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年をとると、脂っこいもので下痢しやすくなるのは本当?医師が解説

年をとると、脂っこいもので下痢しやすくなるのは本当?医師が解説年齢とともに変化する食の好み。40歳ぐらいまでは肉が好きだったのに、だんだん魚が好きになり、いまや野菜が好きになったという読者から「気が付いたら、年齢と共に志向&嗜好に変化が……」「教えて!goo」」に投稿が寄せられていた。それに対し、肉や脂っこいものを食べなくなったという回答が。そしてそういったものを食べると胸焼けするという声も。確かに年をとって脂っこいものを食べると下痢をしやすくなったという話は筆者の周りでも耳にする。しかし、これは本当なのだろうか……? 医師に確認してみた。

■脂肪分が分解・吸収される仕組みとは


お話を伺ったのは、信州大学医学部内科学第二教室講師の長屋匡信先生。まずは、理科で習う内容だが、食べ物が消化される仕組みを解説してもらおう。

「食べ物は口から食道を通り、胃に送り込まれます。胃では胃酸や消化酵素により食べ物は分解・消化され、ドロドロの状態になります。ドロドロになった食べ物は2~4時間かけて十二指腸を経由して小腸に送り出されます」(長屋先生)

食べ物は胃で分解されるが、脂肪分は、胃ではあまり分解されないのだと言う。

「食べ物に含まれる脂肪分は、十二指腸で胆嚢から排出される胆汁酸や膵臓から分泌される消化酵素により主に分解され、小腸で吸収されます。小腸に大量の脂肪が送り込まれると、すぐに吸収することができないため、脂肪は胃内にとどまる時間が長くなります」(長屋先生)

胃の運動機能が低下したり、脂肪分を多量に摂取したりすると、食物が胃内にとどまる時間が長くなる。脂っこい食事を多く摂ってお腹の調子が悪くなるのは、「食物が胃内にとどまる時間の長さ」が影響しているのだとか。では、そのことと加齢とどのような関係があるのだろうか?

■下痢しやすいのは、加齢による「胃の運動機能低下」が一因


「若いころは脂っこい食事をしても平気だったのに、年齢とともに脂っこい食事が苦手になるのは、加齢に伴う、胃の運動機能低下が原因と考えられます。また、脂肪分を多量に摂取すると、脂肪を十分に分解できず、小腸で効率よく吸収されないまま大腸に送られてしまい、脂肪便(脂ぎった便)、下痢、腹痛などの症状につながることが考えられています」(長屋先生)

ただでさえ胃の機能が衰えているときに、焼肉などで多量の脂肪分を摂取すると、さらに消化不良となってしまうようだ。

「ただ、若年者と高齢者で胃排出機能や脂肪消化吸収能力に年齢差がないとする報告も多くあり、必ずしも年齢とともに脂っこい食事により症状が出やすくなるわけではないようです。高齢者の場合には咀嚼機能の低下や、消化管機能や消化管運動の低下を来す疾患の合併や既往疾患に対する内服加療などの影響によって脂肪消化吸収能力が低下している可能性が考えられます」(長屋先生)

以上をふまえ、下痢にならないようにするには

「やはり、一度に多量の脂っこい食事をとらないことが一番ですね」(長屋先生)

とのこと。月並みだが、野菜などと一緒にバランスよく摂取することが大切ということだ。

(酒井理恵)
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