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毒を持っている生物は生存競争において非常に有利だと考えられます。
しかし、実際は有毒生物の圧倒的勝利という形にはなっていません。
もし、毒を持っていることが完全に有利であった場合、現在よりももっと多くの生物が毒を持っていると考えられるので、何らかのデメリットがあるように思います。
哺乳類では、原始哺乳類のカモノハシ以外に毒を持つ生物を知らないので、何故、哺乳類や鳥類などの高等生物が毒を持たないのかも知りたいです。
小さい頃からの疑問で、毒を保有することがその生物にとって負担なのかなぁ等と考えていましたが、本当の答えが知りたいのでお願いします。

A 回答 (7件)

進化に何か決定的理由があったとすることを今の進化論は許していませんし、今までの回答でだいたいのことは出そろっていると思いますが……


哺乳類の問題は出ていないので一応私なりの考えを。

「哺乳類を補食するのは哺乳類(か近縁の鳥類)しかいない」
 哺乳類が防御用の毒を持つとした場合、捕食者である哺乳類に対抗するためには、対哺乳類用の毒を持つ必要がある。しかし対哺乳類用の毒を持つとすると、その毒で自分自身が中毒する可能性がある。よって毒素を隔離する毒素嚢を持たなければならない。補食されないためには毒が全身にある程度まんべんなく散っている必要があるが、そうすると毒素嚢をいっぱい作って維持するコストがかかりすぎるし、ちょっとした怪我や病気で毒素嚢が破れ、自分の毒で死ぬ可能性が高くなってしまう。
 ちなみに昆虫などの場合、捕食者(天敵)が哺乳類や鳥類だったりするので、「脊椎動物には効くが無脊椎動物には効かない毒」を血液中に含むものが少なくない。ふぐは神経毒を持つが、ふぐの神経細胞は他の脊椎動物と異なった特異な進化をしており、それによって自身の毒に中毒しない。つまり、毒を持つ前に毒のターゲットが特異な進化をしている(必要性が高い)。

 また捕食者として毒を用いる場合、餌の体に打ち込んだ毒を食べて自分が中毒しては困る。有毒の蛇はタンパク質の毒を使うが、餌を丸呑みすることにより、タンパク質の毒を消化酵素で分解している。一方哺乳類はあまり丸呑みしない。理由としては、哺乳類は他の陸上動物に比べ圧倒的に発達した歯(牙)を持ち、消化効率を向上させ、自分より大きい獲物を狩って群れで分割したりでき、また肉食動物は相手に効果的にダメージを与えられるから、とする説が割合支配的である。
 が、丸呑みではなくよく噛むということをすると、口の中に(骨が刺さるとかで)傷が出来やすい。すると口の中の傷から未消化の毒が入って……とかいうことになりやすい。つまりこの説の場合、生存可能性が
歯を持ってよく噛む>歯を捨てて毒+丸呑み
だったから、という説明の仕方になりますか。

「無脊椎動物は脊椎動物に比べ(平均的に)小さい」
特に陸上ではそうなりがちです。ゆえに、陸上で脊椎動物を覆う無脊椎動物はほとんどいないので、対無脊椎動物用の毒を持つ意味はほとんどないでしょう。捕食対象として見たときも、基本的に小さいので、わざわざ毒を使って動きを緩くするより、速攻でたたきつぶすかかみつぶした方が効率的で早いです。つまり無脊椎動物に対抗する毒を持つ意味はほとんどないように思われます。


「哺乳類や鳥類は新しい、少産少死、しかも成熟に時間がかかる」
哺乳類や鳥類が共通祖先から本格的に分化をはじめて高々数千万年、「生きた化石」など存在しません。しかも少産少死、しかも成熟に時間がかかると、突然変異の機会はそう多くありません。毒は基本的に細胞生理に働きかけるのですが、細胞生理構造の変化(ふぐの神経細胞の進化のような)はなかなか起きるものではありません。それこそ酵母とヒトは共通に持つタンパクがかなりあるほどです。ふぐのような毒の獲得をするのに必要な遺伝的多様性を得るのには、時間が足りないのではないかとも思われます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます
非常に参考になりました
噛むことで口中に疵が出来ることや子孫を残す形態など解かりやすく、長年の悩みが解決しました。
ありがとうございました

お礼日時:2005/03/29 09:29

捕食に毒を用いるメリットは、自分と同等の体格の相手を短時間で殺し(あるいは麻酔し)ゆっくり利用することができることです。

しかし、恒温動物であるほ乳類や鳥類にはこの戦略は有利にはなりません。常に体温を維持し、俊敏に動くことができる様に進化した鳥類・ほ乳類は、基礎代謝量が高く、つまりは大食いなのです。蛇の様にため食いしてあとはじっとしている、と言うわけにはいかないのです(じっとしていてもおなかが減るわけです)。ですから、俊敏さを生かして狩りの成功度を高める戦略が有利になります。
もちろん、俊敏な動作と毒の両方を持つという戦略も考えられますが、毒による自家中毒の危険を伴うため、実際には進化しなかったようです。

防御のための毒は植物を中心に生物に広く見られ、鳥類の中にも毒を持つものが知られています。
ただし、植物等についても毒を生産するコストは問題になります。ですから、捕食者にかじられたとき、そこから生えてくる部分の毒成分の濃度を上げる、などという適応をしています。また、未熟な果実など、種子の分散に繋がらない状態で食べられない様に、種子が熟するまでの期間だけ毒成分を持ったりします。
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この回答へのお礼

どうもありがとうございました
やはり自家中毒ですか、鳥類が空を翔べるまで進化したことを考えると、いろんな生物達が毒を持つまで進化するのでは、と思っていました。
現実、ワサビ等のいろんな生物が自家中毒のリスクとともに生きていることを考えると、哺乳類が俊敏に動きながら毒を持つのが大変だと解かりました。

お礼日時:2005/03/29 09:17

毒にもいろいろなものがあると思います。

その生物にとってどのように役に立っているかという場合、食糧を確実に入手できることに関係している場合が多いのではないでしょうか。
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全ての有毒生物がはじめから毒を持っているわけじゃないですね。


進化のどこかの段階で、毒を分泌できる先祖が出てくるわけです。
このとき、毒をもっていることがとても有利だった場合、その生物が
餌を採りやすいとか、天敵に食べられにくいとかいうことが
あった場合、その遺伝子は栄え、受け継がれますね。
しかし、有利ではなかった場合、その遺伝子は栄えることはない。

たとえば、あるところに亀とイモリがいたとします。
こいつら、毒を持っています。
亀は甲羅があるので、毒があろうがなかろうが防御力大。
毒をもつメリットというか意味があまりないわけです。だから、廃れる。
しかし甲羅を持たないイモリは、通常は食われ放題。
しかし毒をもつことで生存率が大幅に上がる可能性が高い。そういう場合、毒遺伝子を持ったものが増えてくる、と。

あくまでたとえ話ですが、そういう可能性もあるわけです。
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この回答へのお礼

返答遅れてすみません
必要性が低い場合は廃れるというのはなるほどとおもいました。
しかし、毒を持った亀と、毒を持たない亀がいた場合亀と言えど生態系の頂点で無い限り、ワニ等の捕食者に食べられるわけですから、その天敵を減らしたり天敵に狙われないようにするためにも毒を持ったほうが有利だと考えられてしまうんです

お礼日時:2005/03/29 08:23

もし、毒が生存に不要だったら、わざわざ毒(生存に不要なもの)を保有すること自体がデメリットになるでしょう。


毒を体内に保有する場合、
・その毒を生産するため
・毒を生産する器官をもち、その器官を維持するため
にそれだけ多くのエネルギーが必要となります。
また、体内に毒をもつ場合、その毒で自分自身がダメージを受けないようにする機構(解毒作用や抗毒作用をもつもの)が必要となって、そのためにもエネルギーが必要となるでしょう。
さらに、子孫にそれらの遺伝情報を渡す必要が出てきて、遺伝子のサイズもその分余分に必要になってきます。
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この回答へのお礼

返答遅れてすみません
しかし、保有すること自体がデメリットであってもそれが有利であれば進化が進むごとに増えてゆくと考えられます。鳥類は空を飛ぶために骨の構造を変えたり、かなりの負担があるのに発展しているので不思議におもいました。

お礼日時:2005/03/29 08:14

こんにちは。



毒を持つ事のデメリットは、餌にしろ敵にしろ
相手に直に接しなくてはならない事です。
毒を飛ばす種もいますが、至近距離まで接近する必要があります。
これは、逆に自らの身を危険にさらすことにもなりかねません。
(食べられてなんぼって毒もあるし)
毒を使えない(毒が効かない、毒が注入できないなど)と、
格好の的になるので、そこがデメリットでしょうね。

生物が毒を持つ事の意味は、「餌を捕らえる」、「身を守る」事です。
毒を持っていない生物は、わざわざ毒を持たなくても、
この2つを毒以外の方法でカバーしているだけという事でしょう。
生存競争を生き抜くには、”最強の生物”である必要はなく、
種が存続できる能力さえ持っていればいいのですから。
つまり、現在毒を持っていない生物は、持つ必要がなかったのです。
例えば、毒が無い鳥類(実は有毒の種もいます)の多くは、
捕食と保身のために、空を飛ぶ能力を持っています。
空を飛ばない鳥もいますが、飛ばなくても
「敵がいない」「食べ物がある」ために、
その能力を持っていないだけです。
哺乳類をはじめ、様々な生物も同様ですね。

ようするに、地球上の全生物同士で
生き残りをかけた全面戦争をするわけじゃないので、
圧倒的勝利する必要はないんです。
自分のまわりの環境に合わせた能力を持っているに過ぎません。

専門家でもないので、ただの私見ですが、
この様な事だと思います。
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この回答へのお礼

返答遅れてすみません
どうもありがとうございます。
とても参考になりました
毒が生きていくための一つの手段でしかないということがわかりました。

お礼日時:2005/03/29 08:07

毒をもつデメリットは食物連鎖が難しいことでしょう。


草をたべる草食動物、草食動物がふえると、草がなくなり草食動物も餌にこまります。草食動物の数がすくなくなると肉食動物もたべるものにこまります。そこで肉食動物が草食動物を捕食して間引きします。そのため草の絶滅は防げます。肉食動物の死体は虫や微生物などの餌になります。そして草の栄養となります。
毒性動物ばかりだと食べるものがなくなり、食物連鎖はなりたたなくなります。子孫は繁栄しなくなります。
しいていえば、食物連鎖の最大の破壊者は人間です。
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