■高額当選は秘密にするべき?
高額当選することを想像するときに同時に考えるのが、「当選したことを他人に言うべきか、言わざるべきか」という点だろう。黙っていたほうが無難な気もするのだが……宝くじをたくさん購入されている藤ノ井さんの意見はどうなのだろう。
「人の幸せを素直に喜んでくれる人は少ないと思います。自慢する必要がなければ、あえて話す必要はないでしょう。億単位の当選を知られてしまうと、妬み心を抱かれてしまいそうです」(藤ノ井さん)
確かに、億単位のお金が当選したことを知られた際には、妬まれても仕方がないかもしれない。しかし、自慢したくなる気持ちも分からないでもない。
■高額当選した際に気をつけるべきこと
年末ジャンボ宝くじは、高額当選したことがない人のほうが大半だ。そのため、実際に当選した際の税金の課税などについては、あまり知られていないのではないか。
「宝くじの当選金は非課税ですので、課税は生じません。したがって、何ら手続きは必要ありませんが、贈与すると原則、贈与されたほうに贈与税がかかります。そのため、ご自分で買われた宝くじであることを明確にしておくためにも、グループ買いなどの際には、出資額をあらかじめメモで残しておいたほうがよいでしょう」(藤ノ井さん)
非課税ということは、3億円当選したら3億円すべて使えるということ。これは夢がある。
■夢を現実にする方法
やはりこれは聞いておきたい。年末ジャンボ宝くじで高額当選するためには、どうしたらよいのか直球で質問を投げかけてみた。
「私にとって宝くじは、社会貢献です。なぜなら、宝くじの売上げの半分は、公園などの整備や福祉、スポーツなどさまざまなジャンルの事業に提供されているからです。夢をかなえるためには、やはり夢を現実に変えるための目標設定が重要になります。自分の給与だけではかなわない夢も、株式投資や独立して事業をはじめることで可能になるかもしれません。やはり、何事にも努力が必要ですね」(藤ノ井さん)
宝くじを1,800万円も購入した人の言葉は、さすがに重い。藤ノ井さんいわく、宝くじで夢をかなえるのは、「夢のまた夢」ということだ。
「宝くじを購入することにより、社会貢献した返礼として高額当選する可能性がないとはいえません。しかし、年末ジャンボ宝くじの1等当選確率は、昨年度実績で2,000万分の1です。したがって、やはり宝くじ購入は寄付と考えて、よいことを行ったことに対する見返りの運は、他のところで使ったほうがよさそうですね」(藤ノ井さん)
2,000万分の1がどんな確率なのか分からないが、とにかく当てようと思って当たるものではないということだけは理解できた気がする。
令和初の年末ジャンボ宝くじということで、購入者の期待値が高いことも予想される。どんな想いで購入するかは人それぞれだが、チャンスを得るためにはまずは購入しないことにははじまらない。今年の宝くじは、欲を捨てて、公共事業に投資する気持ちで買ってみてはいかがだろう。
●専門家プロフィール:藤ノ井 俊樹 (ふじのいとしき)
投資顧問会社・株式会社エフピーアイ代表取締役。平成最後の年末ジャンボ宝くじを1,800万円分購入したことが、大きな話題となる。CFP・NPO法人日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト、宅建主任者・管理業務主任者など取得資格多数。水泳では国体出場経験もあり、現在もマスターズ水泳大会に参加。麻雀は日本麻雀連盟二段の腕前。