん)
スキルの向上はもちろんだが、仲間と交流できるというのもポイントだ。
「夫婦など男女で一緒にはじめるのであれば、野菜づくりなどの園芸系はいかがでしょうか。男女問わず人気が高く、日々手をかけることで成長の喜びを共有でき、知識を深める楽しみや会話も生まれやすいです。協力して同じ目標を持ち作業をすることは、セカンドライフの絆を深めることにもつながるでしょう」(倉辻さん)
習い事を通して、夫婦の絆を深めるという効果もあるのだ。
■考えすぎず、まずは楽しくやってみよう!
目的別のおすすめの習い事も聞いてみた。
「趣味として習い事を考えるのであれば、あまり難しいことは考えず、まず自分が楽しめそうなものを見つけることからはじめましょう。人の趣味活動を見て自分でもできそうと思うもの、やってみたいと思えるものがあれば、実際に調べてみることで新たな世界が広がるかもしれません。将棋などは、駒の動かし方ぐらいは知っているという人も多く、子供からシニア世代まで共通で楽しめるため、世代を超えて交流できる趣味として人気が高まっています」(倉辻さん)
楽しいかどうかが基準というのは実に分かりやすい。
「スキルアップの習い事としては、パソコンやスマートフォン教室も増えております。パソコンやスマートフォンを使いこなすことは、現代の基本スキルになりつつあり、自身の可能性や世界を広げる意味でもおすすめです」(倉辻さん)
スマートフォンに詳しくなることができれば、生活面にもプラスになるだろう。
「近年では、インバウンドによる外国人観光客が増加しており、英語などの語学に対する意識も高まっています。語学は観光ボランティアなどで活用できるスキルであるとともに、コミュニケーション力を高めることもできます。挑戦してみるのはいかがでしょう」(倉辻さん)
習い事を通して自分の新しい可能性が広がり、何より、新しい仲間ができるという楽しみがあることがわかった。人生100年時代、習い事を通してどんな新しい自分に出会えるか楽しみだ。
●専門家プロフィール:倉辻 俊幸
株式会社セガゲームス、シュミカツ!事業ユニットプロジェクトリーダー。旅、健康、園芸・ガーデニング、グルメ、鑑賞、学びなど幅広い分野の豊富な記事や、イベント探し、趣味活動を記録して楽しめる、趣味を楽しむ大人のためのサイトを運営。