![賃貸の場合のエアコン掃除代は?エアコンクリーニングのプロに聞いてみた](http://oshiete.xgoo.jp/_/bucket/oshietegoo/images/watchmain/6/542301348_5e201ecab99ff/ORG.jpg)
■賃貸のエアコンは無料でクリーニングしてもらえるのか
そもそも賃貸物件のエアコン掃除は、どういう扱いになるのだろう。
「エアコン掃除が無料かどうかは大家や管理会社の意向次第です。というのも、多くの賃貸借契約書では、借主が使用するために必要なメンテナンスは大家さんが行う義務があるとしているものの、どれほどの汚れや異臭であればメンテナンスが必要かは明記されていないからです」(大原さん)
なんと、明確なルールや制限はないことが多い。では、無料で行ってもらえるのは、どのような場合だろう。
「一つは、入居してすぐのタイミングでエアコンの異変に気が付いた場合です。入居前にはクリーニングが入るのが一般的であるため、そのタイミングであれば、修理、交換、もしくはクリーニングをしてもらえる場合がほとんどです。また、初夏や初冬といったエアコンを使いはじめるタイミングではなく、真夏や真冬にエアコンが不調になった場合も基準となります」(大原さん)
エアコンの使いはじめの不調は、借主が手入れをしていないことによるカビやホコリが原因の場合が多く、貸主の過失にはならないようだ。一方で、長年使っていて急に壊れた場合は、経年劣化による故障や不調が多く、貸主側の責任になることが多いそうだ。
■大家さんとの直接契約の場合はクリーニング代を負担してくれることが多い
賃貸物件の契約形態によっても、エアコン掃除の扱いは異なるという。
「傾向として、管理会社経由ではなく、直接大家とやり取りできる場合は、融通がききやすいです。管理会社の場合、契約書に則った対応しかしてもらえないことが多いのですが、大家との直接契約であれば話も通しやすく気軽に相談できます」(大原さん)
大原さんいわく、管理会社経由で申し込んだ場合でも、契約書に大家さんの電話番号が記載されていることもあるので、直接確認してみるとよいだろう。
■管理会社が仲介している場合は業者を紹介してもらうべきか
大家さんと直接連絡が取れず、管理会社からも無料では対処できないと言われたらどうするのがよいのだろうか。
「管理会社であれば、生活に関するトラブルに対応できる業者とのつながりを持っていることが多いです。特にエアコンクリーニングやハウスクリーニングといった掃除会社と提携していることがほとんどです。そのため、自分でエアコン掃除業者をみつける時間がない場合は管理会社に紹介してもらうのがよいでしょう」(大原さん)
管理会社からの仲介の場合、注意点もあるようだ。
「管理会社からの仲介だからといって、料金が安くなるといったことはほとんどありません。紹介時に『仲介なので安くしています』といった言葉をかけられる場合もありますが、営業トークのケースも多いです。本当に安くなる業者もありますが、最安値でエアコン掃除を依頼したいときは、自分で探すべきでしょう」(大原さん)
料金を先に確認してから、余裕をもって依頼するかを決めたほうがよさそうだ。
■賃貸のエアコン掃除をするうえで注意しておくこと
最後に、エアコン掃除の注意点について尋ねた。
「エアコン掃除を自分でやる場合は、フィルター掃除などの簡易的なクリーニングであれば問題ないですが、分解クリーニングなどの本格的な掃除をやろうと思っている人は、一度管理会社や大家さんに相談してください。もし分解クリーニングをしたことが要因で後々壊れたと判断されると、本来修理してもらえるケースでも、借主の過失として扱われてしまうことがあるからです」(大原さん)
無料で修理をしてもらえる可能性もあるため、異臭や異変を感じたら、まずは管理会社や大家に連絡してみてほしい。そのうえで、自己負担のクリーニングになる場合は、管理会社に紹介してもらうか、クリーニング業者を比較できるサービスなどを使用して、自分に合った業者をさがしてみるのが得策だろう。
●専門家プロフィール: 大原 直樹(おおはら なおき)
あなたの街の近場のプロフェッショナルを探せる「ファインドプロ」の編集部に所属するライター。実際に現場で活躍しているスタッフからの専門的な声を参考に、エアコンをはじめ、さまざまなハウスクリーニングに関する情報を発信している。