■大掃除したくない箇所ワースト3
いきなり挫折しないためにも、まずは大掃除が大変な箇所「ワースト3」を挙げてもらった。
「1位は『換気扇』です。ギトギトの油汚れにホコリが付着し、時間が経過するほど頑固な汚れになります。冬の低温度では、さらに油汚れが硬くなっているため、難易度が上がります。ガス台上部にあり、台に上がらなくては届かない場合もあるので、掃除が苦手な人にとっては特にハードルが高いです」(高橋さん)
2位は、「浴室」だそう。
「体を洗って汚れを落とす浴室は、石けんカスや皮脂汚れが頑固な汚れに変化しています。浴槽だけでなく小物類も多く、白いウロコがビッシリの鏡を見るとゲンナリしますね。湿度が高い場所であり、天井部分までカビが発生しやすいことも、掃除がおっくうになる要因です」(高橋さん)
「窓ガラスと網戸」が3位とのこと。
「寒い時期の窓ガラス拭きはおっくうになりがちです。ガラス窓だけでなく、網戸やサッシレールの掃除も面倒ですね」(高橋さん)
窓全開で、ぬれた雑巾を手にすることを想像しただけでもやる気がそがれる……。
■おっくうな大掃除を楽にする便利グッズ
大掃除が苦手な人におすすめの便利グッズがあるというので紹介してもらった。まずは、油汚れ掃除に使えるグッズからだ。
「換気扇、ガス台などの油汚れ掃除には、手軽に使いやすい『セスキ炭酸ソーダシート』やいろいろな場所に使える『メラミンスポンジ』がおすすめです。どちらも使い捨てなのもよいですね」(高橋さん)
浴室掃除向けには、どんな便利グッズがあるだろう。
「浴室の床は、『取手付き浴室床用ブラシ』を使うと、力を入れてこすることができ、汚れを落としやすいです。浴室鏡のウロコ取りには『ダイヤモンドバッド』を濡らし、円を描くようにこするときれいになりますよ。掃除後は、『アルコールスプレー』を吹きかけると、カビ防止になります」(高橋さん)
窓まわりの掃除にも、魅力的なグッズがあるようだ。
「窓のサッシレールは、ペットボトルに装着できる『ペットボトルブラシ』を使って汚れを洗い流すとよいです。その後は、ビニール手袋の上に軍手をはめて『軍手雑巾』を雑巾がわりに使うと、指で細かな部分も拭くことができ便利です。窓ガラスを洗い流したあとは『スクイージー』を使えば、拭き上げ要らずでピカピカに仕上がりますよ」(高橋さん)
日頃、あまり掃除しない場所や、手が届きにくい場所はどうすべきか。
「照明器具や網戸、家具や冷蔵庫の下などは、『マイクロファイバー手袋』や『すきまワイパー』を使えば、楽にキレイにできますよ」(高橋さん)
便利グッズを使えば、これまでより大掃除を楽しめそうな気がする。どれもオンラインストアや100均で手に入りそうだ。
■部屋を上手に片づける方法
片づけにも“得手不得手”があるだろう。上手に片づけるコツはあるだろうか。
「片づけは、『モノを出す』、『大人片づけ®3分類で仕分け』、『必要な物だけ収納場所に戻す』という3つのステップを基本に行います」(高橋さん)
「大人片づけ®3分類」は、片づけが苦手な人の中に捨てられない人が多くいることに着目した、高橋さんが提唱する片づけメソッドだ。
「リビングを片づける際は、まず出しっぱなしの洋服や書類などを本来の収納場所に戻します。その後、床の上に出ている物を集め、『使って活かす(使い切る)』、『捨てて活かす(捨てるだけではなくリユース、リサイクルする)』、『見極める(3秒捨てようか迷ったら一時保管用の見極めBOXへ入れる)』という大人片づけ®3分類を行い、要る物だけを収納場所に戻します。見極めBOXの中身は、いっぱいになる前に、使って活かすか捨てて活かすか判断したいですね」(高橋さん)
いかがだっただろう。恒例の年末掃除も、今年は便利グッズや上手な片づけ術を取り入れながら、モチベーションをキープしつつ進めたい。掃除がゆき届き、整理整頓された部屋で、気持ちよく新年を迎えたいものだ。
●専門家プロフィール:高橋 和子
一般社団法人日本エグゼクティブプロモーター協会を設立。代表理事。片づけ上手塾専任講師。「大人片づけ®」メソッドで、片づけの苦手な人をサポート。片づけ講演年間100回。TV・雑誌等メディア出演多数。
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