しかしふと気がつくと、あっという間にタンクが水でいっぱいになっていることも。溜まった水は一見きれいに見えるので、そのまま捨ててしまうのはもったいない気もする……再利用できるのだろうか。
「教えて!goo」にも「除湿機の水を洗濯の水に使うのは汚いでしょうか」という相談が投稿されている。
そこで今回は、片づけ上手塾専任講師である高橋和子さんに、除湿機に溜まった水について話を聞いた。
■除湿機の中に溜まった水は雑菌だらけ!?
除湿機に溜まった水は、一見透明できれいなので何かに使えないだろうかと考えるのが主婦ゴコロ……洗濯などに使っても問題はないのか教えてもらった。
「除湿機のタンク内は常に水が溜まっている状態なので、時間の経過と共に雑菌やカビが繁殖しやすいです。そのため、溜まった水には空気中のホコリや雑菌、カビの胞子が混入していて汚れています。いうまでもなく、飲水としては使用できませんが、洗濯の水として利用することもおすすめできません」(高橋さん)
ホコリや雑菌、カビを含んだ水で洗濯することになっては逆効果である。さらに洗濯機もカビ臭くなりそうで、メリットはゼロに等しそうだ。では、使い道はないのだろうか。
「トイレ用としてタンクに入れたり、植木や鉢植えの水やり、庭や玄関などの打ち水などには利用できるといえるでしょう。とはいえ利用する場合は、雑菌やカビが混入していることを理解した上で使っていただきたいです」(高橋さん)
タンクいっぱいに水が溜まっていると「こんなにも部屋が除湿された」と、ちょっとした満足感を抱いてしまう。さらに溜まった水を適した場所で上手に活用できたら何よりだろう。
■除湿機の適切な掃除方法
商品の購入直後は取扱説明書などに目を通すものだが、使い続けているうちに何となく“自己流”で掃除をしてしまっている人も少なくないのではないか。そこで適切な掃除方法について聞いてみた。
「除湿機を使用したあと、水が溜まったままでは雑菌やカビが繁殖してしまいます。そのため、使用後は毎回タンクの水を排水し、すすぎ洗いをして乾燥させるか、乾いた布で水分を拭き取ることをおすすめします」(高橋さん)
毎回の“アフターケア”が、雑菌やカビの繁殖を最小限に抑えることにつながるとのこと。タンク内の掃除について、さらに聞いてみた。
「月に一度くらいを目安に、中性洗剤を使ってタンク内を掃除しましょう。中性洗剤は、台所用洗剤や風呂用洗剤などでよいので適量をスポンジに含ませて隅々まで洗います。その後よくすすいで乾燥させるか、乾いた布で水分を拭きとってください。ひと月経たずにタンク内にヌメリが出てきたときは、その都度洗剤を使って洗い流してください」(高橋さん)
湿度の高い梅雨時は、タンク内がヌメリがちになる。こまめに掃除をすれば、溜まった水の雑菌やカビも減らせるはずだ。室内の湿度を下げると体感温度も下がるといわれている。今年は、除湿機を上手にメンテナンスしながら快適に過ごし、溜まった水の有効活用にもチャレンジしてみてはいかがだろうか。
●専門家プロフィール:高橋 和子
一般社団法人日本エグゼクティブプロモーター協会を設立。代表理事、片づけ上手塾エグゼカレッジ表参道校専任講師就任。「大人片づけ」®を考案し、思春期から老年期までの各年代に適した片づけプログラムを提唱。インストラクター養成にも注力している。