
■世帯年収1,000万円超1,500万円以下の場合
まずは、世帯年収が1,000万円~1,500万円だと、どの程度の価格のマイホームを手に入れられるのか教えてもらった。
「世帯年収で1,000万円超1,500万円以下の場合は、以下の4つのルールでシミュレーションして決めることをおすすめしています。
1) 毎月返済を月収の5割以下とする。
2) 元利均等返済、ボーナス払いなしとする。
3) シミュレーションは固定金利で行う。
4) 定年時の残高は1,000万円以下に抑える。
このうち1)の毎月返済額については、世帯年収1,000万以下までは4割以下とすることをおすすめしているのですが、1,000万超からは5割に上限を上げています。その理由は、普通に生活するうえで必要な食費や水光熱費などにはおのずと上限がありますが、月収が増えればそれだけ食費や水光熱費以外にかけられる費用が増えるからです」(千日太郎さん)
1,000万円も稼いでいれば、5割どころかそれ以上にしてもよい気がするのだが……。
「その気になれば6割や7割にしても最低限の生活はできるかもしれませんが、収入を住居費にあてすぎるというのは、お金の使い方としてバランスが悪いです。タワーマンションの最上階に住みながら、食事はカップ麺やパンの耳……みたいなことになってきます。ですので、バランスの観点からも、5割までという上限にしています。なお、この4つのルールを当てはめて、各年齢、年収別の住宅ローンの金額を出すと以下のような表を作ることができます」(千日太郎さん)

そして、この年収帯の人が購入している家の価格は、今回のアンケートでは次の通りとのこと。

「約8割の人が6,000万円以下の物件を購入しています。年齢が40歳までならばフルローンであっても無理のない金額になっていますね。では、頭金がどうなっているのか見てみると、頭金ゼロ円のフルローンにしている人は18%しかおらず、ほとんどの人が幾らかの頭金を入れています。11%~20%の頭金を入れている人が一番多いですね」(千日太郎さん)

世帯年収が高くなるにつれて堅実な住宅ローンを組んでいることが分かった。
■世帯年収1,500万円超の場合
次は、いよいよ世帯年収1,500万円以上のケースについて教えてもらった。
「世帯年収が1,500万円になると、夫婦共働きであったとしても夫婦それぞれの収入が平均よりも高いです。購入する家の価格も高くなっています。6,000万円以下の物件を購入する人は少数派です」(千日太郎さん)

年収2000万円で、さきほどの4つのルールに当てはめて、安全な住宅ローンの金額を表にしてもらった。

「頭金ゼロのフルローンでも、大抵の家は購入可能です。では実際の頭金はどうなっているでしょうか? 51%以上の頭金を入れている人が35%もいます。これはどういうことかというと、住宅ローン減税が一般の新築住宅だと上限40万円になっているからです」(千日太郎さん)

控除率は1%なので、40万円の減税をもくろむと、ローン残高は4,000万円必要。しかし、その上限を超えて住宅ローンを借りても、控除額の上限は40万円と変わらないので減税の効果が薄れてしまうのだ。制度を賢く利用することで、よりよいマイホームを手に入れてもらえれば幸いだ。
なお、「教えて!goo ウォッチ」では年収の低い人ほど危ない住宅ローンを選んでいる!?<世帯年収別アンケート2019>という記事も公開しているので、チェックしてみて。
●専門家プロフィール:千日 太郎(せんにち たろう)
オフィス千日LLC.代表社員、公認会計士。正しい住宅ローンのノウハウを広く発信することをライフワークとし、自身のブログで一般の人からの相談に無料で答えるほか「ナビナビ住宅ローン」など多数のメディアで記事執筆と監修を行っている。