なぜ日本には、予備警察官がいないのでしょうか？ 自衛隊には予備自衛官、消防には消防団と、それぞれ補助

なぜ日本には、予備警察官がいないのでしょうか？

自衛隊には予備自衛官、消防には消防団と、それぞれ補助的な役割をする人材・組織があるのに、警察には「予備警察官」がないのはどうしてですか？

アメリカやシンガポールには予備警察官がいて、例えば地下鉄の警備、痴漢の防止などで役立っているらしいです。

No.1 ベストアンサー 回答者： phj 回答日時： 2022/11/14 21:54

＞警察には「予備警察官」がないのはどうしてですか？

シンガポールのことは知りませんが、アメリカに「予備警察官制度」があるのは、元々アメリカの警察制度が民間人が法執行を行う制度だったからです。

アメリカではこの制度は今でも生きていて、保安官制度がその代表格、ほかにもバウンティハンターなど民間人が司法権限を活用した仕事ができるようになっています。

これは西部開拓時代という「政府の権限が行き渡らない地域」が有ったアメリカならではの制度で、欧州には「民間人のまま司法執行できる制度」はほとんどないと思います（全部は調べてません）

日本の場合、消防は町火消と大名火消という、民間人の機関と公的機関が並列した時代があり、現在の市町村消防は大名火消・消防団は町火消の流れを汲んでいるとされます。つまり江戸時代から消防は「民間人がボランティアで準公務員の仕事をする慣習法があった」わけです。

自衛隊は軍隊としての国際基準に準拠しているので、予備自衛官は居ますし、日本国内はともかく外国からは「軍人」として扱われます
（もし自衛官が軍人扱いにならないと、日本国内で敵側に捕縛された捕虜自衛官がジュネーヴ条約の捕虜規定を受けられず、便衣兵と同じレベルのスパイ扱になってしまいます。なので日本の国内法の自衛隊の位置づけとは別に、国際的には自衛隊員を軍人として扱います）

しかし、日本の警察組織は幕藩の行政司法組織の歴史しかなく、慣習法的にも民間人が司法活動をする法的根拠が存在しません。そのため、日本で「予備警察官」のような存在を作るのはかなり難しいといえます。

ただ、現実には駐車監視員はほぼほぼ予備警察官の要件をそろえています。仕事自体、警察業務の代行ですし、身分もみなし公務員になっています。
（監視員に対して警察官に準じる法的身分と権限を与えることについては、国会でかなり議論になりました）

ほかにも歩きたばこ禁止条例などがある地域の監視員などはみなし公務員の場合があります。

なので、日本でも「予備警察官」の性格を持つ仕事はあるといえますが、少なくともアメリカの「予備警察官」とは法的な根拠が全く違います。

この回答へのお礼

江戸時代には岡っ引きがいました。
町奉行の下に町方与力がおり、その下に同心がいました。これらは幕府の役人として治安維持に従事していましたが、彼らを補佐する立場だったのが岡っ引きです。正式には御用聞き、目明しなどと言われたようですが、岡っ引きは役人ではなく一般庶民です。今で言う民間協力者のような立ち位置でした。ですが、与力と同心は数が少なかったため、実質的には岡っ引きが治安維持の最前線だったわけです。

予備警察官が警察官と全く同等の権限が与えられている必要はありませんが、交番相談員を増やすくらいなら日本にも予備警察官を導入したほうがいいと思いました。


回答ありがとうございました。
予備警察官の歴史的経緯を知ることができました。

お礼日時：2022/11/14 23:35

No.2 回答者： phj 回答日時： 2022/11/15 01:27

＞岡っ引きは役人ではなく一般庶民です。

今で言う民間協力者のような立ち位置でした。ですが、与力と同心は数が少なかったため、実質的には岡っ引きが治安維持の最前線だったわけです。

その通りですが、かれらは「公式に認められた存在」ではありませんでした。つまり「行政または司法制度の外」で、法律の範囲外の存在です。

＞交番相談員を増やすくらいなら日本にも予備警察官を導入したほうがいいと思いました。

そうそう「交番相談員」、名前が出てこなくて＃１には書かなかったのですが、あれって実質予備警察官です。

まず、交番相談員になれるのは、原則として警官OBで地位は嘱託扱いの地方公務員特別職、なので警棒と警察無線を聞くことができるレシーバーを持っています。

OBというおじいさんたちがそういう職務をするのがいいのか？もっと若い、またはもっと市民の立場でボランティアにするのがいいのか？はわかりませんが、どうしても日本の権力者たちは「一般市民を司法や行政の仕事に関わらせたくない」と思っているように思います。