■簡単にできるお昼ご飯
実際に子ども向けレシピとして、レッスンで使用した献立があるというので教えてもらった。
「まずは簡単にできる『フライパンひとつで3色丼ぶり』です。はじめに、卵に少量の砂糖と塩、顆粒だし(あれば)を加えて混ぜ、油を引いたフライパンで炒り卵を作り、取り出しておきます。次に、1㎝幅くらいに切ったほうれん草(または小松菜)を油で炒め、醤油で味付けして取り出しておきます。最後に同じフライパンに鶏ひき肉、醤油、砂糖を加え鶏そぼろにします。これら3種の具材を温かいご飯にのせて頂きます」(川端さん)
彩りよく、冷めても美味しいため、お弁当の作り置きにも最適だ。ひとつの丼ぶりで、ビタミンやカロテンなどを含む緑黄色野菜に加え、卵や鶏肉からタンパク質がとれるのも嬉しい。
「さらに、先のフライパンを洗わずに『かみなり汁』を作るのもおすすめです。作り方は、豆腐を手でちぎり、ペーパーの上で水切りしておきます。次に、先ほどのフライパンにごま油を熱し、豆腐をほぐしながら加え、バリバリと音を立てながら炒めます。だし汁を加え、ひと煮立ちしたら味噌を加えて味を整えます」(川端さん)
フライパンで豆腐を炒める際の音が“雷”のようなので名付けられたレシピだそうだ。包丁を使わず作ることができるので、子どもと一緒に調理するのもよいだろう。
■手抜きに見えない夜ご飯
次は、地域の小学校給食に取り入れられている献立を紹介してくれた。大好評のため、大人や子ども向けに、レッスンや出張料理教室などでも取り上げているレシピだそうだ。
「簡単で美味しい『あさりとベーコンのチャウダー』です。材料は、あさり、ベーコンに加え、玉ねぎ、にんにく、トマト、じゃがいも、セロリ、昆布など、ご自宅にある野菜なら何でもOK。あさり以外を食べやすい大きさにカットしてオリーブオイルで炒め、だし汁またはコンソメだしなどを加えて煮こみ、塩コショー少々で味を整えれば出来上がりです。ミネラル豊富なあさりや昆布、そしてトマトからも旨味成分が溶け出し、野菜をたっぷり食べられますよ」(川端さん)
続いて、シンプルながら栄養価が高そうなサラダだ。
「人参は5㎜角に切り、さっと下茹でしておきます。同じく5㎜角に切ったキャベツ、ツナ、コーン、ひじきを油でさっと炒め、少量の醤油をふりかけ、市販の胡麻ドレッシングで和えるだけの『海と畑のサラダ』です」(川端さん)
ツナやひじきを加えるため、たんぱく質やカルシウム、食物繊維も摂取できる。パンやご飯などの主食をプラスすれば、1食で栄養満点だ。
■食欲がない子ども向けの夏バテ防止ご飯
暑い夏、食欲が落ちたときにおすすめのメニューについても聞いてみた。
「お米を研ぎ、炊飯器にぶつ切りにしたタコと、お好みの量の生姜と梅干し、酒少々を加え、炊くだけで出来あがる『梅タコご飯』はいかがでしょう。タコには疲労回復や夏バテ防止によいとされるタウリンが豊富で、夏には欠かせない食材です。ご飯がほんのりピンク色になり、タコの旨味に梅の酸味がマッチし、暑い時期に食べやすいですよ」(川端さん)
同じく、疲労回復効果があるといわれる「オクラを使った汁物」も合わせるとよいそうだ。
「温めただし汁に赤味噌を溶き、白玉団子とオクラを加えた『白玉とオクラの赤だし』です。子どもが大好きな白玉団子は赤味噌と相性がよく、するすると頂けますよ」(川端さん)
子どもは白玉団子作りが大好きだ。「自分で作ると、不思議とよく食べるんです」と川端さん。
今回は、子どもの夏休み時期に使えそうなレシピをご紹介したが、いかがだっただろうか。お子さんと一緒に楽しく調理し、元気に夏を乗り切ってほしい。
●専門家プロフィール:川端寿美香
料理家、野菜ソムリエ、アンチエイジングプランナー、お魚かたりべ(水産庁長官任命)。「美と健康は食卓から」をテーマに、野菜と魚のおもてなしサロン「Maman's Dream」を主宰。ワンランク上の家庭料理を自宅、外部教室にて開催。