![雛人形の豆知識!正しい飾り方は?引き継ぐのはNGだった!](http://oshiete.xgoo.jp/_/bucket/oshietegoo/images/watchmain/5/542301348_5a8f805748b57/ORG.jpg)
■雛人形の飾り方
早速、雛人形の正しい飾り方を伺ってみた。
「雛人形の飾り方に、実は特別な決まりはありません。時代や地域による違いもあり、標準的な飾り方を参考にしながら、ある程度はそのお家ごとに自由に飾ってよいのです」(吉德)
ちなみに“標準的な飾り方”とは……?
「江戸時代までの日本の礼法では、向かって右が上座でしたので、男女が並ぶ際には、男性が向かって右(左上座)、女性が向かって左でした。しかし、明治時代に西洋のマナーが日本に伝来し、昭和3年の昭和天皇の御大典(即位の礼)のお写真で、天皇が皇后の右にお立ちになったことから、雛人形もその影響を受け、男雛を向かって左(右上座)に飾るようになりました。しかし京都のように古い習慣を大事にする土地では、現在も昔風に向かって右(左上座)で飾っています」(吉德)
ちなみに皆さんは、「男雛」「女雛」が正式名称だということをご存知だっただろうか。
「『お内裏様とお雛様』と呼ぶ方が多いようですが、正しくは『男雛と女雛』、もしくは『お殿様とお姫様』と呼びます。お内裏様とは、『男雛と女雛(お殿様とお姫様)』両者を指す言葉です」(吉德)
飾り方同様、子供に間違えて教えないよう気をつけたい。
■飾る場所やお手入れの方法
雛人形はやはり、和室や床の間に飾るのが適しているだろう。だが、それらがない場合、どこに飾るのが適切なのか。
「飾る部屋や場所に決まりはありませんが、強いて挙げるなら、キッチンや浴室近くなど湿度の高い場所や、直射日光の当たる場所は避けた方がよいでしょう。年に一度しか飾らないものなので、ご家族が見やすい場所に飾ってはいかがでしょうか」(吉德)
お手入れでは、どのような点に気をつければよいだろう。
「可能であれば、お人形を秋頃に一度出して風に当て、虫干し(むしぼし)すると長持ちすると言われています」(吉德)
虫干しとは、陰干しして風を通しカビや害虫被害を防ぐこと。晴天続きで湿度の低い日の10時~14時頃を目安に行うとよいと教えてもらった。
■雛人形を引き継ぐのはNG
ちなみに祖母や母親の雛人形が立派だった場合、それを娘や孫に引き継いでもよいのだろうか?
「雛祭りは、『人形(ひとがた)』や『形代(かたしろ)』と呼ばれる、人の姿をかたどったものに、穢れ(けがれ)を移して難を逃れる厄除けの儀式に由来しています。人形や形代は、持ち主の災厄を引き受ける“身代わり”であるため、お守り同様1人にひとつ以上用意するものです。大切な子供を守ってくれる雛人形は、女の子が無事に成長したところで本来の役目は終了します。役目を終えた雛人形を飾り続けることは問題ありませんが、自身の雛人形を子供や孫などへ引き継ぐのは誤りです」(吉德)
子供には、その子専用の雛人形を用意する必要があるということはわかった。だが、姉妹の場合、雛人形を2セット用意するのはスペース的にも困難だろう。そのような際はどうしたらよいのか。
「本来は、個々の雛人形を揃えたいものですが、住宅事情などにより難しい場合は、下のお子様の形代となるような人形を、長女の雛人形と一緒に飾ってあげるとよいでしょう」(吉德)
可愛らしい"市松人形"や藤娘などの"舞踊人形"は、雛人形と一緒に飾りやすいそうなので、姉妹のいるご家庭はご一考を。
ちなみに、教えて!gooウォッチでは「実は迷信!?『雛人形を早く片付けないと婚期を逃す』と言われるワケ」という記事も公開中。飾ったものの、片付ける際にふと思いつくこの謎に迫っているので、併せてチェックしてみて。
●専門家プロフィール:株式会社 吉德