
■新年の挨拶とビジネスメールは分けよう
ビジネスメールに新年の挨拶を入れてもよいが、年賀状などを送っていない場合、新年の挨拶として個別に一本メールを打つべきだという。
「メールは1メール1用件が原則です。新年の挨拶メールと業務連絡を一つのメールで済ませてはいけません。新年の挨拶であれば、新年の挨拶のみに絞ってきちんと挨拶をします。その際は、『旧年中のお礼』、『今年もよろしくお願いしますという挨拶』、『新年はいつから通常営業か』を明記するとよいでしょう」(城戸さん)
近年では、メールで新年の挨拶を済ますという人もいると思うので参考にしてほしい。続けて件名はどのようにしたらよいのか。城戸さんが例を用意してくれた。
「件名は次のようにします。『新年のご挨拶【○○株式会社△△部名前】』年末年始の大量に挨拶メールが来る時期なので、件名に会社名と部署・名前を入れることで、迷惑メールと区別してもらえます」(城戸さん)
確かに年末年始は迷惑メールも増えそうなので、明確に区別がつくようにしたい。
■ビジネスメール内での新年の挨拶の位置
年賀状も送っており、新年の挨拶は済んでいる。だからといって年明け早々のビジネスメールを「いつもお世話になっております……」とするのも味気ない。挨拶文を配置する場合、どのようにすればいいのかを聞いた。
「通常のメールの書き方と同様、冒頭の挨拶文の箇所に『明けましておめでとうございます』等を入れます。新年の挨拶文の始め方としては、『謹賀新年』『明けましておめでとうございます』とするのがよいでしょう」(城戸さん)
通常のメール通りの順番で、新年の挨拶を入れればいいことが判明した。
「通常配置する『○○株式会社の△△です。いつもお世話になっております』の箇所に、『明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします』と入れ、『早速ですが、○○納期の件』といったように業務連絡を伝えます」(城戸さん)
この場合の件名は、業務に関するメールなので、『○○納期の件』とするとよいとのことだった。
■お決まりの挨拶での注意点
メールでも年賀状でも同様だが、やりがちな間違いがあると城戸さんが指摘してくれた。
「次の2点は注意しましょう。まず、『迎春』『賀正』には、相手を敬う意味を含まないため、取引先や目上の人に使うのはNGです。次によくやる間違いは、『新年明けましておめでとうございます』です。これは『新年』と『明けまして』の意味が重なるため、『頭痛が痛い』というようなもの。もしも『新年』が使いたいのであれば、『謹んで新年のお慶びを申し上げます』や『謹んで新年のご挨拶を申し上げます』、または『新年おめでとうございます』にしましょう」(城戸さん)
新年から恥ずかしい思いをしないよう気をつけたい。
1メールにつき1要件であれば相手も整理がしやすい。挨拶は挨拶、業務連絡は業務連絡と分けて送ることを基本としよう。また、新年の挨拶メールを送る場合、1月7日までに出すのがよい。大事な相手には早め早めに挨拶し、好印象で新年のスタートをきれるよう心がけたいものだ。
なお、「教えて!goo」では「ビジネスメールで悩んだことがある方、どんな悩みだった?」ということで皆さんの悩みを募集中だ。
●専門家プロフィール:城戸景子
営業サポート事務全般、企画マーケティング部マネージャーを経て現マナー講師。企業勤務経験に裏付けされたビジネスマナー研修は、徹底的に基本に特化した内容とその合理性で、大好評。