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伝統芸能がジャンルを越えて縦横無尽にコラボする舞台「THE FACTORY」

伝統芸能がジャンルを越えて縦横無尽にコラボする舞台「THE FACTORY」2017年12月27日から30日まで、大阪・阪急百貨店うめだ本店の阪急うめだホールにて、“演劇”と“伝統芸能”を組み合わせた舞台「THE FACTORY」が開催された。敷居の高いイメージのある“伝統芸能”をあえて“演劇”の要素の一つとして取り込むことによって、誰にでも分かりやすくその魅力を伝えようとする意欲的な試みなのだという。実際どのような内容になっているのだろうか。実際に公演を目の当たりにしてきたので、その様子を紹介しよう。





■日本の伝統芸能が時代を越えて舞台上に現れる

会場内に入るとまず目に入るのが古びた工場をリアルに再現した舞台美術だ。劇中、この工場の中で様々な日本の伝統芸能がパフォーマンスを繰り広げることになるとはこの時点ではまったく想像できなかった。工場を運営する工場長役に松尾貴史、工場員役にお笑いコンビ「デニス」の植野行雄、松下宣夫が配役されており、この三人が繰り広げる軽快なやり取りがショーの全体を貫く重要な要素になっている。
伝統芸能がジャンルを越えて縦横無尽にコラボする舞台「THE FACTORY」

工場長・松尾貴史が日本の伝統芸能の歴史を工場員に解説するというスタイルを取りつつ、「では実際に狂言がどういったものか、見てもらいましょう」という感じで伝統芸能のパフォーマーたちが呼びこまれる。工場員の二人はあくまで伝統芸能初心者として、それぞれのパフォーマンスの面白さを分かりやすく受け止めて表現してくれる。この三人の存在によって、観客も同じ初心者としての立ち位置で、ハードルの高さを一切感じることなく伝統芸能を楽しむことができるのだ。

舞台「THE FACTORY」は、東京・西麻布に拠点を構えるクリエイティブプロジェクト「THE FACTORY TOKYO」が母体となって作られたもの。様々な才能を持つクリエイターたちのジャンルを超えた交流を生み出すコミュニティという側面も持つ「THE FACTORY TOKYO」が手掛ける舞台だからこそ、出演者は多岐に渡っている。

脚本・演出を務める狂言師・大藏基誠をはじめ、上方落語の笑福亭鉄瓶、和太鼓、津軽三味線、剱伎など実にバラエティ豊かだ。
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■伝統芸能が融合し、新たな何かになる瞬間

工場長と工場員によって最初に舞台上に呼び出されたのがフットボールエンターテイメント集団「球舞」の三人。平安時代に流行した球技である蹴鞠(けまり)を現代に伝えるものとしてリフティングパフォーマンスを見せてくれるのだが、リアルタイムで目の前に繰り広げられる妙技には息をのまされる。すごい緊張感である。

舞台には花道が突きだしており、その脇がすぐ客席になっているのだが、もし失敗でもしたらそっちにボールが飛んで行ってしまい兼ねないような距離で超絶リフティングが繰り返されるのだ。伝統的な球技である蹴鞠には明確な勝敗が無く、いかに相手が受け取りやすい位置に球を蹴り出せるかが重要なのだという。「球舞」のパフォーマンスの中にも、三人で向かい合って交互に球を渡し合う場面があり、蹴鞠からのつながりを感じさせた。

蹴鞠が勝敗よりも“協調性”を重視した球技であったということや、狂言には人を無意味に傷つける場面が一切出てこないことなど、それぞれの芸能に関する知識を工場長がその都度解説してくれるので、パフォーマンスを楽しみながら伝統芸能に詳しくなれるのが嬉しい。

目の前で展開される迫力のパフォーマンスの数々の中でも個人的に特に印象に残ったのが、和太鼓の山部秦嗣と、ポリバケツや日用雑貨などを楽器にするバケツドラマー・MASAのコラボレーション。ドーンと胸に響く低音が圧倒的な和太鼓の響きと、どこか電子楽器を思わせる音色のバケツドラムが融合し、伝統芸能がそのまま未来の音楽に進化したかのようなリズムを生み出していた。
伝統芸能がジャンルを越えて縦横無尽にコラボする舞台「THE FACTORY」伝統芸能がジャンルを越えて縦横無尽にコラボする舞台「THE FACTORY」

また、すべてのパフォーマーが登場し、時代もジャンルの垣根も飛び越えた壮大なコラボレーションを展開するエンディングも圧巻で、伝統芸能が作る未来のイメージを感じさせてくれるものだった。先人たちの手によって大切に受け継がれてきた芸能がこうして今新しい形で生き続けているということに、純粋に感動してしまう。

あくまでわかりやすく、笑いを交えつつ伝統芸能の奥深さと可能性を感じさせてくれる舞台「THE FACTORY」は、私をはじめ多くの観客の伝統芸能のイメージを書き換える内容だったと思う。上演中、子どもたちの笑い声がたくさん聞こえ、この舞台を見た子どもたちが伝統芸能の世界に飛び込むようなことも起きるんじゃないと思えた。日本の伝統芸能にはまだまだ新しい可能性が眠っているのだ!

「教えて!goo」では「統芸能を守るために私たちにできることって、、、」ということで皆さんの意見を紹介中だ。

●取材協力
「THE FACTORY TOKYO」
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