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入らないとトラブルに?知っておきたい自治会の事情を社会学者に聞いてみた!

入らないとトラブルに?知っておきたい自治会の事情を社会学者に聞いてみた!皆さんはどのような環境にお住まいだろうか。特に住宅地などに住んでいる場合、自治会に加入することを求められることがある。しかし、自治会について知らないことも多いのではないだろうか。「教えて!goo」にも「自治会に入ってない人について」と、自治会に入る必要があるのか疑問に思うユーザーによる質問が寄せられている。そこで今回は、地域生活や市民活動の研究・調査を行う社会学者の玉野和志先生に話を聞いた。

■自治会の活動内容とは


まずは自治会の活動内容や加入条件、会費について玉野先生に聞いた。

「自治会は、全戸加入を原則としており、全住民に関係する活動しかできないという制約があります。住民に関係する防犯・防災やごみ収集、街灯の維持などが主な内容です。また、行政から依頼される下請けの仕事もあります。他に親睦事業として、お祭りを主催することもあります。加入資格は特定された地域に居住していること。会費は地域によってまちまちですが誰でも入れるような安価の場合が多いです。地域によっては、共有物の維持や冬の除雪費用がかかるため、高く設定されている地域もあります。おおよそ月300円程度、高いところでは月1000円以上といった相場です」(玉野先生)

街灯維持や防犯面でも活動しているという自治会。市町村が行う仕事と思いきや、自治会がその役割を担うこともあるという。

■ゴミ集積所のトラブルは本当にあった


そんな自治会だが、絶対に加入しないといけないのだろうか。そこには特殊な歴史背景があることを理解してほしいと玉野先生は話す。

「はじまりは、戦前の大正から昭和初期にかけ都市化が進んだ際、隣に誰が引っ越してくるか分からないような状況の中、一部の地域で全戸加入の町の会を作ったことがきっかけでした。都市化で生まれる不安を全戸加入の組織を作ることで自己防衛しようとしたのです。最近になって行政が自治会・町内会に入りましょうと奨励するようになりました。組織率が下がってきたのにも関わらず、自治会に代わる団体がない現状の結果、トラブルなどが起こりだしたのが昨今の状況です」(玉野先生)

投稿にあるように、自治会非加入の場合はゴミを捨ててはいけないというような、厳しい決まりはあるのだろうか。

「自治会は任意団体なので、そのような決まりがあると主張することはできます。実際、自治会側がゴミ集積所を自腹で維持する場合は、そう言いたくなることもあるでしょう。しかし、ゴミ収集そのものは行政の公的な任務ですから、集積所を使わずにゴミを収集してもらうこともできます。本来ならば行政が税金で全てまかなうべきで、自治会とは切り離すべき時期に来ているかもしれませんが、そのように転換するには膨大な費用がかかります。行政は今まで通り自治会を通して処理しようとし、自治会は行政のお墨付きのもと非加入者に加入を迫るのです」(玉野先生)

そのような状況下、自治会とゴミ集積所の関係も複雑化することもあるのだ。自治会側がゴミの維持費用を出している地域の場合は、加入しておいたほうがいいかもしれない。

■自治会に入会しておくべき理由


自治会に加入するメリットとデメリットはなんだろうか。加入するにせよしないにせよ、知っておきたいところだ。

「有事の際、自治会を通して行政に対応を促しやすいというメリットがあります。未加入のデメリットは、ごみ集積所のようなトラブルがありうるということや、自治会が開催するイベントや炊き出しに参加しにくいことでしょう」(玉野先生)

災害があった際、自治会が炊き出しを行ってくれる場合もあるという。自治会に未加入となると、そのような制度を受けづらいというデメリットがあるようだ。

「加入しないなら、町の人にはいっさい依存しないという覚悟が必要かもしれません。自治会で活動している人たちは、人や町のために日頃目立たないところで自腹を切ってくれています。そのことを理解しようとせず、恩恵だけを受けようとするとトラブルに繋つながる可能性があるでしょう。それほど高くはないのなら会費を払って自治会には加入し、あまり関わりたくなければ最低限の作業だけを手伝っておくということに留めておくのが安心かもしれません」(玉野先生)

近所付き合いが希薄になりがちな昨今だと、わざわざ自治会に入る必要はないようにも感じる。しかし、いざという時に頼れる存在であることも確かだろう。

●専門家プロフィール:玉野和志
石川県金沢市生まれ。首都大学東京人文科学研究科社会行動学専攻社会学分野教授の社会学者。町内会・自治会や NPO・ボランティアといった、地域生活や市民活動の社会学的な調査・研究に従事。
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