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高校化学


酸化剤を入れるとなぜ分極が抑えられるんですか?

(ボルタ電池)

A 回答 (1件)

ボルタの電池の「分極」と言う現象で「酸化剤を入れると分極が抑えられる」などという説明が完全に誤っています。


ボルタの電池の「分極」は10年ほど前に高校化学の教科書から(ようやく)消滅し(てくれ)ました。

ボルタの電池の各電極の反応は次の通り。
正極 2H^+ + 2e^- → H2
負極 Zn → Zn^2+ + 2e^-
この反応による理論的な起電力は0.7Vで、「分極」なる現象で言われるような1Vではありません。ただし、銅板上で水素が発生するためには比較的大きな水素過電圧が必要で0.23V程度の損失があります。これも含めると、ボルタの電池で観測できる電圧は0.4-0.5Vほどとなります。

ではなぜ「分極」などというものかつての教科書には掲載されてしまったのでしょうか。
それは銅板が"汚れ"ていたからです。
古い10円玉を思い出してもらうと分かりやすいと思いますが、銅板の表面には酸化銅(II)が生じています。この酸化銅(II)が存在する間だけ、正極の反応が次のようになります。
正極 CuO + 2H^+ + 2e^- → Cu + H2O
これと亜鉛板の反応とではじめ観測される電圧が1Vちょっとになるものと考えられます。そして表面の酸化銅(II)はわずかであるので次第に起電力が理論的な0.7Vそして0.4V程度へと下がっていくと考えることが出来ます。
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